2021/04/11

20210410-11_白馬乗鞍岳&蓮華温泉~木地屋BC

白馬には、今年に入ってから確か今回を含めて3回ほど行ったと思うが、すべてお天気に恵まれた。ほぼ貸し切りの雪上の温泉に、有り余る程のお酒と美味しい食べ物、紺色の宇宙から無数の白い光がドーム状に迫り来る夜半。最高だった。
4月下旬に期限の切れる甲府行高速バスの回数券が1回分残っていた。そろそろ自転車に乗りたい季節だなと思ってK氏を誘い、甲府起点のツーリングに行くことにしたのだが、あれこれ調べているうちに目的地が白馬鑓温泉へ変わり、アクティビティはスキーになった。その後目的地は更にかわって蓮華温泉に。二転三転した結果ここへ着地したという感じ。めくるめくスケジュール変更。(因みに白馬鑓温泉へは2015年4月に一度スキーで行っていて、蓮華温泉へは2017年5月に平岩駅から林道を走ったり歩いたりして行ったことがあった。)


Day1--2021/4/10 (Sat)
金曜日、当初の目的通り回数券を使って高速バスで甲府へ向かった。S氏とK氏の車に拾われ白馬入り、その後時間差でN女史合流。飲み過ぎないようにしようと心に決めて始めた晩酌だったが予定よりは飲み過ぎて、担ぎ上げるはずのお酒が減ってしまったので朝に買い足し、一日目は白馬乗鞍岳を目指して4人でハイクアップ。栂池公園スキー場のゴンドラリフトイブとロープウェイを乗り継いで標高1850mから山頂2436mまで。変なところから取り付いたせいでやたら足元が悪く若干苦戦した。
お天気は快晴
人はそこそこ居たけれど、滑る斜面がたくさんあるので滑る時は人もまばら。
手前K氏のザックは持った感じ軽く22kgは越えていたと思う・・・
私は多分17kgとかそれくらいか?はかっていないのでよくわからないが
K氏と私は泊まり装備を背負っていたので、天狗原まで登ったところで日中使わない荷物をデポ。私はライペンのグランクロワールに更にPatagoniaのディセンジョニスト40Lを入れてきていたので(ザックインザックにしては40Lはデカすぎ)荷物を入れ替えて再スタート。

登ってきた斜面のすぐ脇をまっすぐ降りてくる人達も多かったが、我々は山頂付近をうろうろした結果少し奥の方の斜面を降りることに決めた。滑走準備のため板を脱ぐと、板の脇にテレマークワイヤーが落ちていた。あれ、これは私のワイヤーか・・・壊れたのか、直せるのか、、、あれれ、、、ここまで登ってきて滑れないで一人で下山するとか嫌なんだが、、、と一瞬冷や汗をかく。ビンディングの仕組みをよく見てあーだこーだしていたら壊れた訳ではなくてただ外れただけだった。しかし無理矢理脱いだ訳でもないのに何故外れたのだろう。今後のためにも不具合発生時対応については予め最低限のことは理解しておかなくてはいけないなと少し反省。
シールをはがす
ここ1日2日で若干の降雪があったためグズグズな雪の上に新雪が乗り滑りづらい。板が急に止まったりしてつんのめる・・・。斜面上部は結構テレマークターンができて、今年の練習の成果が出たか!!と喜んだのも束の間、下の方はコンディションが悪くてただただアルペンターンで転ばないように降りてくるのみ(それでも転んだw)。
シュプールの乱れw
天狗原あたりの高さで荷物デポ地までトラバースできればよかったのだが、途中に藪のようなものがあったのでとりあえず皆と一緒にロープウェイ山頂駅付近まで降りてから登り返すことに。解散した時点でもう13時を過ぎていたので、ろくに会話もせず結構なハイペースで登り返した。雲も増えて視界が悪くなってきたが温泉に着くまで頑張らないと・・・。
雲が増えてまったく上が見えなくなった、と思ったらまた見えるようになったり。
泊まり装備を再び担ぐとずしりと重く、とてもじゃないがテレマークターンをする余裕はなく、急いでもいるのでのんびり滑っている場合でもない。露天風呂が17時までとあったのでなんとしても16時過ぎには辿り着きたい。高度を下げたら視界が開けるかと思いきや、下の方が寧ろガスっていてよく見えない。少し離れるとお互いの姿もガスで見えなくなるのだが、多くの人が通過しているのでルートは明瞭で、ルートマーカーも豊富だった。
K氏も荷物が重すぎて何度か転んでいたw外付けのネギが千切れる
途中トラバースが多く面倒だったがなんとか16:30過ぎに到着。時間がないので幕を張るのは後にしよう。とりあえず荷物を置いて必要なものだけ持って受付を済ませる。まだ温泉入って大丈夫ですよーという受付の方のお言葉を頂き、そのまま温泉へ。小屋泊まりの人がかなりいたようで、小屋の前には沢山の板が立てかけてあったが、テントは5-6張しかなかった。

