2022/10/22

20221009-10_第30回日本山岳耐久レース・長谷川恒男CUP(後編)

前編はこちら


ロードに出たり、トレイルに入ったり、を数回繰り返してからようやく月夜見到着。時刻は20:45。思ったより速いし、疲れがそんなにない!
今年はCOVIDの影響で月夜見CPでの応援が禁止になっていたため、いつもの賑わいが無く静かだった。三頭山では落ち着いていた雨足は月夜見に近付くにつれ強まり、月夜見に着く頃にはすっかり本降りになっていた。長居はできない。「月夜見は絶対寒いから、水分補給以外のタスクは月夜見を出て樹林帯に入ってからやった方がいいね」などと浅間峠でナガイ君と話していたのに、いざ月夜見に着いてハイドレーションをあれこれしていると、樹林帯に入ったあとでまたザックをおろすのも面倒だなとか色々考えてしまって結局すべてのタスクをその場で行うこととなった。

月夜見の例年との違いは、応援がいないことだけにとどまらない。水の補給の方法が「係の人がウォーターストレージに1.5L分注いでくれる」スタイルから「500mlのペットボトルを3本受け取り、選手が自分でストレージに注ぐ」スタイルに変更されていたこともかなり大きかった。悪天候の中、ひとりで、自立しないハイドレーションの口を広げて水を注いだり、そこに何かしらの粉を混ぜたりするといった一連の動作には案外気を遣ったし面倒だった。私はといえば、ハイドレーションの中にはまだ麦茶が500mlほど残っていたのでまずはできるだけ飲み、水2本とポカリスウェット1本を受け取りに行った。さてこれらをどうするか。そこいらに麦茶を撒き散らすのも憚られたし、係の人に麦茶をどこに捨てたらいいか聞きに戻るのも億劫だった。兎に角体が冷えない内に月夜見を離脱したくて、いろんな作業を省略して時短したかったのだ。私はイチかバチか、少し麦茶の残ったハイドレーションパックに水もポカリも全部入れて、そこに更に塩梅水の粉を2袋入れた。どんな味になるかわからないけれど、四の五の言っていられない。水分は水分、飲めれば良いのだ。しかも先に粉を入れずに後から入れたためにハイドレーションの口の部分に粉がつきまくっている。先に粉を入れてから水を注げば良かった・・・とはいえ、粉のベタベタ感はこの雨が洗い流してくれるに決まっているし最早どうでもいい!そうこうしている内にもう手がかじかんできて、あらゆることがうまくできなくなってきた。敷き詰められたブルーシートはどこも水溜まりで座ると冷たい。ザックも自分も雨と汗とで飽和状態、シェルだけがパリッと私を守ってくれている。

浅間峠と同様、ここまで食べてきた行動食のゴミをまとめて、ここから先のエネルギーを前面のポケットに詰め込むルーティンに勤しむ。美味しいなぁとぼんやり思いながらチョコようかんを頬張る。
ヘッドライトの電池交換を済ませてしまうには少しタイミングが早いけれど、この後ゴールよりも手前で再度ザックをおろして作業をしたくないなぁと思ってここで電池交換をし、イエローのフォグフィルターを付けたハンドライトとの2台体制を整えた。最後にトイレを済ませていざ出発。

