2024/10/14

20241012-14_新倉-伝付峠-二軒小屋-蝙蝠岳-塩見岳-鳥倉山(後編)

前編はこちら


Day3--10月14日(月・祝)
5:05 三伏峠
↓ - 1:40
6:45 鳥倉登山口
↓ - 1:45
8:30 鳥倉山取り付き(仮)
↓ - 1:35
10:05 鳥倉山山頂
↓ - 3:40
13:45 大河原BS
↓ - 1:15(道の駅・歌舞伎の里 大鹿しばし物色)
15:00 桶谷BS
こんな早朝に三伏峠から下山する人なんて誰も居ないw
折角泊まりで山に来ているというのに毎晩展望のないところで眠っているせいで朝晩の良い時間帯に大した景色を見ていない(残念)。あれもしたいこれもしたいと思っても、なかなか全部盛りにするのは難しいものだ。とりあえず隙間から見えるこんな景色を自分なりに楽しみながら降る。すれ違う人からは何度も「塩見小屋からですか!?」とか「下山早いですね!?」と声を掛けられた。
Innerfactのシャツの柄みたいな色w(伝われ)
登山口着。車の人もここまで車が入れる訳ではないため、皆チャリを使っているようだった。登山口にはチャリがいっぱい。積雪期前ラストスパートの執念のようなものさえ感じる。
チャリは10台以上あったと思う(写っているのは知らない人)。
さてここからは今回の山行の第二部。舗装路歩きを経て鳥倉山を目指す。変な時間なので車もほとんど通らないし、通ってもこれから入山する人の車が数台といったところ。鳥倉山はなんだかお手軽そうな山のイメージだったので登山口もわかりやすいだろうと高を括っていたが、地味すぎて分かりづらかった・・・というか自分が取り付こうとしたところには何のマーキングも道標もなかった。
実際に歩いたのは赤線ルート、鳥倉山は左下のピンク〇から登り始めて時計回りでぐるり
一番一般的なのは赤線で右から歩いてきて黄緑の林道を歩いて赤〇の登山口からの周回らしい(ピンク〇のところで出くわした地元の方に聞いた)。
ピンク〇のところから取り付いて赤〇ポイントまではルートでも何でもなかったがとりあえず尾根道をゆく。踏み跡もあり顕著な尾根だったので特に問題はなし。本当は周回せずに黄色のルートを歩きたいと思っていたのだが、黄色の取り付きポイントにマーキングもなく不安すぎたので諦めた。鳥倉山で迷ったりして想定以上に時間がかかってしまうとこの後のバスに乗れなくなり、即ち家に今日中に帰れなくなる可能性があるからだ。低山というほど低山でもないけれど、塩見と比べたら低い山なわけで、しかし標高が低いからと言って侮ってはいけない。こういうところほど迷う可能性があるし、何より自分はこの山域にそう慣れているわけでもない。安全牌でいこう。しかしこの黄色ルートにあるP1903‐P2082をつなぐ尾根は遠目に見てもとても美しくて素直な斜度だったので、できればいつか歩いてみたいなと思った。
ここがピンク〇地点の取り付き(ちょい崖w)
こちらが赤〇の取り付き。こちらは道標もある
このあと鳥倉山山頂までは遊歩道といった雰囲気を装った道標がちらほら設置してあったが、気軽に入ったら絶対普通の人は迷うだろ、、、という感じのルートだった。特に登り始めて暫くは顕著な尾根道というわけでもなくのっぺりしているせいか、どこを歩けばいいのか微妙で、しかも踏み跡もそこまでしっかりついていなかった。勿論、普通に山歩きしている人なら問題ないレベルではあるけれども。そしてなんだかんだ、三伏峠から降りて再びここを登るのは案外面倒かもしれない。キノコ観察などしつつ、荷物も全部背負ったままデポもせずで1時間半ほどで山頂に到着。例の手拭いを颯爽と取り出して記念撮影。これがやりたかったのである。一人遊び極まれり・・・
ビジターセンター的なところで売っているらしいが、鳥倉山に登った写真を見せると1000円から300円に値引きしてくれるそう。
私は何故かプレゼントに応募していて当選したため自宅に送られてきた。
この手拭い、当選者は僅か5名だったみたい。当選した5人のうち、手拭い持って山頂行ったのはきっと私が最初だっただろうな。そして2024mだから2024年に大々的に手拭い作ろうう・・・みたいなことだったのかもしれないけれど、山頂標には2023mと書かれていたのは結構ミステリーである。小数点第一位四捨五入or切り捨て的な問題だろうか。

