2023/10/08

20231008-09_第31回日本山岳耐久レース・長谷川恒男CUP(前編)

今年の頭、物凄く久々にフルマラソンを2本走った。自分なりに頑張ってトラック練をやってみたりしたけれど、その割には7年くらい前のPBを8分くらいしか更新できず3時間45分という凡庸なタイムで私のマラソンシーズンは終わった。マラソンが速ければトレランも速いとは言い切れないと思うけれど、例えば女子で3時間15分とかを切っているランナーがトレイルを走ればそりゃ速い。私がもっと山で強くなるためには一度ロードの走力の底上げをして、それから改めてトレランをやるのが良いだろうと思ったのがマラソンを走った大きな理由の1つだった。しかし息の切れる練習を日常的に行うのは私にとっては結構辛くて、そもそも家から出発する気さえ起きず、嫌々重い腰をあげて出掛けるといった始末。ロング走は割と好きなのだけれど、スピード練が兎に角苦手で全然練習ができなかった。スピード練をしなくても速い人というのも居ることは居るのだろうけれど、というかそもそも、速くなるノウハウを調べたところで複雑すぎて全然私の頭には入らず(きっと興味がないんだと思う)、全方位的に無理だった。私はロードはそんなに速く走れないんだなと思った。

しかも悲しいことに、行きたい山を我慢してマラソンの練習に時間を割いていたつもりになっていた割に走っていなかったためか、マラソン時期が終わって山に戻ったら登りが無茶苦茶弱くなってしまっていた。本末転倒すぎる。というわけで春過ぎから夏にかけてはせっせと山に通って体力を戻し、6月に戸隠マウンテントレイル(20kmの部)、9月には昨年同様西駒んボッカ(薪15kgの部)に出場し、ハセツネに挑んだ。とはいえ今年は6月の戸隠以降、一度もトレランをしていない。捻挫などがなければ歩いてでも完走する気ではあったが、そもそも走れるイメージがつかず不安しかない。天気予報はどんどん悪くなり、ほぼ全行程で雨が確定。しかも明け方の雨量予想が酷い。雨が酷くなる前にゴールしたい。

今年の行動食ラインナップ!

<エネルギーと水分>

・エネルギー:持参-2530kcal→ゴール時残500kcalほど 矢張り毎年2000kcalほどで足りるので次回減らしても良いかも(とはいえ何かあった時のことを思うと怖くて削れないのだけれども)

・水分:麦茶1500mlを水250mlで薄めたもの、合計1750ml→月夜見ちょい残し(水分追加するときに残っている量をよく見なかったので詳細は不明)/綾広の滝での追加なし(素通り)、ゴール時残200mlほど。月夜見では水500×2とポカリ×1を貰ってポカリはその場で一気飲み

※水分はほぼジャスト。最低気温6度くらいでこの減り方、今後の参考としたい。会場入り~スタートまでに500mlの水1本消費。

※VESPA HYPERよりTOP SPEEDが良かったという昨年の自分のブログに従い、今年はTOP SPEEDに。やはり正解だった、メンタル・フィジカル共にねばれる強さが出てくると思う

※ジェルのメインにアミノバイタルのパーフェクトエネルギーを初採用。価格的にも安く、しかもアミノ酸2500mgとのことで顆粒のアミノ酸を摂取するよりコスパが良い気がする。若干の酸味がいい。

※レース前は月曜夜から金曜昼まで糖質制限、その後カーボローディング気味としたが土曜昼間から日本酒を飲んでしまった(リラックス効果ということで良しとするw)。美味しそうな牡蠣が売られており食べるか迷ったが、リスクヘッジとしてやめておいた・・・

※レース当日の朝は卵かけご飯(350)、会場ではパン2個(300+400)とウィダーインゼリー(180)
)などで昼1000kcalほど投入。

新規投入のTR10(Sサイズ)。ハイドレーション満タンで背負うとかなりショルダーハーネスがパツパツw
Mサイズにしても良かったかなと思うけれど、水が減ってくるとSでいいなと思う。
すごく悩ましいサイズ感・・・

<服装、装備>

・ヘッドギア:HerenessのFOCUS CAP(チームのロゴ入りオリジナルデザイン)

・上半身:Finetrackのノースリーブドライレイヤー+Patagnia半袖T(製品名忘れたけどチームのロゴ入りオリジナルデザイン)、ORのアームカバー、チャリ用グローブ

・下半身:Patagoniaのメンズのランパン(インナーは切った)、モンベルのパンツ、ドライマックスのソックス、cepのカーフサポーターみたいなやつ(厚手の方、ハセツネ会場で昨年買ったもの)

・ライト:ヘッドライトはBlack Diamondの超古いSPOT 200ルーメン(昨年買ったモンベルのライトは細かく調光できないため、調光可能なBDに戻してみた)、ジェントス閃ハンドライト(325時代のもの、150ルーメン)+黄色フィルター
・ザック:The North FaceのTR10(前ポケットが深くて浅間峠でのジェル入れ替えが発生しなかったのが最大の評価ポイント→後述。但しポケットにベルクロなどがないので落とさないかが心配だった)

・シューズ:Salomon Sense ride 4

・その他:ハイドレーションシステム、エマージェンシーキット(エマージェンシーシートはシンプルな四角い銀シート。寒さ対策でニトリル手袋追加、途中でのトイレを想定してティッシュも数枚持参→結果的にはいずれも使わず。その他基本装備として鎮痛剤、テーピング、コンタクトレンズ予備、手鏡等)、雨具(降雨の確実性と寒さを想定しモンベルのストームクルーザーを上のみ持参→三頭山の登りあたりで着用しそのままゴールまで着たまま)、今年からレギュレーションに加わったココヘリ端末

