2011/06/22

20110621‐22_西沢渓谷 - 石塔尾根 - 天狗尾根 - 国師ヶ岳 - 金峰山 - 瑞牆山荘(2日目)

いつもテン泊で山に入ると、僕らはついつい夜まで歩いてしまうもので、
山での朝は得てして起きられず、出発は遅くなりがちであった。
しかし今回は違った・・・!奇跡が起きた(大袈裟w)!
3:00 起床
 - 1:30(朝食、出発準備)
4:30 国師ヶ岳登山口
↓ - 2:12
6:42 天狗岩
 - 1:08
7:50 国師ヶ岳
 - 0:15(写真撮影など)
8:05 国師出発
 - 0:30(前国師岳経由)
8:35 大弛峠
↓  - 0:30(水汲み&トイレ休憩
9:05 大弛峠出発
 - 0:30
9:35 朝日峠
 - 0:35
10:10 朝日岳
 - 1:05
11:15 金峰山
 - 0:15(五丈岩の記念撮影等w)
11:30 金峰山出発
 - 1:00
13:30 大日岩
 - 1:00(大日小屋経由)
14:30 富士見平小屋
 - 0:37
15:07 みずがき山荘


1日目の就寝時刻が22時半頃と遅めだったにも関わらず
こうしてきちんと起きられたのは、
甲州タクシーさんの宿直室でがっつり寝かせて頂き
完全に寝不足を解消して山に入れたからだろう。

いつもはパッキングで前日はほぼ徹夜か2時間程度の睡眠、
それでいて夕暮れまで歩くから
翌朝早い時間に起きるだけの気力と体力が残らないわけで(自業自得・・・)。

朝、準備が早く終わるようにと思って、今回はいつもと違っていくつか工夫も。
星がたくさん出ており、夜間に雨は降らなさそうだったので、
エスパースマキシムミニはフライ無しで張り、
朝お湯を沸かさないで済むように、THERMOS山専ボトルに夜の内にお湯を入れ、
アラームはいつもマスタの携帯1本なのに対し、
今回は私のスマホのアラームもセットしておいた。
いつもなんだかんだで出発までに2時間以上かかっていたのに、
あらゆる工夫や運の積み重ねで
今回は起きてから1時間半弱で全て済ませて出発!素敵すぎる!

2日目は、予定の段階で時間がカツカツだったので、
寝坊したらルートを変えざるを得ないという危機感ゆえ起きられたという
話もありますが、、、でも、やればできるじゃないかw
今後の良い教訓、そして良い経験となりました。
支度の遅さって結局は致命傷になると思うので・・・。

さて今日は国師までが破線ルート、その後はずっと実線のメジャールートです。
問題は・・・距離が長いこと!
みずがき山荘発韮崎行バスに間に合うように下山できるかは
自分らの体力にかかっています。
黒金山林道の右手の斜面に取り付きます
石が立てかけてあるので、これに乗って斜面へ。
標高がそこそこあるので、まだシャクナゲが咲いていたり。きれい。
シャクナゲ多いですが、トレイルに生えてるわけではないので
シャクナゲのせいで歩くのが大変、ということはありません。
地形図を見ると国師まではそこそこ斜度もあり厳しいように見えるのですが
実際はそうでもなく安心。。。
でも、岩場があるので、そこでゴリゴリ標高を稼ぐといった感じ。
エアリアについてる冊子にも、天狗尾根は紹介されております。
まぁ、帰ってきてから読みましたが、、、文面から抱く印象よりはいかついルートですよ。

冊子は読まないで行ったので、地図を見て想像していたよりは楽だったかなという感じ。
但し藪漕ぎはぼちぼちありますw
藪を抜けていきなりの道標w 近づかないと気付かないwww
1mも進めばもう見えないという状況w 矢印の中に見えている
わずかなあずき色が、私のザックですw 見えてないw
天狗岩。登らずに巻きました。
岩場ー!
藪地帯をエイヤッと通り抜ける時、無数の小さな虫がわわわっと飛ぶのですが
そいつらが焦って、どこでもいいからと人の体にとまるんですよ・・・
わわわわわ・・・
そして遂にメジャールートに!(今回の山行で初のメジャールートw)
快適なトレイルをずんずん進み、遂に国師ヶ岳に到着です!!
テンションmax!!
撮って
飛んで
また撮って
撮りまくるwww
はいしつこくてすいませんw
もう次行きましょう・・・時間ないですからw
前国師岳と北奥千丈岳への分岐を経て
木の階段をひたすら下り、大弛峠へ向います。
(この階段、登りでは使いたくないですね・・・
階段やだなー、と思ってましたが、下りで使う分には、想像してたほど
辛くはなかったです。とても綺麗で段差が丁度良い。
トントンと軽快なペースで行けます)
あっという間に大弛峠到着
保健所の指導により、煮沸してから飲んでください、みたいなことが書いてありましたが
小屋の方に伺ったら「山に慣れてる方ならそのままでも大丈夫です、ただここは
車で来られる方も多いので、山に慣れてない方は抵抗あるみたいですね」とのこと。
過去に腹痛が出たとかいう事例もないそうです。
保健所の指導ということですので、勿論何かあっても誰も責任取ってくれませんが、
そこは自己責任でお願いします。尚我々はそのまま飲みましたが何の問題もありませんでした。
湧き水をひいてきているとのこと、まぁ大丈夫でしょう。
一回100円で分けていただけます。(リッター指定なし)
ここで水の補給をして、今度は金峰山を目指します!
大弛峠には車道が通っているので、金峰ピストンの人やら何やらが
タクシーやマイカーで乗り付けており、非常に賑わっていました。
大弛小屋から車道に出て左へ行くとトイレ、
右へ少し進んだ道の左側には金峰山への取り付きがあります。
さすがメジャールート。快適なトレイルです。
さくさくと朝日峠到着。