登るところは本当にここで合ってるんだろうかと言うK氏に、私二度目だし多分大丈夫なはずだと返事をしながら斜面を登ること約10分、ようやく1つ目の仙気ノ湯に到着した。その更に上に薬師湯がある。我々が仙気ノ湯に着くと丁度、薬師湯を出て仙気ノ湯へ降りてきた女性2人組がいたので、我々は先に薬師湯を頂くことにした。脱衣所がないので、混んだであろう夕方早い時間帯はハードルが高かっただろうな。人が少なくてラッキー!水着に着替えてドボン。
緑色のお湯
適温過ぎて最高!そして湯舟が結構深い。ふあああああ、景色は見えないがとりあえず乾杯である。ここ絶景なんだよねぇ、見えたらいいね、と言っていると薄ぼんやりと太陽が出てきた。空の上の方が青くなってきたし、これはいつもの、夕方に雲が落ち着く系のアレか。
レジ袋w
女性2人組が出て行ったようなので仙気ノ湯へ移動してみることに。K氏はサンダル持参だったのでサンダルで移動していったが、私は今回サンダルを持ってきていなかったので、スキーブーツのインナーを抜いて素足にプラブーツ(水着でw)という相当おかしな格好で歩いた。足が痛かった。

仙気ノ湯に浸かっていると男性2人組がやってきて、その瞬間で一気にガスが晴れて向こうの山々がお目見えした。こいつら晴れ男かよ!しかも先日至仏山のアプローチをママチャリと電動自転車で行ってきたとかで、しかも街中で借りられる自転車を山まで車で運んでいったなどという面白い話を聞いたりなどしているとあっという間に1時間半くらい経ち日が暮れてきた。
(私ではありません)
薬師湯の方に戻って着替えて撤収準備。お腹すいたね・・・
途中から一緒だった2人組。テントもお隣だった。
今回私はクロスオーバードーム、K氏はフロアレスの2人用ツェルトみたいな感じだったので、宴会はツェルトを広めに張ってその中で行うことにした。お邪魔します。
とりあえず飲みながらメインの鍋の準備。つまみに茹でピーナッツと馬刺し。
ネギ、チンゲン菜、ニラを切って(緑ばっかりw)味の決め手は・・・天下一品こってり!
S氏からの差し入れ。ありがとうございます!
かるく湯煎した袋からお馴染みのこってりスープが固形状になってドゥルンと出てきた。2人とも天一好きだけれど、私はテイクアウトしたことがなかったのでドキドキですよ・・・。肉は鶏腿肉を入れて、はじめは麺を入れずに具とスープを楽しむ。う、、、うめぇ、、、鶏肉もぷりぷり。
〆に麺、トッピング用のチャーシュー。
そして最後は麺。お湯で茹でてからスープに投入するタイプの生麺が多い中、これはスープの中でそのまま茹でてくださいとのことで調理が圧倒的にラク!スープに麺の小麦が溶け込んで更にドロドロになり麺に絡みつく。温めたスープなのにまだ尚固体のようだ。
夢中で食べてしまって、あろうことか酒があまり進まない。明日の行動予定の話などをしながら少し飲んだらもうお腹がいっぱいで飲めなくなってしまった。缶類各自3本ほどとワイン1.5L、日本酒900mlを担いでいたが、日本酒はほぼ手つかず、ワインも少し残した状態で22時過ぎに解散した。自分のテントへ移動しようとすると今日は新月だったようで、見ようとしなくても目に入ってくるくらい星の光が低く迫っていた。星が出ていても見ないまま眠ってしまって起きなかったり、はたまた天気が悪くて星が出なかったり、山に行っても毎回星が見られるという訳でもないのだが、今回は綺麗すぎて圧倒され、暫く立ち尽くしてしまった。