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月夜見直後の急坂は、草に粘土を塗りこめた上をクロックスで滑っているかのようでまったくグリップがきかない。スリッピーすぎて、どんなに慎重にゆっくり進んでみてもゆっくりズルズルと転んだりする。どうにもならない。少し脇を走れば多少草が出ていてグリップするのだが、トレイルへのダメージを考えるとあまり勝手なところを踏むのも憚られる。月夜見で冷えた体を一刻も早く温めたいのでとっとと走りたいのだが、走れない。しかも下りのみならず、その後の登りさえもズルズルと落ちるので、50cmで一歩踏み出したとしても30cmくらいずり落ちて無駄な動きが多いというか、とにかくなかなか進まない。この期に及んで謎の区間で渋滞みたいになったりしていた。ある意味エンターテインメント、奥多摩の風雲たけし城の如し。酷過ぎて笑うしかなくなってくる。前後にも、左右にもずるずる滑るので、いつもなら疲れないようなところに疲労が溜まってきた。具体的には股関節が死にそうになってきたので斜面の傾きを使って腸腰筋のあたりを伸ばしたりしながら進んだ。ハセツネの2週前に屋久島を含めた鹿児島へ遊びに行ったのだが、その時案内してくれたハセツネ8時間1分のPBを持つ友人ヒラヤマさんは「月夜見まではジョグ、そこからギアを入れる」みたいなことを言っていたので、私も今回は月夜見まで(ジョグとは言えないものの)大分抑えたつもりだったのだが、ここから先この泥濘と水溜まりが続くトレイルなのであれば走れる場面など登場しないまま温存した脚を持て余してゴールになってしまうのではないかという気がした。こんなことなら泥濘を見越して序盤から飛ばしてタイム稼いだ方が良かったんではなかろうか。。。

月夜見のあとは御前山・大ダワ・大岳山・金比羅尾根でフィニッシュ。飛ばせるコンディションのトレイルが出てきたら飛ばすかーと思いながら今はぬかるんだ目の前のトレイルを着々とこなす。しかしトレイルが飛ばせるコンディションになったとしても自分のコンディション的に「飛ばせる」気があまりしなかった。そもそもトレランのレースが久しぶりすぎるので、自分のトップスピードを経験してから既に4年以上経っているのだ(レース以外でトレランをしてもそこまで飛ばさないので)。矢張り、やらないと何でも忘れる。頭も体も。

事前に友人から聞いていた通り、御前山の登りは木段が設置されていてまるで知らないトレイルのようになっていた。段差が凄いと聞いて、なんたる木段を設置してくれちゃったんだよ!と思っていたが、このズルズルのコンディションにおいてこの木段があって逆に助かったのかもしれない。御前山を終えて一気に大ダワまで下り、大ダワではVESPA HYPERと安納芋羊羹を投入したのだったと思う。羊羹無茶苦茶美味しかったな。ここで係のお姉さんと軽く談笑し、今回かなり手前でのリタイヤが多いことを知った。友人達はどうか?スタートしてから一切スマホを見ていないので何の情報も入ってこない。ナガイ君には多分追いつかれていないし、タケさんは浅間峠の手前で道を外れて立ち止まっているのを見たきり浅間峠でも追いついてこなかったので調子が良くなさそうだなとは思っていたがその後復活したか?スタート時に別々に並んだ皆はどうか。浅間峠以来誰にも会わずにここまでやってきたし多分この後もずっと誰とも会わないだろう。勿論自分にはリタイヤする理由などないので駒を先に進める。

ここから大岳山までは、練習さえしてきていれば結構走れる。走れれば、これまで練習それなりに頑張れた証拠。走れなければ、まだまだ練習足りてなかったなということ。今回はどうかな?と思っていたけれど、思ったより走れたのは嬉しかった。蹴り出してどんどんスピード上げていく感じではなかったけれど、淡々と止まらずに走れた区間が長かったのはよかった。ラスボス大岳山を終えて下って
御岳山、長尾平近くも結構走ったけれど、いまいちスピードはない。トレイルがぐちゃぐちゃでない部分が多くなってきても、脚が前に出ないなぁという感じになってきた。止まりはしないけれど速くもない。これは疲れなのか?相変わらず股関節が重いし御岳付近のコンクリの突き上げが股関節にくる。練習不足の時は大抵前腿が死んでコンクリの衝撃は前腿にダイレクトにくるのだが、今回は股関節だ。痛みの種類が違うし、なんなら痛みかどうかもわからない。なんだろうか?

