2021/02/20

20210220-23_新倉-伝付峠-二軒小屋-蝙蝠尾根-井川(蝙蝠岳敗退)前編

敗退したので次回に向けて備忘録的に。

蝙蝠岳に憧れるようになったのは工場長さんのブログがきっかけ。工場長さんというのは相互リンクさせていただいている「山ばっかり、、、酒ばっかり。。。」というブログ(現在は「続・山ばっかり、、、酒ばっかり。。。」に移行)を書いていらっしゃる方なのだが、山を始めたばかりの頃に色々な記事を読ませて頂き大変お世話になった。これだけたくさんあちこち登っている人がこれほど良いと言うからには余程良い山に違いない・・・と思うこと数年、自分もそれなりに山に詳しくなり始めてしまい、行くなら塩見から登りで使いたい!とか、越年山行でピークを踏みたい!とか、できることなら三伏峠まで抜けたい!とか余計な欲が出てきて数年。年越しの度に計画しては年末の大雪や悪天候で計画倒れし続けて更に数年が経った。年越しならまだしも、2月の厳冬期真っ只中は流石に塩見までは無理にしてもとりあえずどこかまで行ってみないことには何も始まらない。とりあえず①お天気良し、②直前の豪雪なし、③日程も3泊4日確保できた、というわけで乗り込んできた。

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<今回課題だと認識していた点>
  1. 伝付峠越え
    何年も前から崩落が激しいことで有名、直近で行った友人がいたため通過可能であることは確認済だったが、そもそもこの峠越えを成功させないと蝙蝠尾根に乗れないw
  2. 蝙蝠尾根のラッセル
    数年前に友人が越年山行でトライして猛ラッセルになっていたので、今回どれくらいのラッセルになるかの不安と期待があった。(&日数が足りるかも不明だった)
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<次回に向けた再考すべき課題>いまのところ(今後適宜reviseする予定)
  1. ルート
    沼平ゲートまで車(タクシーまたは友人と相乗り)&MTBによるアプローチが良いのか、それとも伝付峠に通いまくって歩き慣れておくのが良いのか。→以前MTBで荒川岳登山口まで漕いだことがあるが、距離25km以上ある上に装備背負って漕ぐのはかなりしんどいため、MTBが最適解かどうかも怪しい。そもそも冬期装備にMTBを輪行するのがかなりしんどい(総重量30kg以上になる...)。
  2. 荷物の総重量をどれくらいに抑えるか
    今回ザック重量22.5kgでの伝付越えは相当辛かったが、本人はそれほど余計なものを持ったつもりはなく、何を削れば良いかわからなかったので、次回行く時に向けての装備見直しは必須。
  3. エマージェンシーキットの見直し
    今回木に激突して顔を負傷し、エマージェンシーキットの中身をかなり使って使いにくさ、あると良いと思ったものなどがいくつか出てきたので、キットの中身を練り直したい。
  4. ワカンorスノーシュー
    最後まで悩んだ装備のひとつだったが、矢張り多少の機動力の悪さに目をつぶってでもワカンが良いような気がした。ワカンの方が下りの不安が減る。当たり前だがスノーシューで降ると沈まない代わりに滑るので怖い、やはり多少沈むのはやむを得ないとしてワカン&アイゼンの方が良いかも。つい楽をしたくてスノーシューにしてしまった。(ワカンなら矢張り紐よりラチェットにしておくのがベター、森林限界に出た後での装脱着があった場合のスピード感を重視)
  5. 日数の見積り
    ルート取りにもよるが、いずれにせよ3泊4日では多分足りない。何泊にするかは積雪具合との兼ね合いも含めて要検討。メンバーを募ってもよさそう。
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Day0--2月19日(金)
夜発の高速バスで飯富へ。飯富ふれあいセンターに21時過ぎには到着してしまいダラダラと飲んだり少し遠くのコンビニへ散歩に行ったりしてから就寝。いつもは24時頃到着の便で現地入りするのだが、バスが減便されていて21時着が最終だったため。到着が早すぎて、いつもなら閉まっているドラッグストアがまだやっていた。

Day1--2月20日(土)
7:35 飯富
↓ - 0:41
8:16 伝付峠入口
↓ -  3:56
12:12 東電管理小屋(保利沢小屋)
↓ - 1:36
13:48 出合
↓ - 2:37
16:25 伝付峠
↓ - 1:50
18:15 二軒小屋