Day2--2021/4/11 (Sun)
夜はマイナス10度以下に冷え込んだらしく、私はダウン上下とダウンシューズ、3シーズン用シュラフ&シュラフカバーに入ってハクキンカイロまで使ったというのに、K氏はシュラフカバーと化繊インサレーション上下と湯たんぽだけで眠っていたらしい。強すぎる。

6:30くらいにのそのそと起き出して、昨夜1玉だけ残した麺を投入し朝天一をすする。更に各自のカップ麺(BIGサイズ)を食べ、グレープフルーツの本搾りを朝のフレッシュジュースの如くに飲み干してから朝風呂へ。夜残したワインは夜中のうちにK氏が飲み干していた。頼りになるw
夜スープをあまり飲まずに残しておいたので、朝のスープは潤沢
小屋に水道があることを知らず、夜は雪から水を作ったのだが、朝は水道の水を頂いた。
まるで試乗会!スノーボードは1枚しかなく、スキーかスプリットボードの2択。
温泉のある斜面はこんな感じ
朝風呂がてら残っていたビール500mlと日本酒900mlをこなすが中々捗らない。そのうちに昨日とは別の男性2人組がやってきたので話しながら入っていると、昨日我々が受付をしている時にかかってきていた電話の主だったようで、夜暗くなってから小屋に着き、昨日は温泉に入れなかったという。16時半過ぎにまだ雪倉岳の山頂にいたようで、相当大変だったらしい。いやはや色々な人がいる、そしてタフな変態が多い・・・

内側からも外側からも温まって、途中雪の上にダイブしたりお湯に戻ったりを繰り返し、今年の夏の予定やら何やら話しながらちびちびやっていたらかなり時間が経っていた。あとからやってきた2人も先に上がってしまったので我々もお酒が飲み終わったと同時に温泉を出ることにしたが、酔っているせいか気が大きくなって、強い日差しの下、無防備に肌を曝していたため温まったというより火照っていた(大丈夫か)。
奥が雪倉岳。良い斜面!
当初の予定では天狗原まで登り返して栂池の方へ戻ろうとしていたのだが、初日に温泉まで滑りながら、ここを登り返すの嫌だなと思ってしまったので、大人しく木地屋の方へ向かう林道コースを選択することにした。しかし距離は木地屋方面の方が長く、実際どちらがラクだったのかはよくわからない。初日の夕方に引き続き、今日も朝のんびりしすぎたせいで時間に追われている(黙々と歩いていて休憩以外あまり喋らなかった気がする)w 天気は土曜日以上に良くて気温も高く、暑い。朝散々食べたから行動食は要らないな・・と言っていたけれど結局行動食も食べていた。どうしてこんなにお腹がすくのか。
登りを終えてぐったり
木地屋側に降りるなら迎えに行くとS氏が言ってくれていたので早めに木地屋に降りる旨の連絡を入れたかったのだが、蓮華温泉でも電波は入らず、除雪済みの舗装路に出てからも一向に電波は入らなかった(どうやら除雪済み舗装路に出るより手前に電波の入るところが1か所あるらしいと後で知った)。
やっと除雪済の舗装路に着いた!
行きに比べて荷物が軽くなったとはいえザックのせいで重心が後ろにあるため、ただダラダラと林道を流しているだけでも前腿がパンパンになってしまい苦労した。荷物なしで滑っているよりも上半身を大分前に倒して板の真ん中に乗らないと前腿が死ぬ。カカトが固定されていたら全然ラクなのを知っているので、固定できたらいいなぁと思ったりもするが、いや矢張りテレマーカーたるものATに身売りしてはならない・・・。
結局16時に舗装路に出てから更に1時間ほど歩いたところで電波が入り連絡がつき、更に30分強歩いてようやく平岩駅に到着した。私は最後の道路歩きもスキーブーツだったので無茶苦茶足が痛くなった。

++++

これまで泊まり装備を背負ってスキーで山に行くことはあっても滑りというより歩きメインばかりだったので、今回のように滑りを伴う泊まりのスキーは初めてだったが、色々勉強になったし軽量化大事だなと思った。次は泊まり装備を背負っていてもテレマークターンができるくらいの重さにとどめたい、とはいえ宴会装備も防寒も手薄なのは嫌だしなぁ。悩ましいものだ。