しかしようやく御岳までやってきた。次は日の出山だ。生憎のお天気で夜景も見えず、雨も降り続いている。嗚呼、なりさんにとって今回は初めてのハセツネで、初めてってのは一度しかない訳で、ここからの夜景見て欲しかったなーお天気悪くて残念だな、とかこの時は考えていたのだけれど、後で皆と話していたら「日の出山頂が夜景なのかよ!」と言われた。(あと数時間遅いとここで既に夜が明けているため。)因みに今回夜が明けてからここを通過した仲間によると雲海が見えたらしい。

日の出山山頂で1時20分くらいだったと思う。ここから早い人で1時間と言われたが、自分の過去のタイム的には手前の長尾平から最速でも1時間半くらいだったので、今回は速くても3時は過ぎるなと思った。トレイルのコンディション的にも自分のコンディション的にも、PBと同様のペースが出るとはとても思えなかった。すぐ近くにいた人と「ここから1時間は無理ですよねぇ」と言葉を交わしながら、細かい木段をちまちまと刻んでいった。


ハセツネ全ルートの締め括りとなる金比羅尾根、ここでウィニングランをぶちかませるかどうかでハセツネの印象は決まるといっても過言ではない。しかし今回は悉く人に抜かれまくった。後ろから人が迫ってくるとすぐ道を譲る、というのを何度も何度も繰り返したが、毎回それが男性であることに胸を撫でおろしたりしていた。そういうことじゃないのに、自分が気持ちよく走れているかどうかが重要なのに、私もバカだなぁと思いながら、しかしそんな中ハイキングみたいなハットを被ったお姉さんには一人抜かれた。こちらはと言えば、ただただ股関節が死んでいる。鹿児島で言われた「月夜見まで温存」を心掛けてなおこの結果なので、アドバイス通りきっちり温存できて良かったということだろう。実際は月夜見まで相当速かったのだけれど、温存する気なく突っ込んでいたらきっともっと速かっただろうし潰れただろうな。景色は雨と霧で何も見えないけれど、レース前に一通り読んだ過去4回のハセツネの自分のブログに書かれていた内容がつぶさに思い返され、脳内でその文章が映像になっていく。私が書いた文章で私が見た映像を思い出せるのは私だけなのだ、本当に贅沢な遊びだ。

相変わらず大して走れないま
金比羅も終盤になり、眼前に誘導の係の人が見えた。「おかえりなさい!」と言われ、いやまだ結構あるけど、でも確かに帰ってきたなと思ったら泣きそうになってしまった。スタート・ゴール地点に無事戻ってきたという意味のおかえりなさいに過ぎないのだけれど、私にとっては完全に「トレランできる体に戻ったね、おかりなさい」としか聞こえなかった。戻ってきたよ、ようやく。長かったよ・・・。ゴールで泣き崩れる用意はできていた。

