2026/02/28

20260228_The 9 Dragons/ Asia Trail Master Season 10 Final 70k(前編)

Asia Trail Masterというシリーズ戦のSeason 10 Finalは昨年10月にベトナムで予定されていたが台風で中止となり、その代替レースが2月末の香港のThe 9 Dragonsに決まった。このレースのカテゴリーは本来50mileを走った翌日に50kmを走る50/50というカテゴリーと、50kmカテゴリーの2つしかないのだが、今回はAsia Trail Masterのファイナル戦用に設けられた71kmほどのコースを走ってきた。私にとって初めてのシリーズ戦、そして初めての日本代表として走ったレースはチーム優勝という清々しい形で幕を閉じた。平凡な一般市民ランナーでしかない私がチームメンバーになれたのは運や巡り合わせでしかなかったのだけれども、完走できてよかった。DNF知らずの戦歴をまたひとつ積み上げることができたのは素直に嬉しい。

正直、全然緊張しなかった。
なんならレースがこれから始まる実感さえもないままスタートした感じだった。何故緊張しなかったかといえば、勝手知ったる70kmという距離でトラブルさえなければ完走できるという自信があったし、そして強い人達ばかりが走るということもあってチームで上位に食い込める気がしなかったので個人の成績を気にする必要がないというのも大きかったと思う。自分の想定したタイムでゴールできればそれで良かったし、そのタイムに万が一順位がついてくればそれはそれでラッキーなだけだ。

チーム戦(国別対抗)で戦うにはまず男女各5人、合計10人が揃わないといけない。いつもは出場の条件を満たした人数が揃わずにチーム戦として戦えなかったのだそうで、今回初めてのチーム戦参戦だったらしい。男女各5人のうちチーム戦の順位に関わってくるのは上位各3人の順位で、4位と5位の選手の成績はチーム戦に影響しない。私は4位だったのでチーム優勝に直結するような順位ではなかったのだが、それでも自分はチームの一員だったと心から思えたのがとても良かった。
支給されたチームTシャツで走る。スタート前、時刻は23時半頃
有名で強靭なランナーと一緒のチームで走れるなんて!
ミーハー心が前面に出てきて、気分はほぼ外野ですよw

2026/2/27 (Fri)

8:10のフライトを予約していたので始発で家を出発して香港へ。昨年秋にアメックスカードをローズゴールドからプラチナビジネスに切り替え、プライオリティパスでのラウンジ利用や食事が無料になるようにしていたはずなのに、プライオリティパス側での設定ができておらずラウンジや飲食の利用ができなかったのは不覚だった。せめて帰国する時までには使えるようにしておきたくて、早朝から問合せでてんやわんや・・・(帰国までに設定できて良かった!)
機内ではアイマスクにマスクにヘッドフォンの完全装備で睡眠に全振りし、体力温存をはかっていたが、香港に着陸して間もなく隣席の男性から声を掛けられ、たまたまチームメンバーM山氏だったことが判明(早く言ってw)。チームメンバー2人とそのパートナー、合わせて4人がたまたま同じ飛行機だったので、ホテル行のシャトルバスを待ちつつ空港で昼食をとることに。いきなり物価が高くて目を引ん剝く。
空港価格ということもあってこのパッタイみたいなのが2000円くらい・・・
ホテルに向かうシャトルバスの車内でM山さんが飲むというので私もつられて1本w
500mlのビールがコンビニで180円くらい、ペットボトルのお茶と価格が同じで解せぬ
航空券は自腹だが、ファイナリストとしての招待を受けているため宿泊2日分と国内の交通はほぼ大会側が負担してくれる。ホテル側のシャトルバスに揺られること数十分、ホテルに到着してゼッケンやTシャツを受け取ってチェックインを済ませる。Tシャツはベトナムで開催予定だったファイナル戦のものと、国旗の入った今回用のものと、スタート時点で既に2枚受け取った(ゴールして更に2枚貰って、今回のレースで4枚もTシャツが増えたw)。
部屋は基本2人で1部屋だったが私は1人部屋に。ホテルの夕飯はついていないようなので夕飯どうしようかな?とか考えながらレースの準備を整えシャワーを浴びて、仮眠体勢に入る。

