2012/09/07

20120905-11_恍惚のロングトリップ(3日目:樅沢左右俣出合~三俣~岩苔乗越~高天原)

詰めってのは一般的には一番キツイものだし、右俣を詰めるとハイマツ漕ぎになるという前情報は得ていたので、こちら左俣もヘタしたらハイマツ漕ぎかもな・・・と覚悟はしていたが、蓋を開けてみたらなんと天国のような草原の詰めだった。いわゆる「詰め」の、過酷でドロドロ、またはガレガレ、もしくは藪になるイメージとは程遠い。
苔苔天国!
■9月7日(金)晴れ、夜に雨少々
7:20 樅沢2200m分岐手前
↓ - 2:34
9:54 登山道着
↓ - 0:56
10:50 三俣峠
↓ - 0:35
11:25 三俣山荘
↓ - 0:53(ご飯休憩)
12:18 山荘出発
↓ - 0:29
12:47 源流碑
↓ - 1:33
14:20 岩苔乗越
↓ - 1:33
15:53 水晶池
↓ - 0:53
16:46 高天原山荘
昼間の白い月にエロスを感じるの私だけか?
しかしなんだか上を見上げれど見上げれど、キツそうな気配がしない。あまりの緩い詰め上がりに一同少し面食らうも、楽な詰めであるに越したことはない。幕営した跡も数ヶ所発見。ここも2~3人用1張くらいいけそうな、割と良さ気な幕営適地。
傾斜もそれほどキツくなく、似たような傾斜のまま高度をあげていく。しかし見上げると、忠実に詰め上がるよりも、どうやら右側の谷筋へ逸れた方が楽そうである。こっちに賭けてみようか。 
こちらが忠実に詰め上がる方。傾斜はここも右側も似たようなものだが、こちらは距離的に長いし、
双六に近い方に上がってしまう。行きたいのは三俣側なので、右側へ逸れた方が何かと都合がよさそうだ。
こちらが右側へそれる方。稜線が近い。
一休みしつつ後ろを振り返るとこの景色!ヤスヨほら槍が見えるよー!と言われてよくよく見ると確かに槍の穂先がある。つい先週まで居た槍、ていうかまさかその直後にこんな谷筋歩いて上がってくるとは思ってもいなかったよ。
しみじみ・・・
沢筋のすぐ左あたりの踏み跡を辿ってしばし草の中を歩く。はじめは良かったが、
途中で「これは沢筋を歩いた方が楽なんでは・・・?」ということになり再び沢筋を歩いたりなどしつつ高度を稼ぐ。
あとちょっと!
ここは尾根上ではなく、少しずれたところにトレイルがついているのだが、遠目に見てもそのトレイルの位置がはっきりと確認できるくらいになり、いよいよ気持ちが高まってくる。またどうせ谷筋に降りるのだけれど、一旦ここでこの湯俣遡行の項が終わるんだなと思うとちょっと胸が熱くなる。
それにしてもこの光景、美しすぎる詰め上がり。ここは天国なんじゃないのか?
というわけでトレイルに到達!登山客誰もおらん・・・
昨年ここを歩いた時は本当に雨が酷くて何の景色も見られなかったのだけれども、こんなに素敵な景色だったとはね・・・
三俣小屋!
到着した時はお客さんも結構多く、小屋前にはザックがずらり。
のんびりしている内に全員いなくなっていたけれど。
三俣山荘のカレーが美味いよ!とタンさんが言うので。
絶景。
どーん。しかし昔は野菜とかがゴロゴロ入ってたらしい。
今回食べたカレーは野菜が細かく刻まれていた、けど美味しかった。
1000円也。ケーキも美味しそうだったけど今回はガマン。
今日の目標幕営地は、最初は「立石」としていたが、前夜のシミュレーションによると、どう考えても雲ノ平までが限界だった。三俣まで来るとそれがいよいよ現実のものとなり、今日はきっと雲ノ平までしか行かれないから、小屋泊まりもあり得るね、という話になる。あの辺りでステルス幕営できる場所がどこにあるのか誰も知らないため、突っ込めないのだ。しかもナッツさんの下痢が酷い。