トレイルが終わってコンクリに出て、ようやく最後まで爆走かと思いきや、矢張り股関節のせいでスピードなど出せない。もう何を温存することがあるだろう?行けよ!と思うのだけれど、行けない。まぁ復帰戦だしね。ゴールできたし走り続けられただけで御の字ですよ。正直月夜見まではペースが無茶苦茶良かったので「ひょっとしてPB更新したりして伝説作っちゃうんでは!?」とか妄想していたのだけれど、そううまくはいかないものだ。民家のあたりまできて誘導の人も看板もなくて一瞬迷ったけれど13時間34分でようやくゴール。絶対仲間が応援でゴールを見届けてくれる!!泣く!と思ったのにゴールしたら誰もいなかったので泣きそこなった(と思ったら、実はゴールゲートのすぐ横にいたけれど私が気付かれていないだけだったw)。
ゴールして着替えてから他のメンバーのゴールを待つ
ゴール後はお味噌汁いただいてからワインとビール飲みながら後続の仲間の到着を待つ。残念ながらリタイヤした仲間も居たけれど、それぞれがそれぞれのペースで同じトレイルを必死に進んだことには違いなくて、同じ場所を通ってきたのに別々のストーリーがあるっていうのがまた楽しい。このあと仲間達と夕方から飲みに行ったけれど、清々しい気持ちで数時間前までの出来事を肴にぐいぐい飲んでガンガン食べていたらあっという間に店のメニューを食い尽くし、私は店で眠りはじめてしまった。まぁ、日曜朝起きてから一睡もせずに72キロ走ってからの月曜夜だしね。寝ちゃうよね。
応援組+選手でスタート前に記念撮影!
7月末に仲間と行った試走で右足首を捻ってしまった。それはただの捻挫であって骨折とかそういうものではないのは判っていたので近所の整骨院へしばらくメンテナンスも兼ねて通っていた。直前の調整で元陸上部の先生から「臀部を使って前腿を温存するといい」という話を聞き、今回は序盤でそれを実践していた。それなりにわかっちゃいたけどやっていなかった臀部の使い方、本番の数日前に言われて体がその方法を覚えている内に本番だったので意識しやすく、かなりうまく臀部を使えたと思うのだが、どうやら逆に臀部を意識しすぎていつもより腸腰筋を使いすぎたらしく、それが「股関節が死んだ」原因になったようだった。それなりに重いザックを普段から担いでいるから背筋はあるのに、それに見合った腹筋や腸腰筋が不足していて、それなのに今回腸腰筋を使い過ぎたのだろう、との先生の見解。今後は腸腰筋と腹筋を鍛えていきたいと思う・・・(やること多いな)。あと、今回は足の甲のど真ん中あたりが少し赤く腫れていたけれど、これは単に疲労ということで暫くしたら落ち着いた。ハセツネの翌週は白沢登山口~餓鬼岳~燕岳~中房温泉を1泊2日で縦走したのだが、何故か右足首の内くるぶしが痛くなった。なんだろうな?いずれにせよそれなりにいい歳なので無茶せずメンテナンスをしながら色々楽しいことを続けていきたい。体が資本なのでね。
餓鬼岳からの朝焼け

Year
CP1
CP2
CP3
Goal
20133:52:404:15:358:08:154:11:5012:20:052:11:4314:31:48
20153:30:403:40:487:11:283:22:3210:34:001:48:0212:22:02
20163:49:314:15:048:04:353:14:3311:19:081:37:0612:56:14
20174:08:474:09:498:18:363:29:1611:47:521:36:3513:24:27
20223:43:564:01:167:45:123:35:5711:21:092:13:3013:34:39

最後に過去タイムまとめ。
2013:初ツネ。最後に前腿死ぬ。ゴール後何も食えず。
2015:レースのたびに入賞続きでバリバリ仕上がった年、チームの皆もPB出した人多め
2016:蒸し暑かったムシツネ、序盤で水切れを起こし脱水、からの月夜見で復活
2017:頑張らずにのんびり進んでレース感がなかった
2022:復帰戦、ずっと雨のアメツネ。過去2番目に遅かったけれど泥濘地獄の割に頑張った

タイムを見てみると、今年CP1までは矢張り結構速くて、CP2到着も2015年に次ぐ速さだった。そのあと失速して、CP3までの間に歴代ブービーまで落ち、最後CP3からゴールに至ってはまさかの過去一の遅さ!2015、2016、2017と最後の区間は着々とタイムがあがってきていたのに、ここへきてまさかの振り出し戻り(寧ろ水面下まで潜る)。人のタイムとの比較も面白いけれど、自分のタイムだけでもこれだけ面白いし、この表だけでお酒飲めるのだ。エントリーフィーは高くなったけれど、ある意味こんなに長いこと楽しめるんだから安いのかもしれない。

121日間。私の夏がひと段落した。いい夏だった。

次回につづく!

2022/10/09

20221009-10_第30回日本山岳耐久レース・長谷川恒男CUP(前編)

今年トレランのレースに復帰しようなんて、エントリーする直前まで考えてもいなかった。ましてや、復帰戦一発目をハセツネにするつもりなんてまったくなかった。でも競争率の高いハセツネに、さしたる競争もなくエントリーできると判った瞬間、PCのディスプレイから目が離せなくなってしまって、私は無心でキーボードを叩いた。何故だかほとんど迷いは無かった。そのまま私は、レースまで残りあと何日かを示すスケジュール表をexcelで作った。あと121日。私の中枢から何かが込み上げてくるのを感じた。