なんだか岩がちです。
ていうか森林限界越えはじめてます。
登山客多め。
絶景!
森林限界を越えた道を、金峰山山頂に向かって歩きます。
奥秩父もこの辺りまで来ると、だいぶ雰囲気が違いますね!派手です!
でも意外と山頂は狭い。

五丈岩。手前側から登れるそうです
この稜線を下るのか・・・思ったより岩がち・・・
さて、まだ金峰山で11:30な訳ですが、なんせみずがき山荘のバスが15:30なので
大急ぎで下山しないと間に合いません!ということで頑張ってペースアップ。

絶壁といえば絶壁。でも落ちるようなことはないでしょう。
岩場後半、エアリアには「迷」マークがありますが、正しい道を外すことがある、
という程度で、本当に迷うことはなさそう。
明らかな尾根なので。

岩エリアを抜けると普通のトレイル。どんどんいきます。
ようやく大日岩到着。さすがに空腹がやばいので最後のエネルギー補給
富士見平小屋到着!
大日小屋の水場はうっかりスルーしてしまいましたが、
とりあえずどうにかバス間に合いそうだと分かったのが富士見平小屋の辺りだったので
小屋のすぐ下にある、大日沢源頭の水場で最後の水を補給!
一旦バケツに溜めて、そこからパイプが数方向に出ています。
水はものすごい勢いで出てましたので、枯れることもなさそうでした。

そしてみずがき山荘到着!
かなり余裕をもって下山できました。
バスの時間さえ気にしなければ、こんなに日が長いんだし
もっと長く山にいられるのに、と後ろ髪をひかれつつ・・・
身支度を済ませてバスに揺られること約1時間半。
なんとバスに乗っている間に、雲行きがみるみる怪しくなって、結局雨が!
なんていいタイミングで下山できたんだろう。
今回は色々と運良過ぎて怖いわ・・・
更に、韮崎駅で降りたら虹が出ていた!あんびりばぼー!
初渡渉というイベントを経て、
2度目のチャレンジにして取り付くことができた石塔尾根。
西滑頭まではそこそこの体力とルーファイ力が試されるルートでしたが、
その後の石塔頭まではきつくもなく、
そして石塔頭から黒金山林道までの下りもすんなりいって、
とりあえず今回の目的は果たせました。
そして地味で黙々とした石塔尾根を経てからの、
2日目の華やかな国師ヶ岳、金峰山での眺めは圧巻!
鬱屈した藪と、地味で殺伐とした林道での一夜からは想像もつかない
ダイナミックな眺望に、否応なしにテンションも上がり、
そのギャップに萌え萌えなのでした。。。

本当に良いルート。
シンプルで楽なルートで国師、金峰に登ることもできますが、
敢えてキツくマニアックなルートから登ることで、同じ景色も違って見えてくるもの。
久々に筋肉痛の残るきついルート、且つ、時間的にもタイトな中で
このルートを制覇できて、わたくし感無量です(涙)。
まじ泣きそうでしたw

やっぱり強く印象に残ったのは渡渉かなぁ。
たったあれだけの沢を越えるのに、ああでもないこうでもない、
って、1時間もかかったんだものなぁ。
渡渉のベストポイントを探ったり、準備したり、渡った後で体勢整えたり。
きっと数年後に思い返したら「そんなこともあったなー」とか思い返して
しみじみするのでしょう。

楽しい山行でした。
帰宅して、脚は痣だらけ、あちこち虫に刺されてカユカユだったのは内緒です・・・

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参考にした記録を以下に挙げておきます。
貴重な記録、ありがとうございました。

■石塔尾根の貴重な記録
wetcradleさんの記録(ヤマレコ)・・・ルート全てパクらせて頂きました!
滝あり、藪あり、岩場あり、で、水場あり、後半展望良し、
飽きのこない良ルート!

