2014/05/03

20140503-05_チョキ-八幡尾根-金峰山-大日岩-小川山(1日目)

何年も前からあたためていたチョキからの八幡尾根ルート。
アプローチに時間がかかる上、ルートは無線である。山と高原地図には県境の線が引かれているだけだ。人が歩いた記録こそあれど、自分が1人で入ってどれくらいの時間で抜けられるのか見当はつかない、土日で行くには危険なルートだった。
折角のゴールデンウィーク、4日もあるのにこんな近場で済ませてしまうのもどうかという気はしたが、大好きな奥秩父で徹底的に藪を漕ぐのもまた一興というもの。

GWということで登山客も多く、韮崎発瑞牆山荘行のバスには臨時便が出ていた。直行便だとリーゼンヒュッテには停まらないので、直行日ではないバスに乗りリーゼンヒュッテで下車をする。当然連休初日の朝一のバスで、ここで降りる人など私しか居ない。この人なんでここで降りるんだろう、的な目でバスの乗客に見送られる。

舗装路をそのまま暫く進むと、木賊峠へ向かう道との分岐があるのでここを右に入り、また暫く歩いたあたりで左に林道への入口ががあるのでここから入ることにする。地形図を見ると顕著な尾根であり迷いようがなさそうだ。韮崎駅のトイレで水は3.5Lほど汲んであったが、最後にここの流れで喉を潤してから入山。
どこからあがろうか事前に頭を悩ませていたのが馬鹿馬鹿しく思えるくらい、少し登るとすぐに踏み跡があった。どこにでも物好きはいるものだな・・・
いきなり骨の歓迎を受ける…南無阿弥陀仏
登ったルートから右を見下ろして林道が見えることは予想していなかったのだが、西側の斜面を見下ろすと興醒めな舗装路が見え隠れしていた。地形図には無いように思えるけれど、新しく作られたのだろうか・・・
踏み跡はあるようでいてないようでいて。柔らかな土は登りにくい
こんなささやかな尾根道なのに、なんだかもう奥秩父感があるのだから流石のエリアだなぁ。なんともいえない想いがこみあげる。
1810m地点あたりで小さな尾根に乗る手前で少しだけ急登する。ここまでくればチョキのピークまではあと少し。日の目を見ないであろうピークだが、堂々たるその姿に意表を突かれながらグイグイ登る。なんというか、左右対称でとても美しく均整がとれた形をしている。
そしてついに到着。このピークに実線のルートで到達するには、木賊峠まで車で行く必要がある。八幡尾根でも行かない限りはただのピストンしかできないし、ピストンしても2時間くらいで終わってしまう。きっと行く人は少ないのだろうなぁ。勿論この日もここでは誰とも会わず。
こんなルートでした。
小腹を満たしてから八幡尾根に足を踏み入れる。踏み跡も明瞭。破線やら無線やらのルートを好む人であればきっと必ず目に付くルートである筈なので、歩いている人も多いのだろう。これは結構呆気なく終わってしまうかも?というある種の期待と不安がよぎる。
南側の斜面
そして尾根道
チョキのピークから1時間ほど歩くと少しだけがちゃがちゃしてきた。まだ序の口。
もっとがちゃがちゃしてきた。イライラさせるシャクナゲの藪が少しずつ。
ここは1900m付近に東南方面に現れた崩落地。ここに入ったら多分抜け出せないんだろうなと思わせるような蟻地獄のような谷底を右に見下ろす。万が一落ちたらどうやって抜けるかなぁと妄想したりなどしつつ、怖いけれどもついつい見てしまう白いガレ。
一歩足を踏み入れたらきっと下までいってしまうんだろう
がぼっと崩落している
私がこれまでに経験してきた藪の中には、他の追随を許さないような激しい藪もあった。だから、八幡尾根のような(一部の人に)名前の知れた尾根の藪がいくら「酷い藪漕ぎだ」と言われたり書かれたりしていたとしても、そこまで大したものではないだろうと少し高を括っていた。実際たしかに手応えのある藪漕ぎだったけれども、それぞれの藪がそう長く続かないので心が折れることはない。何時間も藪の中に居続けるようなことはないので、逆に何時間も藪の中に居るようなことがあれば、それはルートから外れていると考えた方がいいだろう。
因みに帽子に乗せてあったサングラスが藪に奪われてしまった。その程度の藪であったことは確かだ・・・(嗚呼・・・)
P2035かその手前のピークかは忘れてしまったが、どこかの平場にかつての生活のにおい。酒瓶はなかったかなぁ、一斗缶とワイヤー、トタン、空き缶などが散在していた。ここは廃道と言われているが、こちらの記録によると1988年の地図にはもうルートとして記載されていないらしい。一体いつまで登山道として歩かれていたルートとなのだろう。
エリアがエリアなだけに岩場や大岩もある。先の見えない岩場は無いので、先を見越しながらルートを考える。尾根の真上を歩いたり、巻いたり。ログはとらなかったので、どこをどうルート取りしたかの記録は残っていないけれど、それを考えながら進むのがまた楽しみのひとつだろう。因みに、どこだったか忘れたが、一度懸垂で降りようかと考えた岩場もあった。しかし降りてから登ることを考えたら相当大変だなと思い直してルートファインディングを再度仕切り直したところ、正しいと思われるルートが見つかった。トレースは、はっきりしているところはこれでもかというくらいはっきりしているのに、トレースが欲しいところではほとんど無い・・・というのがこのルート。でもうっすらとどこかに、歩き易いラインは残っている。それを嗅ぎ分けて進むのと、そうせずにゴリゴリ進むのとでは、所要時間や危険度はだいぶ変わってくると思う。地形図と地形を頻繁に見比べながら、五感を研ぎ澄ませて、GPSと相談しながら、一番良いラインをみつけていく作業を繰り返す。この作業は2日目の方が多かったかな・・・

遠くの五丈岩の姿が小さく小さく見えている。今はまだとても小さい。
写真中央あたりに五丈岩の姿が。
瑞牆山の猛々しいシルエット
結局とくに八幡山ピークになにか道標があった訳でもなかった(と思う)。ピークの少し先の等高線の幅が広がったあたりで幕営。今回連休後半で降雨があるとの予報が出ていたのでツェルトでもタープでもなくドームテントを持参してきたのだが、なんとフライシートを忘れてきてしまった。失意の幕営、しかしこの日の夜は強風で、樹林帯の幕営だったにも関わらずテントもかなり煽られたので、とりあえずドーム持ってきて正解だったなぁと思った次第。シュラフのスペックを落として、さらにダウンパンツも持参しなかったので、ドームじゃなかったらおそらく寒くて眠れなかっただろう。0度は下回っていた模様。

初めて中サイズのピコグリルを使ってみることに。下に断熱材を敷いて炊飯。大サイズのピコグリルと比べると若干火力を保つのが難しい気がしたけれど、なんとかお米も炊けてひと安心。おかずは手抜き、エスニックごはんの具 ガパオで夕飯とする。目玉焼き作って乗せたら立派なご飯になりそう。残ったご飯は翌朝カップスープに浸して一煮立ちさせリゾット風に。
ギリギリ焚火缶小が乗る・・・見た目は結構危なっかしいけれど、意外と大丈夫。
テントのすぐ近くでやったのでちょっと火の粉が怖い
2日目へ続く

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