COVID-19のせいでこの2-3年間に数多くのレースが中止になって、私はといえばCOVID前に故障した膝がようやく治ってきてそれなりに走り始めてはいたものの、レースにエントリーするほど調子が戻っているわけでもなければどうしても何かのレースに出たいといった情熱もなかった。本調子でもないのにエントリーして、直前でレースが中止になってエントリーフィーが返金されなかったら嫌だなぁとか考えていたし、まぁ復帰するとしても2023年の奥久慈かキタタンからかなと思っていた。

私の周りの人達もあまり走らなくなって久しく、そんな中何の前触れもなく奥久慈トレイル完走という友人の報告を耳にしたのが5月末。その時も興奮こそしたけれど興奮止まりで、その後毎年恒例のハセツネエントリー日である61日を迎えて誰かがエントリーできたりできなかったりと盛り上がっているのを耳にしても「うわー随分エントリーフィー値上がりしたなぁ」とか思って傍観するだけだった。それなのに、だ。タイミングというのは実に不思議なもので、今年初参加をしようとしていた友人のなりさんがゆずれーるでエントリーできたと知り、ふと自分もランネットを確認してしまった。なんと女子一般のカテゴリーのゆずれーる枠があるじゃないか。普通こんなにタイミングよくゆずれーるとか出てないだろ?こんなの運命だろ。再始動するなら今ってことなんだな、そして何かに導かれるようにして私の夏が始まった。


日々の山行やらトレーニングやらといった細かい話は省略するとして、ひとつだけ書いておきたいのがハセツネの前にエントリーしてあった歩荷レース、9月4日の西駒んボッカのこと。中央アルプス木曽駒ヶ岳の西駒山荘まで薪を担ぎ上げる競走で、私は15kgの部で女子2位になれた。女子でいえば自分より速くゴールした人は3kgの部を含めても4人しかいなかったのだ。走るレースではなかったけれど、膝故障後の初レースだったので満足のいくレース展開ができたうえ、きちんと結果に繋がったのはとても嬉しく、自信にもなった。

そして5度目のハセツネ、出るたびに初心者並みに装備迷うのだが、結局似たような格好、似たようなものを食べて似たような量の水を飲むわけで。以下とりあえず備忘録。

<エネルギーと水分>

・エネルギー:持参-2618kcal→ゴール時残500kcalほど 体重増えても摂取量大差なし

・水分:持参-麦茶2000ml→月夜見500mlほど残し/綾広の滝での追加なし、ゴール時残1000mlほど

※雨のため忍者めしをつまむ余裕なし(手が濡れていてあらゆるものが開封しづらいため)
※気温低く水分の消費少ない

※VESPA HYPERよりTOP SPEEDが良かった(大ダワで投入)

※ANDOのパッケージが頼りなく破けそうだったので浅間峠より手前で消費

※レース2日前から食事量相当多く、体内ストレージは満タン状態。但し若干やり過ぎた感あり。


<服装、装備>

・ヘッドギア:Patagoniaのダックビルキャップ

・上半身:Finetrackのノースリーブドライレイヤー+Patagnia半袖T、アームカバー、チャリ用グローブ

・下半身:Patagoniaのメンズのランパン(インナーは切った)、TNFのパンツ(ヨレヨレなのでもう捨てるけど股擦れしなくてよかった)、ドライマックスのソックス、cepのカーフサポーターみたいなやつ(厚手の方、ハセツネ会場で当日買っていきなり使用w)

・ライト:モンベルの300ルーメンのヘッドライト、ジェントス閃ハンドライト(325時代のもの、150ルーメン)+黄色フィルター
・ザック:UltrAspire Omega

・シューズ:Salomon Sense ride 4(初のSalomonのシューズ、調子よかった)

・その他:ハイドレーションシステム(400mlフラスクも持参したが使わず)、エマージェンシーキット、雨具(寒さを想定して上はモンベルのストームクルーザー、下は防風用としてGoLiteのボロボロのシェルを持参→ズボンは履かず)