レースは距離71km累積標高3800m程度ということで、私は12時間台後半~14時間でのゴールを想定していた。このくらいであれば眠気に関しては特に心配しなくていいと思うのだが、スタートが25:00で真夜中(時差1時間なので日本時間だと26:00)且つ、この日朝起きたのが3:50であったことから、もしかするとたかだか15時間未満のレースでも眠気にやられるかもしれない。移動中や到着後いかに質の良い仮眠ができるかが鍵になることは明らかだった。
出発2日前くらいに自宅で仮眠についてあれこれ考えていた時、ふと今回カフェイン抜きをしていないということに気付いた。普段カフェインとりまくりの自分はカフェインを摂らなくなると自ずと眠くなり、睡眠の質が上がる。遅すぎると思われるタイミングでカフェインを断ち始め、劇的に眠い日がこの時もまだ続いていたので、夕方は4時間くらいぐっすり眠れてとても良かった。
部屋からの景色
22:30くらいに起きて、着替えて荷物持って23:00過ぎにロビーへ。夕飯食べ損なっていたので急いで近くのセブンイレブンへ行き、サンドイッチを食べた。23:30にスタート地点に向かうバスに乗車して会場入りしたが、Asia Trail Masterのためだけのスタート地点のため、会場は途轍もなく地味だ。夜景が美しい場所らしいが、小雨が降っていて展望もなかった。ガスなのに観光客がそこそこ来て、車の出入りが激しい。数分に1回くらい誰かが轢かれそうになりながらスタートを待つ。

2026/2/28 (Sat)
ガスが酷そうなので、私は最初からヘッデンにフォグフィルターを装着することに。
チーム最強のK氏は初めてのナイトトレイルとのこと(暗いと危ないじゃん!とのことww)
帽子被ってヘッデン?ヘッデンして帽子?帽子は被らない???とわちゃわちゃしていて面白かった
スタートするとすぐ、Team Japanの私以外の人達全員が先行していった。男子が速いのは当然で一瞬も見かけることはなかった。「こんな坂走れないしすぐ歩く~」と言っていた女子も全員ぶっちぎっていったw みんな強い、ITRAのperformance indexを見ればわかる。私は身の丈に合ったスピードで、できる範囲で淡々とレースをこなすことに集中するだけだ。

大きな登りをひとつ終えるとCP2(CP1は我々は通過しない)。雨だし夜だしで写真は全然撮れなかったのだけれど、最初の降りが長くて滑ってガスで見えなくて序盤からかなり苦戦した。70kmくらいならそんなに脚を温存する意識をしなくても何とかなるものだが、兎に角ガスで走れないので自動的に温存がちになる。とはいえ、無理にストッパーをきかせているような状態なので前腿に無駄に負荷をかけてしまっているような気もする。そして何よりも、フォグフィルターがこんなに効かないなんて衝撃である。今回初めてハンドライトではなくヘッドライトにフォグフィルターを付けてみたのだけれど、矢張りハンドライトの方が圧倒的に見やすいのかも。地面までの1.5mくらいの間に光が拡散してしまって地面が本当に何も見えない。トレイルが登っているのか降っているのかも見えず、体で傾斜を感じることくらいしかできない。ロードの分岐も見えないしマーキングテープも勿論見えない。場所によっては水溜まりなのか土なのかも見えないくらいだった。ヘッドライトはレッドレンザーのH8Rを使ったが、最大光量(700lm)をここまで頻繁に使ったのは初めてだった。
予想タイム表。12時間~14時間まで3パターン作成したが、結局14時間半以上かかった。
因みにCP1は50mile用のCPなので我々は通過せず。この表でいうところのCP1が正式にはCP2になる。
雨は降っていたがレインウェアを着たところで汗でびしょ濡れになりそうだったし暑かったのでCP2(上記の表でいうところのCP1)までTシャツのまま走っていたけれど、補給をしている間にいよいよ本降りになってきたので諦めてレインウェアを着ることにした。因みにレインウェアはパーテックスの薄手のもの。降雨予報が出ていたのにゴアテックスをやめたのは、どうせ中からも外からも濡れてぐしゃぐしゃになるのなら少しでも涼しくて薄手な、軽いものにしたかったからだ。
補給食は左から、バナナ、パン(8枚切りくらいの薄さのパンにピーナッツバターもしくはイチゴジャムが挟まったもので、三角形にカットされている)、オレンジ、一番左のバットにまとめて入っているのは手前からマーブルチョコ、グミ、ロータスビスコフ、ポテチ
ここにはなかったけどこのほか酢飯のシャリ、春雨ヌードル、カップヌードル、エナジーバーが置いてあるエイドもあった。
ここまでは特に補給もせずに来て、最初のエイドであるCP2には2:50頃の到着だった。50mileを走っている吉住友里選手にここで追い付かれるw 流石の改走。
レース真っ最中のずーみんさんが見られて大興奮!
ただのミーハーに成り果てて写真を撮らせていただいた
ずーみんさんは手早く補給を済ませるとすぐにエイドを出発していった。と、そうこうしている内にチームメイトのあかねさんが後ろからやってきた。え!?私より先に居た筈だし、今回の5人の中で3番目にはゴールしそうな彼女が何故私よりも後ろに??