塩見目指して鳥倉登山口まで車やバスでアプローチする登山者にとって鳥倉山はおそらくただの通過点で、そこまで展望が良いわけでもなく、わざわざ車から降りて何時間もかけて、奥の有名な山々をさし置いて登るような山でもないだろう。正直私だって、これまで登ってこなかったということはそういうことなのだ。でも最近、遠方の低山や里山みたいなところを歩きたい欲が出てきているということもあってか、とても楽しく歩くことができた。3000m級のような派手さはなくとも森は豊かで各種キノコもあちこちに顔を出しており、植生も独特で楽しめた。派手な稜線を歩いた後にこういうところを歩くクールダウン風情みたいなのも良い。

山頂をすぎて尾根を抜け、東に高度を下げると小ぶりな池があり、その後砂利の林道を経由して再び取り付きに戻る。
鳥ヶ池。鳥はいなかった・・・
林道におりたところから上を見上げての写真。時計回りだとここが降りになるが、反時計回りのルートをとった場合はここから登ることになる。道標も何もないところから闇雲に登らせるのか・・・ 遊歩道を名乗るにはあまりにも道案内が雑すぎるw(本当に何もない)
赤〇ポイントを過ぎてピンク〇ポイントまで戻る途中
赤〇まで戻ればあとはひたすら舗装路歩きを続けるだけ。あわよくば誰か後ろから車がやってきて~なんて多少期待したりもしたが、結局全部歩き通した上、バスの時刻より早く大河原バス停に着きすぎてしまって暇だったので、更に先の桶谷バス停まで歩き続けてしまった。
夏期は鳥倉登山口-伊那大島駅間のバスがある
鳥倉登山口-伊那大島駅区間のバスがシーズンオフになってしまったら自分の足で進むしかないのだとずっと思い込んでいたが、今回調べて初めて大河原‐伊那大島間のバスがあるということが分かった。この区間は18kmもあるので、バスが使えることには大きな意味がある。今後も覚えておきたい路線だし、どうか廃線にならないでほしいと祈るばかりである。暖かい時期なら荷物軽量化して走るとかいうのもあり得るけれど、冬装備を背負って31km走るのは苦痛すぎるのでね。

<参考>
鳥倉登山口‐伊那大島駅 31km
鳥倉登山口‐大河原 13km
大河原‐伊那大島駅 18km

伊那大島駅はすぐ近くにセブンイレブンがあるので、下山後のアルコールやらおつまみやら買い出しをしてから各駅停車の旅で家路についた。飯田線スタートで埼玉の自宅までの帰り路は相変わらず長旅だったが、そもそも電車移動が嫌いではないというのも自分の強みだろう・・・。道中、下諏訪の乗り換えが45分くらいあったので途中下車して温泉も入って帰れたのも最高だった。

たぶん久々の2泊3日、公共交通機関利用のちょっくら遠方ソロ山行、原点回帰というほどのものではないにせよ、矢張り自分にとって最高に楽しい時間だなと再認識できてよかった。忙しかったり準備にかける気力体力が足りなかったり、毎日天気をチェックするだけのモチベーションを失ってしまったり、ちょっとしたことで山に行けなくなり始めると悪いループにすぐ陥ってしまうものだけれど、どうにかこうにかメンタルに火をつけていざ動き始めてしまえばこんなにも素敵な時間が私を待っているのだ。この多幸感を、どんなにしんどい時も忘れないようにしたいし、いつでもここに戻ってこられるんだということを信じたいなとつくづく思う。

山に行き始めてもう15年以上経つけれど、いまだにこんなに楽しいだなんて本当にとんでもない趣味だなとつくづく思う。この趣味と出会えて本当に良かった。

2 件のコメント:

  1. 私はヤスヨさんの文章が好きです。とても楽しいです。私は24年山に関わってきましたが、そろそろ体力の限界です。遠くに行く気力も衰えてます。約20年前に私は逆方向を歩きました。野呂川出会いから歩き始め、両俣小屋、雪投沢、二軒小屋に天幕しました。当時は伝付峠から新倉への登山道は発電所が稼働していたので、ある程度整備されていました。蝙蝠は登ってしまうと大した事はありませんが、北俣岳からはいい感じで見えました、雪投沢で初めてオコジョに会いました。初めてなので驚きました!すべて昔話です。これからも元気に活躍してください。楽しみに待っています。

    返信削除
    返信
    1. 雪投沢(岳沢)+池ノ沢で尾根の乗り換えを歩きたいなーと以前から地図を見ながら考えていたのですが、ここも山と高原地図で薄い破線が残っているだけのことはあって、以前は割と歩かれていたみたいですね。(薄い破線が残っている私の地図ももう10年以上前のものではありますが・・・。)あの辺りオコジョ出るんですね!今もいるんだろうか・・・
      蝙蝠岳界隈はまだ歩きたいところも多いので通いたいとは思うものの、埼玉から公共交通機関で行くには如何せん遠いので天気や自分の今ディンションなど、タイミング見つつですね。
      文章気に入って頂いて嬉しいです!ありがとうございます。

      削除