因みに、温泉で肩と二の腕がめちゃめちゃ日焼けして真っ赤になり、今ようやく落ち着いて今度は痒くなってきた。こんなに焼けたのいつぶりだろうな・・・普段日に当たっていない場所は焼けると痛いので温泉は注意しないと後がつらい。次回の教訓に。

2021/03/07

20210306-07_胴島尾根-笹山(後編)

前編はこちら

Day2--3月7日(日)
3:00 出発
↓ - 3:47(CT2:27)
6:47 白剥山
↓ - 4:28(CT3:15)
11:15 笹山南峰
↓ - 3:15(CT4:35)
14:30 奈良田バス停

前回の伝付峠越えの時は荷物が22キロを超えていてしんどかったので、今回は水込み18kgくらいに抑えてきた。前回は3泊、今回は1泊なので食料が少ないというのもあるけれど、寝袋を厳冬期用ではなく3シーズン用にしてきたのが割と大きかったかもしれない。夜はちょっと寒かったけれど、湯たんぽを作ったら普通に眠れたし、そもそもこの週末は割と気温が高かったのが良かった。朝も暖かかったので、朝寒くて寝袋から出られないということもなく1:15くらいに起床。背水の陣である。凍ったワカンのベルトを締めたりなんだりで足回りの準備に結構時間がかかってしまったが、どうにか3時すぎに出発。朝から食欲旺盛な自分でも、流石に1時半くらいにカレーメシを食べるのはなかなかしんどかったなぁ。

前日のつづきの林道を暫く進んだあとは、奈良田越を境に林道を離れて北へとトレイルが続く。が、この尾根への乗り方が雪のせいでよくわからず結構考えてしまい、20分以上あれこれしていたような気がする。明るければ簡単に分かったのかも知れないが、何せここに着いた頃はまだ日の出前で真っ暗、何も見えなかったのだから仕方ない。いくつかあったピンクのテープのうちのひとつにアタリをつけて登っていくと、廃屋絡みで嘗て持ち込まれたのであろうケーブルが現れた。尾根に乗りゃいいんでしょ尾根に、ということでアタリをつけてゴリゴリ登って正解だった、合っていたのかは謎だが。

それにしても今回は初日からコンパスがフル稼働。というかエマージェンシーキットにコンパスって入れておくべきなんじゃないのか・・・。
私の手元の地図には、奈良田越の脇に「迷」と書かれているw
白剥山に向かって登り始めると富士山がお目見え!
そしてようやく6:47頃、白剥山に到着!コースタイムの1.54倍ほどかかった。この程度で済んでいたのか・・・(もっとかかっているような気がしていた)。
山頂の写真だけ見ると雪大したことないように見えるのだけれど、ここだけ何故か雪が少ないというだけです・・・遠かった・・・ようやく到着
そして再び笹山に向けて進む。無雪期ならば枝葉というのは背より高いところにあるものだけれど、雪が積もって地面が高くなっている分、ヒトの胴体や顔の高さで煩いのが積雪期で、足元のラッセルも然ることながら上半身は藪漕ぎみたいなことを強いられる。森を泳いでいるような感じ、たまにふと我に返るとつらい。ン”アァ”ーーー!!ガァアアーーー!ダァアーーー!みたいな奇声を上げながら進む。たまにずっぽり沈むと脚が抜けず、ザックをおろしてショベルを組み立て、脚を掘り出して脱出する、みたいなことを度々繰り返していた。疲れるんじゃ・・・
この雪の上をふわふわ浮けたらどんなに楽かと思う・・・実際は沈みまくる
等高線の緩いところの方がしんどい。平らなところは積雪を真上からずっぽり沈むまで踏み込まなくてはならず辛いのに対し、斜度がきついとアイゼンの前爪を蹴り込むだけでなんとかなるから多少ラク。自分が登りに割と強いので登りがそれほど苦にならないというのもあるけれども。。。この感じ、うまく伝わるだろうか。。。