2011/06/21

20110621-22_西沢渓谷 - 石塔尾根 - 天狗尾根 - 国師ヶ岳 - 金峰山 - 瑞牆山荘(1日目)

はからずも夏至だった。

しかし梅雨の真っ只中。
私は梅雨でなくともしょっちゅう雨に降られがち。にも関わらず、今回は全然雨にやられなかった。2日目に至ってはスコンと抜けるような快晴に恵まれた、幸運極まりない偶然続きだった今回のリベンジ山行。

そもそも、石塔尾根のトライは2度目(1度目はコレ)ですが、国師自体はなんと3度目のトライアルだったんですね(国師1度目はコレ)。。。なかなかこの山が僕らを受け入れてくれないもので。

ということで今回は3度目の正直ということでようやく国師のピークを踏むことができました。感無量です。(別に普通のルートで登ればそんなに難しくないんだろうけども・・・毎回変な道で行こうとするから中々辿り着けない訳で・・・)
10:15 西沢渓谷入口
↓ - 0:25
10:40 徳ちゃん新道分岐
 - 1:07
11:47 石塔尾根取付
 - 1:00 西沢渡渉(時間かかりすぎw)
13:00 石塔尾根取付(ようやく・・・)
 - 1:35
14:35 石塔尾根稜線
 - 3:10
17:45 西滑頭
 - 1:30
19:15 黒金山林道
 - 0:35
19:50 国師ヶ岳登山口


6月19日の夜にパッキングを済ませ、
6月20日の朝10時に家を出発し、ザックを背負って仕事へ。
19時半退勤予定の筈が、この日に限って残業を食らい、20時半頃退社。
20:54の電車でマスタと合流して塩山駅へ向かう。

職場からの山直行便、少し前はよくやってましたが、最近は久々。
結構しんどい上に、お風呂入れないDAYが1日延びるので
汗ばむ季節はちょっとだけツライのですが、これも全ては山のため・・・w
行きたいルートを短い日程で攻めて落とすには、これしかないのです!
今回も1泊2日は若干の強行軍になるのが判っていたので、
とりあえずの対策で、前日INすることに。

23時過ぎ、塩山駅前のバス停でステビ準備をしていたら、
タクシー会社の方が近づいてきて、宿直室を貸して下さるとのお申し出。
ありがたや甲州タクシー様!
この日の夜、かなり雨が降っていたので、もしステビしていたら、
きっとあれこれ濡れてしまったことでしょう。本当に助かりました。
…でもすみません今回はタクシー使う予定ありません!w
次使うことがあれば必ず使わせて頂きます。

ところが翌朝、まさかの展開。
狙っていた塩山8:10発のバス、実は平日は運行していないことが発覚(涙)。
かと言ってタク代すんなり出せるような余裕は無いw

かなり迷いましたが・・・結局東山梨駅まで戻って乗ることに。
山梨市から乗るより、東山梨から乗った方がバス代が安くつくので。
(因みに東山梨駅〜法務局前バス停まで徒歩で15分程度です)
ただでさえキツイ行程にも関わらず、このトラブルで1時間も出発が遅れるのは
かなり痛かったのですが・・・頑張るしかありません。

バスに揺られること1時間ほど。
バスには同世代の男性が1人いましたが、我々同様西沢渓谷で下車。
徳ちゃん新道で甲武信に行くというので、分岐までお喋りしながらてくてく、
彼と別れて、我々はそのまま西沢渓谷を進んでゆきます
(ここまでは先月と同じなので割愛w)。
先日、五段滝手前で崩落があり通れなくなっていたらしいのですが、
つい6月8日に復旧作業が行われたとかで、
既に通行禁止は解除されていました。

さあ、優雅に滝を眺めて歩くナマヌルタイムに別れを告げて、
あっという間にバリルートの開始。
前回見てるから、滝の写真とか全然撮らずにズンズン進みました、が、
明らかに前回よりも水量が多いのがわかる。。。
てかいきなり渡渉です!今回の山行の核心!(ほんとにいきなりw)
道が沢から離れていく瞬間のこのヘアピンカーブ手前に
沢に降りる道があるので、ここから渡渉します。
沢沿いに降りて左に進むと大きな岩があるので、これを越えた辺りで
渡渉スタートです。
前回はこのポイントが渡渉ポイントだとわからずスルーしてしまいました。
しかももう一箇所あった渡渉ポイントも、渡渉経験ゼロゆえに
どれくらいの深さ、どれくらいの水量なら大丈夫かという判断ができず、
しかもどのように渡ったら良いかも分からず諦念したわけですが、
その後少し調査を進め、ある程度(頭では)渡り方を理解したので、
今回はかなり水量もありましたが、心を決めて渡ることにしました。
・ロープは使わない(川幅大したことないので)
・靴を濡らしたくなかったので、靴下で渡る(渡渉後に乾いた靴下に履き替える)
・靴は結いて首から下げる
・2人でスクラムを組んで渡る
・渡る前にトレッキングポールで水深を測る
※後になってこれ読むと恥ずかしいですね・・・渡渉1回でこんなに躊躇う初々しい頃もあったのかと

