前編はこちら
00:31 蓮華岳
01:29 針ノ木峠
02:49 針ノ木岳
03:43 スバリ岳
05:53 赤沢岳
07:00 鳴沢岳
07:40 新越山荘(水2L補給)
08:35 新越岳
08:47 岩小屋沢岳
10:04 種池山荘(山荘にて珈琲飲んでまったり休憩)
12:42 柏原新道登山口(ラン装備に整えるなど諸々調整)
16:00 蓮華の湯
蓮華岳から朝焼けが見られたら最高だったけれど、その後ペースダウンした場合に下山が遅くなって夕立にやられても嫌だなと思い直して仮眠は22時過ぎに切り上げて歩き始めることにした。仮眠する前まではずっと短パンだったが、仮眠後はモンベルのジオラインレッグウォーマーを装着。
夜間は夜露を纏ったコマクサがやたらと元気そうに見えた。ぷりぷりして可愛いらしい。それにしても今回はコマクサが滅茶苦茶咲いていて、過去に見てきたコマクサを全部足しても今回の数には及ばない程だったと思う。
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白コマクサもあった |
蓮華岳の登りは結構岩がちで鎖場もあり、またなんでこんなところを夜間に・・・と思わずにはいられなかったがとりあえず慎重にこなす。そして仮眠を経てもまだまだ眠い。早く朝になってほしい。
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景色良さそうですが夜ですね |
針ノ木峠に降りていく途中、1時頃にソロのお兄さんとすれ違った。おはようございますなのかこんばんはなのかよく分からない時刻。話すと「槍を目指している」とのことで針ノ木峠から0時過ぎに出てきたらしい。いやそのルートも大概長いな・・・(日数は聞いてないけど)
船窪小屋の次は針ノ木小屋で水の補給かななどと思っていたけれど、よくよく考えたら針ノ木小屋の通過は真夜中だし、そもそも針ノ木小屋の水場マークが雪渓ルートの方だった。あー、やらかした。新越小屋まで水場がないなということで、水を飲む量をなるべく少なめにして進むことにする。
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夜景は見事!(勿論、星も綺麗だった) |
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ここも景色がいいのは知ってる(何も見えない)
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ここも景色いいのは知ってる(見えない) |
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ようやく明るくなってきた |
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雲海きた!ヤマテンの雲海予報が当たったw |
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赤沢岳格好良い!(って前も登ってる筈だけど・・・) |
しかし気持ちの良い稜線歩きと思いきやハイマツやら名前の分からない葉っぱやらがトレイルにがっつり被っていてちょっとした藪漕ぎ状態。朝露でびしゃびしゃになりそうだったので途中からレイン上下を着て歩いた。雨降ってないのにレイン濡らすの嫌なのよな(洗濯物が増えるw)。
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これ、ダムの水が少ないってことよな・・・(白いところまで水がきてない) |
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山頂に着くと4人パーティーがいて写真を撮ってくれた。 日が昇って少しだけ目が覚めてきた |
長めに歩くと、人と会った時の「どこから来てどこに行くの」的な話がややこしくなりすぎる傾向がある。かといってあれこれ省略して小さな嘘をつくみたいになるのも嫌なので、私はとりあえずざっくり話すことにしている。自分の周りには私なんかよりもっとずっと速くて強い人がたくさん居るので、自分はそこまで常軌を逸しているとは思っていないけれど、それでもやっぱり驚かれることは多い。
水がラスト200mlを切ったくらいのところでやっと新越小屋到着!一気に水を2L補給して、500mlくらいガブ飲みした。次の種池小屋でも水はあったが、もう食料もだいぶ食べて荷物も軽くなってきているので別に水が多少増えて重くなったところで大勢に影響はない。
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体内のカロリー負債が積もりに積もって腹減りが加速していく・・・ 山行中に4個ほどアルファ米を食べたがこの辺りでも少し食べ進めた |
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新越山荘を過ぎてすぐ、雷鳥に遭遇! 写真に写りこんでいないけれど、子雷鳥もいた |
土曜の夕方に夕立がなかっただけでもラッキーだったのに、ここへきて雷鳥まで見られて本当にラッキー!とはいえ、雷鳥が出てきたということは矢張り今日の午後に雨がくるというのは本当かも知れない。先を急ぐ。
種池山荘までの道は滅茶苦茶暑くてくらくらしたが、水もあるのでのんびり無理せずこなす。ようやく到着した種池山荘は10時スタートのピザ祭りも手伝って大賑わいだった。人が一気に増えた。因みに最初に頼めばすぐ食べられたのだろうが、気付いた頃にはもう40~50分待ちとのアナウンスだった。
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布で作られたピザが滅茶苦茶可愛い。 |