しかし冷静に考えてみて、この調子だと今日家に帰れない可能性もあるなぁという気がしてきた。CTの2倍で推移したら笹山まで10時間ほど、笹山から下山に4時間かかると想定すると、出発が3時だったので単純計算で17時下山になる。奈良田発の終バスは15:55なので間に合わないし、奈良田から身延駅までタクシーとなると幾らかかるのか、そもそもここから笹山までトラブルが無いとも限らない。電波の通じる場所で、ひとまず理解ある上司と理解あるクライアントに第一報を入れることにした。あと、帰りの高速バスを一旦キャンセル。矢張り前日に検討した通り、朝は2時に出発すべきだったか・・・いや今更後悔しても意味がない。
夏ならなんてことのないこの案内版、冬に見るとゾッとする。
いやこの時期に伝付峠から農鳥って・・・想像しただけで死にそう
10m進むのに何分かかるのかという感じのが続く
空が見えてきた
金曜だったか土曜だったか忘れたが、数日前に笹山ダイレクト尾根で奈良田から笹山をピストンしている人がいるということをSNSで確認していたので、笹山まで行けば楽に下山できるなというのはわかっていた。笹山ダイレクトは何度も通ったことがあるルートではあったけれど、雪のコンディション次第では、下りでさえも雪にはまって速度が出ないことだってありえる。今回はトレースがあるのがわかっていたからこそ「胴島尾根を引き返す」という選択肢を選ばなかったとも言える。

そうこうしているとようやく開けた場所に出た。2500m過ぎくらいから雪が心なしか締まって沈みにくくなってきて有難い。日が高くなって雪を溶かそうとするのと、雪が溶けずに頑張って持ち堪えてくれるのとのせめぎ合い、私が時間と闘いながらその境目を蠢いている感じ。笹山に着くまで、どうかこのままのコンディションであってくれと祈りながら。
メロウな斜面、スキーがあったら滑りたい!(私は登っているんだけれども)
悪沢岳とか小河内岳とかそっち方面が見えているのだろうけれど、山座同定している時間的余裕もなければ、山を見てすぐわかるほど知らないw(歩いたことはあっても見てわからない・・・)
勿論最初からここまでずっとノートレース。笹山が見えた時点でちょっともうウルウルしてきてしまう。ひとまずここまで到達したという事実だけで感無量である。ここからは夏道も若干出ていたが尾根の真上を歩いた方が楽そうだったのでそうすることにした。サクサクと雪を踏む音しか聞こえず、風もそこまで強くない。最高だ。とはいえこの絶景とここまでの道中に思いを馳せて感動している場合ではない。下の写真を撮影したのが10:27、元々の計画だと10:30に「登頂」→下山15:26のはずで、今こんな手前にいるのではバスに間に合う可能性は低そうだった。ここから山頂まで何分かかるのか、笹山からは最速で何分くらいで降りられるのか、逆算して最大何時に山頂に着けばバスに間に合う可能性が残るのか・・・この青と白の美しい世界の中で脳味噌フル回転で私が弾き出したデッドラインは「11:30」、流石にこれを過ぎたら間に合わないと踏んだ。
このとき10:27
一切沈まないという訳では全然ない。とはいえ樹林帯の中よりは断然歩きやすく締まった雪が続いてくれたお陰でペース落とさずぐいぐい登ることができ、デッドライン前の11:15に無事南峰登頂。実は南峰の西側の方を歩いていたので南峰をスルーして北峰に行こうとしてしまったので、少しだけ引き返すような形での登頂。奈良田からピストンした方(たぶん2人パーティー?)はどうやら南北両方の峰に登られたようで、彼等のトレースに導かれて無事南峰へ。危うく無駄に北峰まで登ってしまうところだった、時間がないというのに・・・
自撮りがへたくそw
長居もしていられないのでぱぱっと写真を撮って奈良田方面への下山を開始。この雲海の奥あたりに多分富士山があるのだと思うのだけれど、見えない・・・。
デッドラインは死守したがまだまだ気は抜けない・・・ということで急いで下山する。お腹がすいたり喉が渇いたりしても、もうそんなことは少しだけ後回しにして進む。最早何度も歩いているので写真も撮らない。標高が下がってきたら雲の下になったみたいでどんどん曇りがちになっていって、幸か不幸か写真を撮りたいという感じにもならなかった。しかし、そろそろワカンなくても良いかなぁと思った頃に足元に何かぶら下がっているのを感じて下を見たら、ワカンが崩壊していた。崩壊したのが終盤で良かった。ラッセルの真っ只中に崩壊していたらと思うと怖い。
U字のパイプ2本をリベットで繋いであるため、リベットが捩じ切れて分解した感じ。
既に過去何本もリベットが死んでいて、死ぬ度にボルトとナットで修理をしていたのだが、今回は生き残っていたリベットが一度に複数個死んだ模様・・・。(以前メーカーに修理を問い合わせたのだが、リベット1本300円以上するから買い替えた方が良いですよと言われたので自分で修理した・・。)

