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Day2--2026/1/1 (Thu) 行動時間約11時間 大滝集落~古屋倉跡
明けましておめでとうございます。
元旦は起き抜けのすきっ腹にお屠蘇を飲むのが実家のならわし。私は越年山行には必ずお屠蘇を持参することにしている。この日は朝食のカレーメシと珈琲でカロリーを入れたあとにお屠蘇を飲み忘れたことに気付いた。すきっ腹にお屠蘇ってのが気持ち良いのに!しくじった!とか言っていてもカレーメシはもう胃の中に居るので仕方なく後からお屠蘇に追いかけさせる。今年も健やかな1年にしたい。鼻腔に抜ける薬草の香りが実にいい。
国道を進みつつ途中でちょっとだけ逸れて水ヶ峰を登る。国道に落ちていた小辺路案内リーフレット、ぱらぱらとめくってみると持ち主のメモが書き込まれており、後々役に立ちそうだったので拾っていくことに。自販機マークに1ヶ所丸がつけられていて「ビール」の文字があった。なんだ、ただの酒好きか。
1日目が長丁場で就寝も遅くなることを想定して2日目は短め且つ出発時刻も遅めの7:00で計画していたが、初日思ったより早くテン場についたうえ、この日の朝も普通に起きられたので、予定を前倒しして5:38出発。順調である。  |
| 大分浮腫み始めているが鏡を見ていないので本人はこの時浮腫みに気付いていないw |
水ヶ峰から降りる途中あたりだったか、黒づくめのUL系イケメンみたいな人とすれ違った。2026年に出会う1人目だったのに、この人もしかしたら喪中かもしれないよなとか余計なことを考えてしまって明けましておめでとうが言えなかった。こういう時、どんな相手にでも使える新年の挨拶が欲しいななどと考えてしまう。
タイノ原林道に抜けて歩いている途中でご来光を拝む。丁度展望のある区間で、しかもこの曇天にも拘らず、雲の切れ目から太陽が見られたのは本当にラッキーだった。2026年、良い年になりますように。
今はこういう林道や道路があちこちに開通しているから小辺路も舗装路歩きと山道歩きのミックスになっているけれど、昔はほとんど未舗装の歩き辛い道だったのだろうし、それをはるばる熊野本宮まで、人々はわらじとかで歩いていたのだから頭が下がる。古の人々は肉も食べずに米や豆でその体を維持していたのだから、とんでもない体力おばけである。
大股の集落に出てくると、空き家なのか何なのか、個人が勝手に作ってくれているような休憩所がいくつかあった。小辺路歩きに優しいお出迎えだ、しかし人には全く会わない。
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| 椅子が無駄に豪華 |
そして今回の最高峰となる1344mの伯母子岳の登りにさしかかる。雪がついているとしたらここだろうな。登り始めると割とすぐに萱小屋跡避難小屋に着く。まだ全然時間が早いので泊まっている場合ではないけれど、こんな立派な小屋だったらどうにか時間調整してでも泊まってみたかったなぁ。事前に写真など少しは見ていたものの、ここまで立派だとは思っていなかった。滅茶苦茶綺麗で雰囲気もあって素敵!
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知り合いも幕営していた萱小屋跡。私なら絶対小屋の中に泊まるw 今は個人の所有物で、その方が管理されているそう。薪完備。 |
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| 暖炉と囲炉裏!使っていいらしい。すごい・・・。泣く泣く通過。 |
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| 向こうの嶺がほんのり雪を纏っている |

せっせと登っていくと段々雪が出てきた。多少凍結したトラバースもあったが全面凍結ではないのでスパイクは使わずに通過。前回降ったのがいつなのかはよくわからなかったが、確か12/27あたりの記録で結構雪の積もった写真を見かけたような記憶はあるが、それから降っていないのかも知れない。
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| 山頂到着。良い眺め! |
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| 山頂を振り返って |
山と高原地図だとこの先、伯母子峠の避難小屋と水場にいったん降りてから南下するルートになっていたが、実際は小屋を経由せずに南下する踏み跡があったので小屋には寄らずに踏み跡を辿ることにした。計画段階では、伯母子岳に避難小屋があるなら小屋泊か、しかしもう少し進んで上西旅籠跡で泊まるか・・・と考えていたが、予定していた出発時刻より1時間20分早く出発した上に歩くペースも速すぎたようで、上西旅籠跡に11時半頃には到着してしまった。これは想定外。まだ暫く歩くことにする。
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| 平らで明るい幕営適地。水場もトイレもないけれど、ここは確かに気持ちよさそう |
降り切って腰抜田(こしぬけた)。いや地名のクセ強・・・
50m下手に石碑がありますとのこと、そして下の写真がその石碑。実際の田は水害の時に川底に沈んでしまっているのだそう。不知火と書いてしらぬいと読む、みたいな読み方なのかななどと思っていたが腰抜田はそのままこしぬけたと読むのね・・・