色んな種類を。食べたことないものも多数、食べる時わくわくするのがいい。
おいしい!とか、まずい!とかそういうのも楽しみのひとつになる。
左から順に、スタート~浅間峠・浅間峠~月夜見・月夜見~ゴール分。
レインはすぐ着ると思ったので外に。
スマホはジップロックに入れて奥の方へ。スタート後はまったく見ず。
毎回毎回ギリギリまで用意をしなくて直前に焦るので、今回こそは余裕をもって、と思っていたけれど、行動パターンというのは大人になってからそうそう変えられるものでもない。天気のこともあり、矢張りギリギリまであれこれ迷ってしまった。ザックさえも直前まで決められず、現地に2つ持って行ったほど。。。何せ5年ぶりの参戦、今回どれくらい走り続けられるのかというのがわからない。リタイヤするイメージはなかったけれど、プッシュし続けるほどのコンディションに自分が仕上がっているとも思えない。とりあえず、雨は結構早い段階で降り始めてずっと降り続くだろう、ということだけは確信が持てたので、レイン上はずっと着るだろうなと想定して重い方を持つことに。尚、せっせと作ってプリントアウトまでしてあったタイム表は、家に忘れた・・・。
徒歩組も、ラン組も。仲間と記念撮影!
11時過ぎに仲間と会場入り。足首まわりのテーピングは家でしてきたので特に会場ではやることもないし、感染拡大防止ということで控室も複数あり皆部屋もバラバラだった。ハイドレーションへ麦茶を入れ、昼ご飯代わりのパンやゼリードリンクを少し食べているとあっという間にスタートの時刻だ。応援のメンバーも駆けつけてくれていたので、久しぶりの顔ぶれに顔をほころばせつつなごやかに列に並ぶ。今回はエリートの部が15分早くスタートしているということもあって、11時間後半あたりに並んでもかなりゲートから近い。こんな前の方にいたら周りのペースに巻き込まれて潰れてしまうのではないか?

レースに対して多少のプレッシャーはあったけれど、過度に緊張しているというわけでもない。レースが始まると全体的にいつもよりものんびりしたペースでロードを進む。あれ?皆ダッシュしないけど、しなくていいのかな?誰もそこまでダッシュしないし私も普通に走っていれば渋滞にならないのかな??そんなことを考えながら流れに身をゆだねて進んでいく。ペースが速すぎないのでトレイルに入るまでのロードは全部走れて苦しくもなかったし、その後も割と先まで渋滞せずに進めた。いいんだか、悪いんだか。ペースは速すぎる感じはしないけれども、どう考えても例年よりも早く進んでいる気はする。エリートの部が先にスタートしている、という普段のハセツネとの違いが案外大きくて、自分の調子の判断がしづらい。再びコースはロードに出て変電所を過ぎ、今熊神社より手前の沿道のあたりを走っていると望月将悟さんが応援しているのが見えた。もーちづーきさーん!!両手を振って声を掛けると「マイペースでね!マイペース!」と、まるで今年の私の作戦を見透かされたような言葉が返ってきた。いつだってこの人はそうだ、何故か私を肯定してくれるような言葉をかけてくれるのが本当にすごいなと思う(こちらの心の持ちようなのだろうけれども)。更に進むと神社の階段下には石川弘樹さんがいた。みんな飛ばし過ぎ!今そんなに汗かいて息切らしててどうするの!抑えて抑えて!そんな掛け声を聞きながら進む。

