2021/02/23

20210220-23_新倉-伝付峠-二軒小屋-蝙蝠尾根-井川(蝙蝠岳敗退)後編

前編はこちら

Day2--2月21日(日)
5:40 二軒小屋
↓ - 0:40
6:20 蝙蝠岳登山口
↓ - 2:00
8:20 中電管理棟
↓ - 0:40
12:10 2216m付近幕営

初日の到着が遅かった割には頑張って起きたってことにしてほしい・・・いやもっと早く起て暗い中歩いても危ない場所でもなかったからもっと頑張るべきだったけれども・・・

二軒小屋界隈、何気にたぶんまだ2度くらいしか来たことがないので土地勘がなく、薄暗い中をうろつき偵察しながら蝙蝠岳登山口までのんびり40分ほど。途中で大井川の東俣はこちらとの道標に導かれて坂を下る。いつか大井川あたりは遡行したいと思っているエリアのひとつ。
登山口までの林道の脇の切り立った岩が崩落しまくっていて、登山口も崩落しているんじゃないかと一瞬肝を冷やしたが無事に登山口に到着。しかもこんな登り口直前にポストがあるとはご丁寧なことだ(今回はコンパスでお届け提出済)。登り始めるといきなり急登、ところどころ凍結しているが最初はアイゼンなしで登り始める(30分経たずにすぐ装着したけどw)。
この大荷物だと、降りる時ちょっと嫌だなぁと思いながら登る。9mのおたすけダイニーマを持参したので、最悪ゴボウで降る感じになるかなぁなどと思いながら登ってゆく。2時間ほどで中部電力管理棟に到着。雪がそこそこでてきた。
管理棟を過ぎてしばらくしたところでスノーシューに切り替え。下山時に思ったけれど、もっと手前からスノーシューでもよかった・・・大分沈みながら頑張っていた模様。
ずっと樹林帯なので雪の上にゴミがたくさん乗っていて全然美しくないw
向こうの山が見えてきた
そもそも、昨日疲れ過ぎていてちょっと頑張れなくなってきていたので登頂は難しいだろうなぁと思っていたのだが、それでも徳右衛門岳くらいは行きたかった。2216m地点の等高線がゆるくなっているあたりでまだ12時、予定から大幅に遅れていた訳ではなかったし徳右衛門までなら15時過ぎには到着できるだろうという見込みもあったのだが、そもそもあと3時間頑張るのがもう面倒になってしまっていて、あれこれ言い訳を考えて結局2216mで幕営することにしてしまった。ぬるい。

諦めた要素は色々あったが、まず足元がスノーシューであったことの不安。降りるとき滑りそうな斜面はスノーシューを脱いでアイゼンになるだろうし、そうすると下山ペースが落ちるのは必然だろうという点。(実際は下りでもずっとスノーシューで大丈夫だったし、ちょっと心配しすぎだったのだけれど。)
そして、初日に顔を怪我した時にどうやら左手をどこかについたようで、手首が内側に曲がらなくなっていたことへの不安。外側には曲がるのだが内側に曲がらず、曲げると激痛が走った(翌日には治っていたので結局大したことはなかったが、この時はちょっと腫れていて、指もパンパンになっていた)。不安要素を抱えてタフなところを登り続け、あれこれ作業がしづらい状況というのは避けた方がいいなと思った。
また、天気がわからないのも不安要素のひとつだった。一応事前の下調べでは天気は安定してそうだったのだが、初日の夜に予想外に雨がぱらついたため、万が一天候が悪化していたらまずいなとも思った。ラジオも受信できず、携帯の電波も入らない状態で突っ込まない方がいいなと。
あともう一点は、帰りに伝付峠越えをもう一度やりたくない=畑薙ダム方面へ歩いて帰ろう、と思っていたため、井川まで10時間くらい(←間違ったイメージ)&井川から家まで1日かかると考えるとデプローチに2日かかるから、あんまり標高の高いところまで登ってまた降りてくると時間が無いなと思ったことだ。日数があればもう少し頑張ったとは思うのだが、どうせスルーハイクじゃないし蝙蝠にも着かないし、ということで早々に諦めてしまった。たまにはこういうこともある・・・。因みに風はかなり強かった(とはいえ結構上まで樹林帯ではある)。
1時間ほど掘ってとりあえずのんびり
因みに、テントに入ってから無線機のラジオを付けたら普通に受信できて、翌日の天気も安定しているとの情報を得たw とはいえもうここまで幕営した後でまた撤収して徳右衛門を目指す気はないw

