2012/05/06

20120503-06_上高地-蝶ヶ岳-常念岳-大天井岳-燕岳(4日目)

またしても寝坊。
もうなんだか吹雪いてて周り真っ白で時間よくわからないけどコレ10時過ぎ。
目覚ましが鳴った時にはまだ前日の疲れが取れおらず、もっと眠りたいと思ってしまったのだ。
しかも、この日の行程はたかだか3時間程度。そのヌルさに油断していた。
予報では、午前中にもう雨が降り出し、荒れることがわかっていたのに何故二度寝したのか・・・

気付いた頃テン場には、自分達のテントしかなかったwwwww

■5月6日(日)朝方は晴れて強風→9時過ぎより雷と吹雪→標高下がってから雷雨
11:00 出発
↓ - 0:50(吹雪)
11:50 合戦小屋
↓ - 2:06
13:56 中房温泉

ゴーグルとか、厳冬期フルスペックのグローブシステムとか、予備グローブとか
ああ使いそうにもないようなもの持ってくる必要なかったかもなぁ、と思っていたけれど、
まさか使うことになろうとは。(さすがにグローブは一部しか使わなかったけれども。)
「こんなに荒れるなんて思ってなかった、グローブをないから降りられない」と仰って
小屋に延泊しているゲストも居た。

小屋の方のご好意で、玄関近くにあるテーブルと椅子を貸して頂き
少しの間そこで荷物を雨宿りならぬ雪宿りさせてもらいつつ、身支度を整える。
行動食も羊羹ぐらいしかなかったので、ドーナツを4個調達し出発。

こういう場所は荒れたらこうなる。。。でも頭で理解するのと実際に経験するのとは違う。
装備はあったしホワイトアウトしていた訳ではなかったし、ルートも分かり易く距離も短かったから
今回は慌てず騒がず下山することにしたけれど
色々と条件が欠けていたら洒落にならない状況であったのは確かだ。

とはいえ厳冬期に比べたら全然寒くないし、シャツにフリースとシェルを着れば十分すぎる程暖かい。
しかしとてもじゃないが素手では歩けない。逆に1枚はめていれば平気な程度ではある。
ただ、ベタ雪なので、ゴア系のグローブでもすぐベショベショになってしまった。
雪というか霰。風に乗ってバシバシぶつかってくるので顔もバラクラバがないと痛い。
夏道と冬道は少し違う。燕岳を背にして、小屋に向かって右側の小屋沿いの踏み跡を辿る
結局燕岳のピークは踏まずに撤退。。。まぁ登頂しても何も展望ないし・・・
昨日の展望が嘘のように何も見えない
燕山荘のスタッフの方々が立ててくれている冬道用の赤旗。
こんな悪天候だというのに登ってくる人もいる。ご夫妻1組と男性ソロハイカーの合計3人とすれ違った。
暴風雪。大天井からの下りよろしく、ここも暴風のためたまに耐風姿勢をとって立ち止まる。
燕岳から2.3キロ下ったところに道標。ここはまだ強風がひどいが、この先ぐらいから急な下りが始まり
一気に樹林帯に入るため、風からは逃れる
途中ところどころシリセードしながら下るものの、湿った雪が降った直後であまりスムーズには滑らない
樹林帯までのせいぜい30分か40分程度の間だけではあったが、それにしても吹雪が酷かった。
この日の行程がこれだけ短距離短時間だったからこそ寝坊したとも言えるが、
もう少しガッツリした行程の予定で、寝坊したせいでこの吹雪の中を歩く羽目になっていたとしたら
結構洒落になっていなかったと思う。
好天であれば本当に何のことはない道、それこそTシャツ1枚で歩けただろう道だけれど、
天候次第でこうも違うのだ。奥多摩や奥秩父の荒天のレベルとは訳が違う・・・
合戦小屋到着
営業していないと思っていたら営業していたw 軒先では小さな雪だるまがお出迎え。
場所だけお借りして、ドーナツを食らう
燕山荘のスタッフと思われる女子2名と男子1名の3人組がアイゼンを履いてガツガツと我々を抜いていった。
アイゼン無しでも歩けるが、確実にアイゼンを履いたほうが速そうだと察し、ここまできてアイゼン装着。
しばらく歩くと雪がなくなってきた。降ってくるのも雪から雨にかわって濡れねずみ状態で歩く
あと1キロ。
道路が見えてきた
下山して軽く体勢を整えたらもうバスが来ていたのですぐに乗り込み穂高駅に向かう。
穂高駅にて・・・こちらはそれなりに晴れているけれど、あの山の上はさぞかしヤバいだろうねぇ。
雲が嫌がらせのように纏わりついているじゃないか
松本発の高速バスに乗るために穂高から松本へはJRで移動。
全体的に摂取カロリー低めで推移した今回の山行だったので、
下山時にはこれでもかというくらいのハラヘリ状態。
あれこれ検索してみるも、何故かこの界隈は土日祝日に休んでいる飲食店が多い(困)。
頼むから営業してくれ!!w
調べ疲れつつも、検索中に目にした唐揚げ屋さんと餃子屋さんが両方入っている駅ビルに吸い込まれる。
ちょっと絵面はわびしい感じがするけども、500円(税込)は安い!
しかもご飯おかわり無料!!!!
ああ勿論2杯ずつ食べましたとも。
ご飯1杯の価値って下界にいると大したことないけれど、山の上だと本当に貴重なものだ。
そもそも、山の上で米が食べられるのって結構凄いことなのだ。
下山直後にご飯食べ放題は、普段以上の価値がある(と今回思った)。
(ちなみにココ、生中+餃子1皿のセットも500円。安い。)
長いようで短く、短いようで長い3泊4日。
もしも涸沢に行っていたらどうなっていただろう。あの天候の中奥穂に突っ込んだだろうか?
白出のコルまでで引き返しただろうか?
ずーっとテントの中で腐っていただろうか?
雷鳴にビクついていただろうか?

もしもの話はどこまで行ってもモシモでしか無いので想像してもどうしようもないが
色々と事故のあったGWの、事故のあった場所に近いところを歩いていたからこそ少し考えてしまう。
しかし正直なところ、一旦「ぬるぬる涸沢」のつもりで入山した気持ちを、
「ガチ縦走」へと切り替えテンションを上げていくのは意外と億劫だった。
涸沢に居座っていれば重い荷物を持って歩くのは初日と最終日の2日間だけで良い訳で
それが途端に「毎日毎日20キロ担いで歩き続けなければいけない」となると気合いだって変わってくる。
気持ちの切り替えがうまくいかず、良からぬ結果に繋がってしまうことだってあるだろう。

しかし、蝶に登っても、明日天気が悪ければ降りればいいか。というところで納得がいった。
どうせ蝶まだ行ったこと無いんだしとりあえず行って、稜線に不安が残れば涸沢へ行けば良い。

その山域に入った経験が少なかったり初回だったり、
変更候補のルートにエスケープルートが無かったり、そのルートを行くにしては装備不足だったり等
条件が整わない場合の急な予定変更は余りよろしくないと思うけれど、
条件さえ揃えば柔軟に変更していくのは大切なことだと痛感させられた山行だった。
少し前にも現地でルート変更をしたことがあったばかりだし、
最近は「うまく予定変更が出来るか」という試練を与えられているような気がしないでもない。
【おまけ】そして新宿。野菜マシマシ+ニンニクでフィニッシュ。

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