途中小走りになりつつ下山したら3時間ちょっとで下山してしまい、バスに十分間に合ったばかりか奈良田温泉にも余裕で入ることができた。下山後すぐ上司とクライアントに連絡、そしてキャンセルした高速バスを取り直し。のつもりが、バスの予約については携帯の電波が悪くてキャンセル処理ができていなかったので再度予約を取る必要もなかった。結果論だけど、色々とノーミスで完璧にクローズしたw

とりあえず、厳冬期の蝙蝠岳のアプローチに胴島尾根は使わない・・・!そもそも峠を越えて行くと脚も神経も使ってしまってメインの蝙蝠尾根の前にライフが減りすぎるのでよくない。というか冬にこの白峰南嶺の稜線にあがって下って二軒小屋に入るという課題が、どこからやってもハードすぎてアプローチとしてはまったく現実的ではないのだろうな。とはいえ、ここを越えて入っていくということに何らかの浪漫があるのは否めない。まだ個人的に、この辺りに入るべくして何らかの挑戦はつづく・・・・かもしれない。個人的にはノーマークだった胴島尾根だったけれど、この時期の白峰南嶺を歩けたということも含めてとても刺激的で楽しい山行だった。でも2000m~2500mあたりは本当に埋もれ死ぬかと思った。。。

++++++

最後に、2020年2月3日に笹山ピストンした時の写真も比較対象として。この時初日はおじいちゃんKさんのラッセルに助けられてKさんに追いついたところで幕営、2日目は私と同じ日に登り始めたMさんと合流しラッセル隊を組んで登頂。1ヶ月時期がずれているので今回の写真よりも雪多め。
このときMさん(左)が「使ってみたら矢張りMサイズワカンは小さすぎたのでLを買った」といって、帰り際に中古のMサイズワカンをくれたので、実はもう1個我が家にはワカンが控えている・・・!修理の甲斐なく今のワカンが死んだときは、頂いたワカンに世代交代の予定。

20210306-07_胴島尾根-笹山(前編)

何年も何年も、越年山行で行こうとして行けずにいた伝付峠経由の蝙蝠岳。最早越年に拘らなくても良いのではないかと思って先月トライをしてみたのだが、二軒小屋へ入るのに峠を越えるのはいろんな意味で現実的ではなかった。車で沼平ゲートまでアプローチして林道をMTBで走る以外に何かないものかと思っていたところ、SNSで胴島尾根という尾根の存在を教えて頂いたので、あいている週末を使って早速偵察に行ってみた。胴島尾根のルートは、奈良田温泉を起点に胴島尾根末端から入るのと、尾根上の1583.9mに向かって717m地点から入るのと2つあり、後者の方が緩やからしい。後者の記録の方が若干多かったので、今回はこちらのルートを採用することとした。尾根を末端から制覇したい、というのが今回の目的ではなかったので・・・(つい末端からやりたくなりがちだけれど、きちんと目的は考えた方がいい・・・)

Day0--3月5日(金)
いつもの高速バスで飯富入りしてバス停泊。夜には止むはずだった雨が運悪く降り続いていたため、より雨を避けることのできる奥の某建物の軒下にて晩酌。バス停にいた方が目立ちにくいのだが、道路から近すぎて音がうるさい。今回利用した場所の方が道路から遠く割と静かで、いつもよりよく眠れた。
メンマがうまい。(アルコール本日3缶目w)
今回は初日の情報が少なすぎるので行程表は手書き。
しかもこれ家に忘れて、ヤマレコに登録した内容を見ながら作り直しw
注目すべきは2日目の、こうありたいという希望で作られた帳尻合わせのスケジュール

Day1--3月6日(土)

8:27 湯島の湯
↓ - 0:23(徒歩13分、準備10分ほど)
8:50 取り付き出発
↓ - 8:37
17:27 白峰南嶺稜線到着
↓ - 0:33
18:00 P2073手前コル付近幕営