再び山へ。登り口に三浦の湧水というのがあったが水は細くちょろちょろ程度。もう少し登れば三十丁の水というかなりあてにして良さそうな水場もあることだしね、などと余裕をかまし、ナルゲンの減った分だけ補充した。
次の水場である三十丁の水を目指そう。途中に吉村家跡という場所があったが、ここには当時植えられたという防風林があった。確かにその周辺は木が密で、植えられた杉の木は樹齢500年と推定されるとのこと。吉村さんが家の周りに風よけで木を植えて、それが今も残っているというのは言葉にすれば至って普通のことなのだが、なんというか当時の吉村さんに話してあげたいような気分になる。あなたが植えた木、こんなにのびて今も残ってんだよ確かにこの周辺は風が来ないよね、と。ずっと昔ここに確かに吉村さんがいたのだ。
三十丁の水は涸れていた。
1滴2滴というレベルでまるでお話にならない。この時点で15:40、そろそろ幕営地をどこにするか考えたいところだが、このままだとちょっと水が足りない。

もう少し登って三浦峠。ここで泊まれば翌朝景色は良さそうだが標高は1000mを超えていて風も抜けるし寒い。トイレも東屋もあるが水場は無く、手洗い用の天水だけである。しかし初日の幕営地が800mちょっとだったことを考えると、そこから更に標高を上げて風が抜ける場所での幕営は絶対に寒いし、まだ行程2日目にして睡眠の質を下げたくない。もう少し標高を下げたところで眠ることに決め、もう少し場所を探すことにする。時刻は16:30。
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| 綺麗で広い。 |
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| 奥の小屋がトイレ。 |
峠から僅か10分ほど進むと、地図にもきちんと書かれていたのに完全にノーマークだった水場が現れた。信じられないくらいドバドバ出ている。
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| 写真右手前に水 |
水を汲み更に10分ほど降ると古矢倉跡という幕営適地に着いた。下調べの時点でここの存在は認識していたが、1日の終わりに到着する位置になりうると考えていなかったためそれほど重要視してもいなかった。横に斜面があるので多少落石の可能性はあるものの、それほどの急斜面でもないのでまぁ大丈夫だろう。テントをたてるとかなり平らな場所で寝心地も良かった。
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| ここを本日の宿とする! |
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頑張れば何張かいけるかも知れないが、割とスペースは狭め。 4泊する中でテン場が人と一緒になることが一度もなかったので、場所が選びたい放題だったのはとても良かった。 |
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| 今日は原点回帰でサッポロ一番塩らーめん。 |
初日の食欲が続いていたら本当に食料が不足してしまうと心配していたが、結局2日目には落ち着いて予定通りの量でお腹が満たされたのでひと安心。この日のアルコールは勿論お屠蘇だったが、今回お正月らしい食べ物やつまみは全く持参できなかったのであまりお正月感は出なかった。

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| 翌朝出発前に古矢倉跡の説明をよくよく読んだら「昔、古矢倉坊主なる者がいたが、屋敷に釣天井を仕込み、旅人を殺害して軍資金を作り、大阪の陣に出たといわれている」とのこと。ここ、幕営適地って言ったって滅茶苦茶いわくつきじゃねぇか・・・ |
因みに余談だが、2018~2019年の越年山行は長衛小屋ベースの4泊5日でお正月感出しまくった。こういうのが越年山行の醍醐味でもあるはず・・・今回はできなかったけれどやむなし。それにしても、この時の山行はブログ書かなかったみたいだなぁ、書けば良かった(今更)。
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切り餅を網で焼く。大晦日は冷凍蕎麦で年越し蕎麦もやった。 この時荷物は23kg超えw |
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午前に山登って午後は宴会みたいなことを連日繰り返していたので明るい時間から酒。 楽しかったなぁ |
以下備忘録・装備編
天気予報等を参考に夜間の気温が-5~-10℃と想定。装備が重すぎるとゴールまで歩ききれないと判断して適度に削った。スタート時、水込み16kgほど。
寝袋:3シーズン用カモシカオリジナルSPDX3/ Nanga、シュラフカバー(Ali Expressの安物)
防寒:Infinity Jacket/ Rab、ダウンパンツSPDX100/Nanga、Hot Socks/ Integral Design
※シュラフは厳冬期用(Feathered Friends)だとオーバースペックだと思ったので薄手に。
シュラフを削った代わりに、ダウンジャケットをいつものものよりも厚手に。
(普段はFlash Jacket / Western Mountaineering)
※ダウンパンツの下はキャプリーン4のタイツ
防寒その他:白金カイロ
足回り:Marmolada Pro/ Scarpa、チェーンスパイク/Hillsound
※トレランシューズだと寒そうだったので登山靴に。
グローブ:ウォームブラスターグローブ/ワークマン、防寒テムレス
※他にもメリノグローブと防水グローブ等持参したが使わず
テント:クロスオーバードーム/ヘリテイジ
※エスパースのダブルウォールを持ちたかったが重すぎるため諦め。
荒天になっても雪だし水没しないと想定し、クロスオーバードームにした
火器類:P114+OD缶250に冬季用CB缶詰め替え
この装備で標高1000m近くまで登ると寒かったので、宿泊地に選択肢がある時はできるだけ標高を下げるようにした。また久々に白金カイロを使ったが、これがなかったら睡眠の質は大分下がったと思うので持参して良かった。
また、今回火器で冬季CB缶をOD缶に詰め替えた物を初投入してみたがかなり使えて、火力も下がらないことがわかった。厳冬期どこまで使えるかは次の雪山などで試してみたいと思う。これが厳冬期に使えたら、冬のガスのランニングコストはかなり下げられるはず。今回ガスは出発前総重量321g→山行後149g=使用量172gでほぼ使い切り(毎晩湯たんぽ作成など)。
3日目へ続く
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