話を聞くとどうやら彼女はロストしたらしかった。びっくりした。自分は4位か5位でゴールするだろうしそもそも戦力外だから、完走できるように走りつつも写真撮ったり景色やエイドの食べ物を楽しもうなんて呑気に構えていた節があったのだが、彼女に会って少しだけ「ヤバイ」と感じた。呑気に楽しんでいる場合ではないのかも。何かの間違いで自分が3番目にゴールしてしまった場合、自分の順位やタイムがチームの成績に直接影響する可能性があるのかということをふと考えてしまった(いや最初からそれ考えとけよって話なのだけれども)。

心の中で冷や汗を垂らす。CP2をあかねさんと同時に出発するも、彼女は軽快な足取りで坂を登ってゆく。分かりづらいロードはところどころ一緒に進んだりもしたけれど、すぐに引き離されてしまった。
あかねさんのロストに続き、15kmを過ぎたところで私もかなり盛大にルートを外れてロードを降ってしまった。時計のアラートが鳴ったのは300m以上道を逸れてからのこと。コース離脱していない時にはしょっちゅう離脱アラート鳴らしてくるくせに、本当に離脱している時に中々アラートを鳴らしてくれないのはどうしてなんだい・・・

時計の地図だけでなくスマホでも確認がしたかったのでスマホを取り出すも、雨粒のせいで誤作動して画面がうまく操作できず手古摺ること暫し。ようやく状況を理解して登り返し(泣)。
CP3を過ぎてそこそこのピークに着いたので写真。5:20頃

<エネルギーと水分>

・エネルギー:レギュレーションは無し、エイド間の距離は10kmほど(一番長くて17kmが1ヶ所)、ドロップバッグは無し。スタート時600kcalほど持参。メダリストのカフェイン入りコーヒー味、セブンイレブンの桜わらび、Top Speedのみ消費。あとは水色のアミノバイタルを数本。他はすべてエイドの固形物を食べまくった。エイドで食べたのは春雨ヌードル、パン、クッキー、エナジーバー等。

・水分:インナーファクトのフラスク500ml×2を基本は満タンにして進んだが、大抵500-600ml消費したあたりで次のエイドに辿り着いていたのでもう少し減らしても行けたかもしれないが、自分は都度1000mlは持って良かった気はしている。 

 <服装、装備>
・ヘッドギア:HerenessのFOCUS CAP(チームのロゴ入りオリジナルデザイン)

・上半身:Finetrackのノースリーブドライレイヤー+UglowのTeam JapanオリジナルデザインTシャツ(当日支給品)、ORのアームスリーブ(最初から装着したもののほぼ使わず雨に濡れてすぐ外してそれきり)
※いつも使っている
チャリ用指切りグローブを持参したが、スタート会場で無くしたため今回はグローブなし

・下半身:無印のランニングパンツ(製品名不明)、CW-Xのボディバランスアップスパッツ・ショート(BCY101)、ドライマックスのトレイルランニング1/4Crewソックス(以前使っていたソックスの後継)

・ライト:レッドレンザーH8R

・ザック:The North FaceのTR10

・シューズ:HOKAのTorrent4

・その他(必携装備等):100均のマミー型エマージェンシーシート、エマージェンシーキット(バンドエイド、テーピング、コンタクト、薬等)、レインジャケット(ORのヘリウム2ジャケット)、ウィンドシェル(Patagoniaのフーディニジャケット)、ヘッドライト予備電池(レッドレンザー用)、モバイルバッテリー(Ankerの5200mAh)+ケーブル、ヘリテイジのULトレイルポール、ティッシュ&ビニール袋、生理用品、Fold-a-cup(マイカップ推奨とあった為)、手拭い、サングラス(一度も使わず)、COROSのVertix2S、クレジットカード・パスポート・現金一式、マイナンバーカード(身分証明書として)、目薬

後編へつづく

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