はじめは暫く林道歩き。ここからトレイル?へ・・・(トレイルと呼べるのか)
いきなり崩落してます。
このコンクリのへりまで道だったんだと思うけれども崩落している(特に危険ではない)
で、私の手元の山と高原地図(2011版)だと下図ピンクのラインで内河内川をはじめから遡行するルートが赤実線で書かれていたのだけれど、現在の正規ルートは一度南側の沢に入ってから尾根に乗って沢を乗り換えて内河内川へ入って行くようだ。実際は山と高原地図をあまり見ていなかったので、地形図との差異に気付いたのは内河内川に入ってからだったのだけれども。。。
ピンクの線の終わりあたり、ゴルジュの抜け際に大滝があるらしい。内河内川に降りた時「大滝は越えたんだろうか?」と思って山と高原地図と地形図を見比べてみてやっとルートが違うことに気付いたw 地形図しか見てなかった・・・w
沢の乗り換えの登りがえぐい。無理矢理道つけてみましたという感じ、というか道ではない・・・作業道なのか・・・うーん作業道だとしても危ない。
ロープが何本も垂れているけれど、使っていいのは真ん中のだけ(って登り終えた上に書いてあっても、下からはわからないからどれも掴むよねぇ・・・)。落石もすごいし滑落したら怖いのでヘルメットも被る。なんとなく虫の知らせで今回たまたま持参したヘルメットがガチで役に立つとは恐ろしい。帰りはここを降るのか・・・嫌だな、嫌すぎるな。
重くのしかかる大荷物をヒィヒィ言いながら太腿で担ぎ上げてから今度は沢へ降りる。
ようやく東電管理小屋(保利沢小屋)へ到着。管理小屋と保利沢小屋という山小屋が別々にあるものだと信じ込んでいたけれど、管理小屋のことを保利沢小屋って呼ぶらしい・・・(今知った)。
因みに、管理小屋までは道がある程度整備されているけれど、そこから先が酷い・・・なんてレコを読んでいたのだが、ここまでも相当荒れていたのにこれより酷いって大丈夫なのか・・と一抹の不安がよぎる。
この橋は渡らず、右へ。
綺麗な瑠璃色の瓶を手に取ると「ロート目薬」って!目薬デカすぎるし昔は瓶だったの!?
保利沢取水場、こぢんまりとしているが形がかなり特徴的
ここから暫く沢沿いのトラバースみたいな道が続いたがこれも結構面倒で、たまに差してくる沢筋がガチガチに凍っていたりしてそこだけアイゼンを履いては再び脱いだりを繰り返していた。13時を過ぎた頃になり出合の手前あたりから今度は氷ではなく雪がつきはじめる。落ち葉の上に雪が乗っていて滑るのでいよいよここからは完全にアイゼンを履く。とはいえ岩場もあるし渡渉もあるので厄介。
渡渉と言ってもこの時期なので凍っているであろう沢の上に雪が積もって、どこなら足を置いてよいのかよくわからない。ドボンしないように慎重に足の置き場を選びながら渡渉する。
出合にわずかながら人の気配(ケルン)
ここからは沢を離れてぐいぐい登る・・・
尾根筋は遠い・・・
雪が増える
16時頃、いよいよどうにもならずアイゼンを外してスノーシューに履き替えることにする。一気に快適になった!しかしこれ、またここに戻って来なくてはならないとなると、スノーシューで降るには嫌な感じだし、アイゼンで降るには大分潜りそうだなぁとか、序盤のザレ急登に続いて再度帰りの心配をする。
ようやく終わりが見えてきた頃に後ろ(というか横?)に目をやると富士山がぼんやりと浮かんでいた。絶景!
もしかすると今回唯一の絶景がこれだったんでは・・・
もともとこの日の計画はCTの1.0で計算していて、でも絶対少しは遅れるだろうなぁと思っていた。途中まではほぼ1.0で推移していたのだけれど最後の雪と急登で一気に予定が崩れて峠に着いたのは16:25、予定より遅い到着となった。峠で幕を張ってもいいかなと思いながら登っていたのだが、風がかなり強くなってきており寒そうだったので、CT1:10なら降りてしまおうと思ってこの時間からの二軒小屋までの下りルートに入ることに決めた。尾根とか谷筋とかのシンプルではないルートであることは理解していたが、それにしても手を焼いた・・・
ようやく着いた伝付峠!長かったー
そして案の定ルートがとりづらくてルートファインディングに時間がかかってしまう。地形図のライン通りに行こうとしても積雪のせいで微妙にルート通りに進めなかったりするので、久々のスノーシューで足をもつれさせながらなんとかルートを切り拓くこと暫し・・・(勿論終始トレースなど無い!)。一旦尾根乗ろ!いや乗ったはいいけどこの尾根藪濃くて降りられないからやっぱりトラバースかぁ、、戻るか、、とか言っていると、次の瞬間足元の倒木に躓いて、下に向かってつんのめり、バランス崩したと思ったら木に激突。頭も打って一瞬脳震盪みたいにクラクラしたけれど、そこはあれですよ。ヘルメット様様ですよ。やっぱりヘルメット大事ね。
打撲にもなっているのだけれど傷の方が痛い!この日は何故かまぶたも腫れた・・・
17:06頃。綺麗などこかの稜線w
日の入りが17:30くらいのはずだったので、ギリギリで下山できるかなぁと思っていたけれど、ギリギリアウトw 怪我トラブルでのタイムロスはそれほどではなく、どちらかというと矢張りルーファイに時間がかかったのが原因かなぁと。その後は途中から雪も落ち着いたのでアイゼンに履き替えなどしつつ二軒小屋を目指す。風もあまり吹かないエリアに入った時点で、万が一迷いそうになってきたら一旦ビバークしたほうがいいかもなぁ、落ち着いて行動しよう日数には余裕があるのだから、と気持ちを切り替えて淡々と進む。
真っ暗になってようやく二軒小屋に辿り着いたのがもう18時過ぎ。登山客は誰もいなくて、というか高速バスの時点から一人も登山の人になんて会っておらず、二軒小屋界隈ではひとりだけ小屋の人???よくわからないがおじさんが一人歩いているのを見かけただけだった。土木工事の車が停まっている近くの建物の脇にテントを張って、凍結防止で出しっぱなしになっていた蛇口の水を頂き(ラッキー!)22時過ぎ就寝。いやはや先が思いやられる。

長くなってしまったので分けます・・・

後編へ続く

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