抑えてと言われても人の流れを止めるわけにもいかず、結局1時間ちょっとで入山峠に着いてしまった。うーん、ちょっと今の自分が序盤でここまで速いのは確かに速すぎる気がするし、今は良くても後に響きそうだ。途中からほぼ一緒だったナガイ君とそんなことを話しながら、抜きつ抜かれつしながら進む。登りでナガイ君に抜かれ、下りで私が抜く。結局そんなことを繰り返しながら、2人でほぼ同時に浅間峠に着いた。まさかの3時間45分。そこまで飛ばしたつもりもなかったし、なんなら浅間峠に着く前にもう雨も降りだしていてトレイルのコンディションもそこまで良かった訳でもないのに、4時間以内とは。今の自分なら4時間丁度くらいじゃないかな、と思っていただけに、驚く。
浅間峠でも応援部隊がお出迎え。写真ありがとうございます!
まずはトイレ、そしてジェルの入れ替え、ゴミまとめ。既に雨脚も強まっていて、浅間峠の手前からレインを着ている選手もたくさんいたが、私はここまではレインなしで進んできた。ここでようやくレインを着ることにする。ストックとヘッドライトを出したらすぐ出発しよう。今回は雨でトレイルがどろんこぐちゃぐちゃになるだろうし、脚の仕上がりからしても、全体的にトップスピードでガンガン走るということはないと踏んでいたので、その分できるだけ刻んで、止まらず、休憩せず、登りも細かく細かく走ろうと決めていたのだ。だからまだまだ序盤の浅間峠でのんびり休んで時間を使う訳にはいかない。そんなのは予定にない。
浅間峠に到着した時刻は予想より早くて、今の私にしてみたらこのタイムは突っ込み過ぎてるかもしれないとも思えたが、あれこれ作業をしながら冷静に自分のコンディションを観察してみると、なんというか、体がどこも疲れていないというか、ひょっとしてこれ調子いいのかも?という気がしてきた。7月に一度だけ皆で試走に来たけれど、その時より全然ダメージがない。これは案外いけるんじゃないだろうか。そう思ったら、急に楽しくなってきた。いける、きっといけるぞこれは!自分を信じてあげよう。「ちょっと、調子、いいかもしれない。」応援の皆にそう伝えて、私はナガイ君より先に浅間峠を出発することにした。
今回は涼しいので水の心配はなさそうだったが、念のため2000ml担いできた。まぁ月夜見までに飲み切ることは無いだろう。ここから月夜見までは、いつも割と人がパックになっていて、そこに自分もひっついて動いていくイメージがあったのだけれど、今回はパックに追いついては丸ごと抜いて、また追いついては抜いて、というのを繰り返していた気がする。夜セクションを静かに進む独特な寂しさみたいなものはもう今更私の中には無いし、ただただ黙々とこなしていく感じになっていた。西原峠で固形物入れる、西原峠で固形物入れる、それを脳内で呪文のように唱えながら淡々と進んでいると割とあっという間に西原峠に辿り着いたので、セブンイレブンの黒糖わらびを吸い込む。ハー美味しい。1時間に1度のジェルと、30分ずらして1時間に1度のアミノバイタルというルーティンに加え、固形物摂取のタイミングはボーナス的に訪れるので、固形物とジェルの摂取タイミングが近くなることもたまにある。あまり温存して食べずに持ち運んでいても荷物が重いだけなので、とにかくコンスタントにエネルギーをとっていく。

西原峠のわらびチャージのお陰か、三頭山の登りがすこぶる調子良い。たしかこの区間だったと思うが、結構大きめのパックをひとつ抜いて、ぐいぐい登ってぶっちぎる箇所があった。自分の登りが軽快すぎて嬉しくて楽しくて、ニヤニヤを通り越してニッコニコしながら、たまに両手を広げてワーイ!ってなりながら登った。気が狂っている。登れる!超登れる!楽しい!テンションはMAXだった。下りならまだしも、何故登りで?どうかしてるぜ!って自分で自分に突っ込みを入れながら、すこし声を出して笑ってしまっていた。

とはいえ山頂直下の階段は矢張りきつくて、ようやく我に返って最後の登りを必死にこなし山頂をとらえる。たしか19時半頃。ここまでのタイムを2倍するとゴールタイム、って話をよく聞いていたから、ここまで6時間半てことは13時間だな、と思いながら何か食べたのだった気がする。ハセツネもう5度目のくせしてコースの把握はすこぶる曖昧で、三頭山のあとはもう下ってロード出て月夜見だ!とか間違ったイメージがあり、鞘口峠から月夜見が思いの外長くて気持ち的に疲れた。とはいえ後でタイムを見てみたら、この区間はどうやら自分史上最速のペースで進んでいたようだった。