今回はこのような感じで渡ってみました。
んが、水深もそこそこあり、昨夜の雨による増水なのか水流も激しい・・・
水の中で一旦躊躇し、引き返そうかとも思いましたが、どうにか渡りきりました。
はぁ・・・信じられないくらい水が冷たかった。
そして、あと一歩で向こう岸!というところでいきなり深くて焦った・・・
結局深さはほぼ膝ぐらい、一部膝上の所もありました。
渡りきると、向こう岸には古い橋脚の跡が。
少し平らな場所があります、斜面に向かって右に進み、
尾根に取り付きます。
朽ち果てた道標の跡
枯沢のようなところを登っていきます。沢筋の左側が歩きやすい。
適当にその辺を登って尾根に乗ると、ルートサインのテープが見え始めます。
テープを辿るようにして、しかし完全なる信頼を置けるテープというわけでも
ないので、基本は地図、その補助としてテープ、といった感じで進んで行きます。
しばらく進むとようやく石塔尾根。尾根に乗るとすぐ鷹見岩に到着。
鷹見岩に乗らずにスルーして進むこともできますが、
展望もあってなかなか良いところなので、
もし石塔尾根に行くことがあるようでしたら、是非乗ってみてください。
殺伐として狭い山頂ですが展望はそこそこ。
この方、大丈夫だったんでしょうか・・・
石塔尾根は西滑頭までがキツイです。
とにかく登って登って登りまくる。そしてシャクナゲの藪。
救いのない登りです。嫌になります・・・
鬱蒼としてるし、木は腐りまくってて足場にするとすぐ崩れるし。
ルーファイもそこそこ厄介でした。まぁ登りなので間違うことはあまりないですが
テープはそんなにアテにできませんw
無いわけではないのですが、たまに途切れたり、
なんだか全体的に安定感が無いw
・・・地図を頼りにした方がいいです。
先日のシャクナゲ漕ぎが思い起こされる・・・まぁ
あれに比べたら全然マシだけども。
ですが西滑頭から先は道も緩やかで、迷うこともあまりなさそう。
(基本的に尾根を見失わなければそんなに問題はない。
但し、尾根の真上がシャクナゲで通れない場所も多いので、その場合は
尾根の左側に降りたところをひたすら進みます。)
どうやら黒金山林道~西滑頭の間は今でもある程度は歩かれている道のようで、
西沢~西滑頭とは比べ物にならないくらい道の状態は良いです。
(って言っても所詮はどちらも無線ルートなので酷いですけど・・・)
西滑頭到着
頂上には三角点と、木にテープが巻かれているだけでしたが
せっかくなので、テープに西滑頭と文字を書いてみました。
渡渉で濡れた靴下を乾かすつもりでザックに結んだのに
ドロドロになってしもた・・・
そして石塔頭
特にテープも表示もないのですがこのへんが石塔頭かと
ここから下りですが、最終的に尾根の左側に入り込むように進みます。
ルートサインはまたしてもかなりまばらで、見失うことも多いですが、
目の前に国師がしっかり見えているので、その方向を目指して
方角外さないように歩けばまぁ大丈夫かと。
最終的にはかなり明瞭な踏み跡になります。
まぁ、そもそも道がないようなところは、どこでも道になるのでw
方向さえ合っていれば別にどこを歩いてもどうにかなります(ほんとか?)。
石塔頭で既に18:30くらいだった為、この時間から下山というのは
割とリスキーでしたが、明瞭な尾根で道も険しくなかったので大丈夫でした。
日が長い時期で本当に良かったw
最後の方はかなり明瞭なトレイルがあります。
林道への出口はなんと木の階段。
やったぜ!!!!!
林道には堰堤がいくつかあります。橋もありました。
とぼとぼ・・・(疲労・・・でも充実感)
黒金山林道に出てからしばらく歩き、明日の取り付きのすぐ近くで幕営。
林道の途中に水が汲めるらしき場所もありましたが、ちょっと怪しかったのと
どうにか足りそうだなという判断で、結局汲まずに終わりました。

2日目へ続く