小休止を経て再び歩き出す。ここからはずっと一般登山道なので気楽なものだが割と距離は・・・あるし・・・そもそも何気に詰めで気力を使ってしまっている。ナッツさんの状況もよろしくない。
荷物絶対重すぎですし私持ちますから無理しないで言ってくださいね!!と声を掛けるも、うん大丈夫と言って全然荷物を持たせてくれない。男だな・・・けどこういう時はどうか頼って欲しいものだ。人の荷物を少し持つくらいの余裕は持ちあわせてるから。
そして今回の旅で1度目に見る源流碑。あと1回見る予定なので、しばしの別れ的な。
さてここからが大変。岩苔乗越のスタート。
なんせここまで主に沢筋に居たものだから、水のない道の暑いこと暑いこと、我々3人にはこの暑さに対して全く免疫がない。しかもいきなりこの急登。乗越って本当に嫌な響きだ。先日の水俣乗越然り、今回然り、乗越てやつにいい思い出が無い。登ってもどうせ乗り越えたら降りるんだものなぁ、読んで字の如し。腹をくくって、いざ。
苦行である
ナッツさん完全ノックダウン。さっき振り返って、また後ろを振り返ると、ほんの数分なのにナッツさんが超遠くなっている。。。てのを何度も何度も繰り返す。いや本当に辛そうだ。でもどうすることもできないので本人に頑張ってもらうしかない。
死にかけナッツさん
そしてとうとう到着!しんどかった!
で、やっぱり下るのね。
はじめのうちは沢の脇を走る登山道でそこそこ雰囲気も良かったのだが、途中から鬱蒼とした草の中に分け入り始めて、とても北アとは思えないような辛気臭い草の道をひたすら抜ける、決して気持ちが良いとは言えないルートになっていく。
兎に角草が生えすぎて暑いし、虫は多いし、なにが面白くて北アまできてこんな道歩かなきゃならんのじゃ、と思ってしまう程。岩苔乗越も苦行だったが、このトレイルもまた別の意味で苦行。こんなところ歩きに来たわけじゃないんだけどなぁ。
これ本当に北アなの?w
水晶池を過ぎてしばらくすると木道が現れる。雲ノ平的なこの流れ、ひょっとしてゴールは近いのか? 
つ、着いた!そして速、ビールで乾杯!初めての小屋泊まり。それどころか夕食もつけちゃうもんね。
下痢なのにビールは欠かさない人・・・
ここの小屋は2階大部屋1つのみ。角に着替えスペースが区切られているのでそこで着替えができる。
この日の宿泊客は僅か6人程度?だったので、スペースはかなり使えて良かった。
夕飯はこんな感じ。おかずちょっと少ないよね・・・
けど、噂通りでご飯とお味噌汁は食べ放題。まだ食べるの!?と言われながらもついついご飯は3杯食べた。
あんまりゆっくりしていると日が暮れるので、さっさと温泉へ出掛けることにする。入っている内に日が暮れるのはわかっていたけれど、かと言ってあまりにも真っ暗な中入浴するのだと、景色が見えなくてどうなのかなぁと思ったのでとりあえず少しだけ急ぐ。けど結局着く頃には真っ暗っていう。
ブユとヌカカが凄いんで気をつけてください!!と言うおじさまとすれ違う。。。
時間帯的なものだと良いのだが・・・居たら絶対刺される・・・
結局虫は居なかったので刺されることもなく無事に入浴ミッションも果たすことができた。
温泉沢の右岸に女性用の風呂と、木の囲い(植え込みみたいなの)のある男性用の風呂が並んでおり、左岸というか沢ど真ん中の辺りには囲いのない男性用の風呂がある。計3つ。誰もどこにも入っていなかったので完全に貸切状態。囲いのない男性用の風呂はこの時見つけることができなかったので、今回はこの囲いのある方へ。洗い場があるわけでもないので、かけ湯をして浸かるだけなのだが、これがまた40度程度の丁度良いお湯で、体が芯から温まる。初日に入った湯俣のぬるま湯の比ではない・・・って当たり前か
小屋まで戻り、ナッツさんのと自分のと順番にベッドメイキングをしているところへタンさんが戻ってきて自らの布団を広げ始めたと思ったら、もう俺飲めないわヤスヨ残ってる酒あげるわ、、、と言いながら撃沈した(またwww)。どんだけ買ったのだろうと思って小屋前ベンチへ行くと、500mlの缶ビールの残り半分と、まだ開けてもいない200mlくらいの日本酒が置かれており、その横でナッツさんが同じだけの酒を飲んでいるところだった。

有り難く残りのアルコールを全て頂戴しつつ、ナッツさんと2人で山沢岩談義に花を咲かせること小一時間。22時過ぎにようやく就寝。小雨が降ったり止んだりしていたが、明日は今回のルートの中でも核心と言えるため、雨は降らないで欲しいと願うばかり。

2 件のコメント:

  1. 高天原山荘、泊まったんだ!
    いーなー。
    私はバカなので、移動途中で温泉に入りました。
    雲の平から歩いて行って温泉に入って、そのあと、水晶に登ったという…
    やっぱり山荘に泊まるのが正解でしょう。

    三俣山荘のカレーがおいしいんですね。
    メモメモ。
    あそこはほんとおいしそうなメニューありますよね。
    鷲羽岳もかっこいいし、いつかあそこのテン場に泊まってみたいと思ってますw

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  2. てるさん
    多分いちばん贅沢なのは、昼間着いて景色が見える内に温泉入ってビール飲んで、夕飯食べてまた温泉入って、翌朝も余裕のある計画立てて朝風呂入ってw みたいなやつかと。朝は我々もスルーしましたけど、朝風呂もしたかったなとw しかし随分とタフな計画立てましたねw 温泉入ってからまた汗かくのってなんか悔しいですよねw

    三俣山荘のカレー美味しかったですよ!ケーキセットはなみへいさんイチオシだったので気になっていたのですが、セットで1000円なので、同じ金額出すならカレーもう1皿食べたいなとか思ってしまいました・・・。
    因みに昨年は三俣のテン場泊まりましたよ。水場も近いし良いテン場です。

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