ピザもいいけれどこちらは兎に角眠気がMAX、眠りたいけれども日陰は無く、人は多く、仮眠できる状態ではなかった。少し降ってから仮眠しようかとも思ったが、人の往来も多そうだったのでとりあえずここで珈琲を飲むことにした。今回、夜間歩くつもりだったくせに最初にセブンイレブンで買った珈琲以外にカフェイン的なものを全く持たなかった(忘れてきた)のは失敗だった。
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350ml450円のコーラと200円のインスタントコーヒーで迷って珈琲に軍配が上がったw カフェインの量を考えたら珈琲の方が目は覚めそう・・ |
珈琲を飲んだら一応ちゃんと覚醒したのでここからペースが上がった。とはいえまた途中で失速したのだけれども。
自分はすこぶる元気だったが、人が多くて抜くこともできずに序盤はスローペースで進む。黙々と降ってきてから、あっそういえば歩きたかった柏原新道これじゃん、と思い出し(脳味噌死にかけててポンコツ)、焦って写真を数枚撮る。私はテレビを持っていないのだけれど、そんな私が実家だかどこかでたまたま見たテレビだか動画だかで柏原新道の整備の様子みたいのを数年前に見かけたことがあり、いつか歩いてみたいなぁと思っていたのだった。まぁ思ったより普通の道だったが、普通の道を普通の道としてキープしておくということが即ち整備なのだろうと思う。
降れば降るほど上がっていく気温。嗚呼、下山したくない。下界は一体何度なんだ。
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お疲れ様でした |
2022年に計画した時はここで扇沢からバスに乗ろうと思っていたのだが、今年よくよく調べてみたら扇沢から信濃大町まで16kmくらいしかないことがわかったので走ってみることにした。線路に向かうのだから下り基調だしそんなに大変でもなかろう。暑さだけが敵だ。
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不審者w |
下り基調とはいえ山をこれだけ歩いた後だと脚は疲れている訳で、そうそうまともには走れず、微妙に膝が痛みだしたので無理せず歩いたり走ったりでどうにかこうにか街まで辿り着いた。新越山荘で補給した水もすべて飲み切り、舗装路を走っても自販機すらなく、ようやく見付けた自販機では2-3本あれこれ飲み散らかしてやった。山の上で450円のコーラを見た後なので自販機が安く見えて仕方がないのだ。
セブンイレブンで揚げ鶏食べたりなんかしてからひとっ風呂浴びて信濃大町から松本へ電車移動。松本に着くまでの間に、外は酷い雷雨になった。
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松本で電車待ち |
なにやらあずさが止まっているとかで改札口に人が集まっている。ふん、私は各停で帰るのさ。集まる人達を尻目に各停のホームへ向かうも、こちらの電車も出発しないではないか。途中の駅で線路が冠水したとかで電車が一向に出発しない。18:43松本発の電車は、あーでもないこーでもないと行先変更やら途中停車やらを繰り返してようやく0時過ぎに大月に到着し、そこでゲームオーバーとなった。なんだよ今夜もステビかよ!(とはいえこういう時山装備があるとすこぶる強いw)
しかし結果的には、数時間遅れで25時過ぎに大月通過予定というあずさが我々を乗せてくれて新宿まで移動することができた。そして新宿で人生初の"列車ホテル"なるものを経験。宿泊用の車両が用意されていて、ここで朝まで待機して良いという。なんだよ逆に楽しいじゃないかよ。
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空調も効いて快適。 電気は消えなかったがトイレも洗面所もあるし歯磨きもできて何の問題もない。 |
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災害用の缶入りパンと水が支給された。 まぁ雨のせいでこうなってるから一応災害ではあるのか。駅員さんも大変だわ |
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始発だと家に帰るまでの所要時間が長くなるので、始発の次の次くらいで帰ることに |
もうたくさん歩いたし走ったのでとっとと家に帰りたかったが、まさかの列車ホテルでこれはこれで楽しかった。興奮してなかなか眠れなかった。
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レースではないオーバーナイトの山行が今年はなんだか楽しくて、ここ数か月の間にあちこちの山で夜通し歩いたりしていた。2022年の時はあまりそういうことはしていなかったのに急にTJARに感化されて前のめりに計画を立ててしまっていたので、仮に天気が悪くなかったとしても山行が破綻していたような気がする。今年は他のエリアである程度やっていたからこそ計画が遂行できたのだろうし、楽しめて良かった。どのあたりからだったか覚えていないが土曜のうちに汗による股擦れやら足指の擦れが始まり、しかもプロテクトJ1を忘れてきていたのでちょっと焦ったが、エマージェンシーキットに入れてあったワセリンでなんとかしのいだ。濡れた靴下を脱いで絞ったり、あれやこれやとやりながら進んでいくのはやっぱり楽しいのだ。
今回の山行を踏まえて、景色の良いところを歩くオーバーナイト山行の時は、どこで朝を迎えるかはよく考えるようにしようと思った。計画通りにいくかどうかはわからないけれども、どこで朝焼けを見たいかは考えた方が満足度は高くなるような気がする。
あれこれ書きながら、ワセリンの補充をしておかなきゃと思い出したのでここでおしまい。日々パッキングなのである。