2013/08/17

20130817-21_神通川水系金木戸川蓮華谷(1日目:中山口バス停〜林道終点)

私が槍・穂高の地図を手に入れ、足を踏み入れたのは、2010年の夏だった。

入口は上高地、岳沢から前穂経由で奥穂へ抜け涸沢へ降りた1泊2日を皮切りに、次は横尾経由で槍へ抜け、大キレットと北穂を通って涸沢に降りた2泊3日の山行。翌年2011年は上高地から槍・双六・三俣蓮華・雲ノ平・太郎平と縦走して折立に抜けた大雨の5泊6日。2012年のGWには残雪の中を蝶ヶ岳から燕岳まで3泊4日で強風に煽られながら歩き、夏は北鎌尾根から西穂を4泊5日で駆け抜けた。さらに6泊7日の山行(釣行)では湯俣川から沢伝いに稜線にあがり、奥ノ廊下と黒部源流を遡行して再び稜線へ出て新穂高まで歩き、加えて前穂北尾根では1泊2日でアルパインクライミングも経験した。3年の間に29日間もこのエリアにいたということになる。

このエリアには魅力的で有名な山や稜線がたくさんあって、そこにはすべて道がついていて歩けるようになっているけれど、槍のすぐ北や双六岳の西にはすこーんとトレイルの表記が抜け落ちていて、そこには、大きく長く深い沢がある。槍の北側には、北鎌の取り付きでもある水俣川や、硫黄の混じる湯俣川があり、双六岳の西には、そう、金木戸川がある。3000m級の山の谷間というのは兎に角偉大で、山々が受けた雨のすべてを受け止めるだけの懐の深さと慈愛があり、その表現の形は沢によって様々なのだけれど、この金木戸川というのは繊細なのか粗野なのか、大きな愛で人を受け止めるのかはたまた寄せ付けないのか、地形図上からは如何様にもとれる謎の川だった。沢にそこまで詳しくもなかった時分から、この川の長さとエスケープの無さ具合、そしてゴルジュの長さと激しさに震えていたのだが、私の夏休みと同じ日程で仕事を休めるというパートナーを得たので、この川で夏休みを過ごすことに決めた。

この5日間は本当にあっという間で、毎日がシームレスに繋がっているように思えた。長い長い1日だったような気分。
金曜夜23時新宿発の高速バスで平湯温泉バスターミナルに向かう。バスを予約したのがギリギリだったため、今回の山行のパートナーであるワンさんとは席はバラバラになった。
平湯温泉到着時刻は午前3時半頃で、乗り継ぐ濃飛バスの発車時刻までの3時間程は仮眠に充てる。471号線を高原川沿いに走る7:00の神岡線始発に揺られること約50分で中山口バス停に到着するもまだまだ眠い。というわけでまた眠る。
バス停の小屋があまりにも綺麗なのでこの中で眠ることにする
ここまで来てもコンビニがあるのが嬉しい。
うっかり寝過ごし、起きたらもう11時半を回っていた。駒止橋手前右手のヤマザキYショップで最後の買い出しをしてから橋を渡って右折すると、ひたすら川沿いの道路が続く。
暑い。けれどもとてものどかでいい所。河原でキャンプする家族連れや釣り人を眼下に見下ろしながらアスファルトをひた歩く。
林道でもなく完全に道路なので、歩いていても全く面白味がない。ヒッチハイクをしてみると2台目か3台目くらいでおばちゃんが止まってくれた。金木戸川に入るから、双六ダムの方へ、と伝えると、ダム手前で分岐して左に入る山ノ村というところに住んでいるとのことで、分岐まで5分ほど乗せてもらい時簡短縮。
分岐から少し歩くとダム。
分岐から先はガタガタの林道に入る。それにしても飽きる道だ。
ひたすら歩く。
北ノ俣方面との分岐
林道終点に発電所の施設があるが、これを越えると水の近くで野営できそうな場所がないため少しだけ戻って河原で寝ることにした。雨も降らなさそうなのでそのままゴロ寝。
服が濡れている訳でもないのでピコグリルの小さな焚火を囲む
2日目へ

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