Day3--2月22日(月)
7:15 2216m付近幕営地点
↓ - 1:45
9:00 中電管理棟
↓ - 1:00
10:00 蝙蝠岳登山口
↓ - 0:50(途中大井川東俣に降りて休憩)
10:50 二軒小屋
↓ - 6:45
17:35 畑薙大吊橋
↓ - 10:00
27
:35 大井川鐵道 井川駅
朝、せめて空身で徳右衛門をピストンくらいすればよかったなぁと思ったが気付くのが遅すぎた・・・どうせ下山すぐだろうしと思ってのんびり起きたので日の出もこんな樹林帯の中で見る羽目にw
今回はGregoryのDeva70
荒川岳とかそっちのほう?
淡々と降りながら、今回のヘタレな結果について自分を納得させようとして思考をめぐらせていた。上へ行くことを諦めざるを得ない要素が色々あったから仕方ないよねぇ、折角こんな遠いところまできたのに、そうそう来られないのに、こんな不甲斐ない結果になってしまったのもまぁやむを得ないよねぇ、とかなんとか。しかし空は穏やかに晴れ、風の影響をそこまで受けるルートでもなく、気温も高くて暖かく、それなのになんで私はこんな朝の時間帯に山を下っているんだろうか。嗚呼、撤退理由がこんなにあるならば理由として十分だよと自分を説得しようとしていたけれど、考えれば考える程こんなのただの言い訳じゃないかと思えてきた。私はいつだって言い訳が多いんだよなぁ、そんなことを口にしたら本当につらくなって涙が出てきてしまい、暫く嗚咽して立ち止まっていた。
このあたりは雪ほぼ無し
前日と比べても雪が大分溶けていて、心配していた「スノーシュー脱いだら滅茶苦茶沈んで難儀するんではないかと思われる斜面」も大して沈まず、3時間ほどで下山してしまった。早すぎるなぁ、これだと井川に早い時間に着いちゃってステビしづらいかもなぁ、なんて思っていたのだが、全然そんなことはなかった。ここから井川まで17時間かかった。
大井川東俣で水を飲む
蝙蝠岳登山口のすぐ手前の林道脇の崩落。ひどい。
以前GWに沼平まで車&そこからMTBで荒川岳に来たことがあったので、沼平から荒川岳登山口まで相当遠いことは理解していたのだが(26kmとかそれくらい)、まさかその先がそんなに長いと思っていなかった。そもそも普通に伝付峠に戻る気まんまんでいたので、井川までの正確な距離など事前に調べていなかったのだ(ちょっと反省)。携帯電話の電波が通じるエリアに入ってから調べてみても、この林道は車も通れないしあまり歩かれる道でもないため、現在地から井川までの距離を調べようとしても「到達できません」と表示されて距離がよくわからなかった。ようやく表示されたと思ったら、更にまだ25キロ以上あると表示されて愕然とした・・・。というか、ここTJARで山から下りてきて海までのロード区間の一部じゃんね。そりゃ長いわ。
埋めたばかりのコンクリートでふにゃふにゃなので、淵を歩いてください~と
爽やかに言われる(下は崖w)
遠い!
歩いていると、ふと体に違和感を感じて、ああ生理がやってきたのかと思った。COVID-19以降生理周期が不規則どころか一旦一切なくなってしまって2-3ヶ月止まっていたりもしたのだけれど、最近になってもそこまで周期が落ち着いていないので、正直次いつくるのかよくわかっていない。生理がやってくる直前の1日というのは、毎回という訳ではないのだが、私は無茶苦茶メンタルが落ち込む時があるので、昨日は丁度それに当たったんだなと思って合点がいった。頑張れなかったのはこのせいだ。言い訳ばかりの自分に涙が出たのもこのせいだ。ってまぁこれも言い訳なんだけれども、普段ならこんなことで泣きはしないので、生理のせいなんだな。ということでケロッとしてしまった。こればかりは仕方がない。

途中の水場で20時過ぎに一旦夕飯を作って食べ、再び歩き始めて結局井川に到着したのは午前3時半過ぎ・・・。本当に本当に長かった!この辺のどこかの家が望月将悟さんの家なんだろうなぁと思いながら歩いていたけれども、いやしかしこんな小さなエリアからあんな有名人が登場したらそりゃ地域上げて応援するわな・・・。
到着して駅の軒下に寝袋を広げると、ここまで降ったり止んだりしていた雨が急に本降りになった。間一髪!

Day4--2月23日(火)
7:45 井川駅発 井川自主運行バス乗車
↓ - 2:27(横沢にてしずてつジャストラインに乗り換え、乗り継ぎ約10分)
10:12 静岡駅着
駅前でステビ(といっても5時くらいまで起きてて小一時間仮眠しただけだけど)
本当は大井川鐵道で千頭~井川間を走るアプト式に乗りたかったのだが、始発が11時半くらいと遅すぎたので、ネットで教えていただいた井川の自主運行バスとしずてつジャストラインのバスを乗り継いで静岡まで。アプト式は大無間山のバリエーションをやった時のお楽しみにとっておくことに。
乗り継ぎポイントの横沢。ここまでに峠越えで1100m以上までバスで登るw
なかなか楽しい(けどちょっと寝てしまった)。
運転手さんと話していたら、将悟さんの1コ下の後輩なんですよ僕!とのことだったw
調理師免許をお持ちらしく、某山小屋でご飯作ったりしていたこともあったとのこと。
それにしても、はるばる峠を越えてこの時期に二軒小屋までやってきた割にはあっけなくどこにも辿り着かずに終わってしまった。しかし蝙蝠岳に厳冬期に登るための課題は色々見えたし、なんだか個人的には登れるような気がするのでまたチャレンジしたいなとは思っている。とりあえず、初めての蝙蝠岳は厳冬期でした!って言いたいわけでもないので、状況が許せば夏に行ってみて様子を見ることにしよう・・・。

いつかの登頂に期待!

0 件のコメント:

コメントを投稿