起きると辺りが無茶苦茶ガスっていたが、バスに乗っているうちにどんどん晴れてきて登り始める頃には太陽が顔を出してくれた。西山温泉の湯島の湯バス停にて下車、少し先に進むと取り付きがある。テープの類はないが踏み跡はあり、地形図717m地点のカーブのところなのでわかりやすい。
この尾根ならアプローチに十分使えると思います、という前情報だったのでもっと終始超踏み跡明瞭なのを勝手に想像していたのだが実際はそうでもなく、テープもほとんど無かったw よく考えたら山と高原地図赤破線でもベージュ破線でもないただの無線ルートだし、そんなに明瞭な踏み跡な訳がない。とはいえところどころ明瞭な踏み跡があったし、ちょいちょい歩いている人がいるんだろうなぁという印象。
ひたすら尾根なので、登る分にはテープが無くても踏み跡が無くてもまぁ迷うことはあまりない。
二重稜線というか一時的に三重稜線みたいになっていたのでパチリ(伝わるかな?)
地形図で見ると尾根上に3か所ピークのポイントがあるので、三角点を見つけては写真を撮っていたのだが、2枚しか写真がなかったのでもはやどこのピークなのかまったくわからないw
雪は1800mくらいから徐々に出てきて、まぁ稜線まであと200mちょっとだからどうにかなるだろうと思っていたが甘かった。尾根の上の雪は量こそそうでもなかったが、如何せん岩場を巻く時がグズグズ雪のトラバースになるのでなかなかのエグさ。しかし際どいところでは写真を撮る余裕がなくあまり写真がないのは世の常・・・
14:10頃、アイゼン装着
多分、次に目指すピークを撮ったのだと思う(写真奥)
尾根真上が岩場で、左側の雪のついた斜面のあたりをトラバースしていったのだと思う(うろ覚え)。手前の斜度はそうでもないが、奥に進むに従って傾斜が強くなる。見えない側がどうなっているのか分からない、行ってみないと分からない・・・(岩の上越えた方がいいのかな、とか暫し考えながら進む)
ようやく白峰南嶺の稜線に上がったのが17時半少し手前・・・!稜線の手前が岩場のトラバース続きだったので、抜け切れないのは嫌だなと思っていたのだが、無事に抜け切ることができて一安心。稜線向こうの景色が少しだけ見える。
計画段階では、地図に「広場」と書かれたP2073m付近の林道上が幕営適地かなと思いつつ、しかし翌日のことを考えたらもう少し先へ進んでおきたいなとも思っていた。どうせ稜線まで出てしまえば林道だし、多少暗くなったとしてももう少し先まで進みたかった。稜線の雪は多いのはそれなりに想定していたけれど、以前お正月にこの辺を歩いたことがあったので道自体が崩れているとかそういう可能性はあまり考えていなかった。いや記憶飛びすぎ、全然覚えてなかった。
こんな感じのところがガボッと下まで崩落しているところとかもあり、雪の上をトラバースさせられる。
しかも若干滑落しかけて滑落痕を2mほどつけてきたw斜度がそんなにないのでそこまで落ちないけれども・・・
悪沢岳
右上の斜面からザラザラと崩落しているw
歩いている人がそもそも少ないので、ザラザラしたところが全く踏み固められていない。足を置く度にザラザラと少しずつ自分も一緒に落ちていくので、静かに近付いてくる死の臭い的で気持ちが悪い。実はこの斜面の真上あたりにルートマーカーのテープがついていて、そのまま真下に降りるよう導かれそうになったのだが、いやこんなところルートじゃないだろうということでリルートした。あのまま強引に降りてたら普通に滑落しただろうな・・・。元々は道だったのが崩れたのだろうか・・・。
ここは林道としては崩れたりしていなさそうだけれど雪が多くて厄介
上の写真奥、林道が左にカーブしたあたりで幕営することに。目指していた目的地の広場までそう遠くはないし、落石の心配もなさそうだし、雪の上に葉っぱやゴミがなくてここなら水が作るのラクそうなので。というか、もうね、疲れた。この時間からひやひやする林道のトラバースとかしたくない。
ここいらに張ります。
2日目は計画段階で既に実現不可能に近いスケジュールを組んでいることを理解していたので、冬場の私にしては珍しく超早起きをすることに。そもそも稜線をCT通りで歩くとか無理だし予定通り進む訳がないので2時出発目標1時起き。でも水作ったりなんだりで寝たのは21時過ぎてしまった。
ジェットボイルを真面目にお湯沸かし専用機にしていたので、これが初めての調理w
辛ラーメンにとろけるスライスをブースト!鍋満タン過ぎてこぼしそうだけどなんとか。
美味しかった~
ブレすぎすみません。
後編へ続く