初参戦の仲間も加わり集合写真

仲間達とはスタート1時間前に受付近くで集合した。今年も昨年同様にエリート枠エントリーというものがあったのだけれど、昨年はスタート時刻が15分くらい違っていたのに対し、今年は一般もエリートも同時スタート。エリートは最前ブロックに並べるというだけだった。それ以外でこれまでと違ったのは、自己申告による予想タイム別に並ぶスタイルではなく、ITRA Performance Index別にブロック分けになっていた点だろうか。今年から、事前に郵送される封筒にそれぞれのブロックが記載されていて、そのブロックのところに並ぶスタイルになっていた。因みに私は一般第2ブロックだったのだが、同じブロックの知り合いは近くに誰もおらず、これまでにないくらい孤独な感じでスタートを待った。

スタートゲートの直線の最後のカーブあたりでスタンバイ。既に雨がぽつぽつ・・・

何を考えていたのかあまり覚えていないが、スタートはかなりナーバスになっていた。スタートゲートをくぐって角を右に曲がるより手前、いつもの位置に仲間が応援で立っていてくれるのがわかっていたので列の右側の方を走る。それを考えて位置取りをしていたというのに走り出したらいきなり意識がすっ飛んでしまい、仲間から声を掛けられてようやくその存在に気付くという始末である。大丈夫なんだろうか。とりあえず淡々とロードを進み、最初の己のコンディションの判断ポイントである上り坂は走り切れた。あと70km!という市長さんか誰かの掛け声に思わず笑いが起きる。

昨年はエリートのウェーブスタートの影響もあってか全然渋滞がなく、己の仕上がり具合とは裏腹な1時間というタイムで入山峠に着いてしまった。今年の自分も去年と似たような(下手したら去年より仕上がりは良くないかもしれない)コンディションと認識していたので、入山峠までは1時間10分を想定する。とはいえ、コンスタントに進みながらの1時間10分想定なので、渋滞して止まることになるとそれはそれで気が焦るものだ。これまで渋滞した記憶がないような辺りから早々に渋滞が始まってしまって焦りつつもなんだかんだで結局1時間10分くらいで着いたので良かったけれど。最近序盤に突っ込むと後半にタイムが落ちがちなのは自覚していたものの、雨足が段々強まることを見越せば序盤突っ込んだ方が良いのかなとも思ったが、それでも入山峠はこのくらいで丁度いいだろう。入山峠到着直前の丁度1時間目あたりで投入したアミノバイタルパーフェクトエネルギーは、下界で味見した時よりずっと美味しく感じた。全部で7本しかないのが残念なくらいだった。


CP1の浅間峠には4時間以内くらいで入りたい。CP1までは死ぬ気でいけ、と諭された時代もあったけれど今年は意識的に温存するよう努める。市道山を過ぎて醍醐丸の登りに差し掛かるとなんだか上の方がやたら騒がしい。と、そこに見えてきたのはこれまでに見たことがないくらい沢山の応援の人!これには驚いた。確かにいつもここは人が多いのだけれど、それにしても多分過去一で人が多かったと思う。序盤での熱い声援に、こちらも思わず目が潤む。特に、女子はそもそも参加人数が少ないし、自分は割と速いところにいるものだから余計に声援がすごいのだ。うわぁ女子!頑張って!!と女性陣がワイワイ盛り上げてくれる。これは本当に嬉しいものだ。いつも仮装したり鳴り物で音出して応援してくださる皆様、本当にありがとうございます(見てるか分からないけれどこの場を借りて御礼w)。

転倒もなく浅間峠に到着すると時刻は17時前、計画通りである。いつもはここで行動食の入れ替え(Start-CP1で食べた物のゴミと、ザック本体に入れてあるCP1-CP2区間用の行動食の詰め替え)を行うのだが、今回はザックがかわって前ポケットのキャパが大きくなったためその作業の必要がなくなったのはちょっと楽だった。スタート時点からCP2月夜見までの行動食がすべて前ポケットに入っているのだ。ポケットが深すぎて、ジェルを取り出すのにガサゴソしてしまったのが若干鬱陶しかったので、次回以降どうするかソリューションは考えたい・・・。
というわけで浅間峠ではストックとヘッドライトを出す作業のみ。
雨は既に降り始めていたが、レインウェアを着るほどかというとそうでもないし寒さよりも暑さが勝りそうだったのでもう少しそのまま進むことにした。例年は必ずここでお手洗いにも行くのだが、今年は7人くらい並んでいたので諦めた。そんなに疲れていなかったし休んでいる時間が勿体無いなと思ったので、3分くらいの滞在で応援にきてくれた仲間に別れを告げて浅間峠を後にする。因みに後続の友人から聞いた話によると、ここのお手洗いは70人待ちとかそんな状態になっていたりしたらしい(いやそんなに待てないだろうよ!)。


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そして今回の大転倒1発目は浅間峠を出発し日原峠までの下りあたりで突然やってきた。何かに足を取られた、と思ったら一瞬にして前方にビッターンとスライディング。

近くの人「大丈夫ですか・・・?

私「ハイ大丈夫そうですが何か落としてないかな・・・」
近くの人「これ違いますか?(ヘッドライト)」
私「!!!ありがとうございます!ありがとうございますっっ!!!!」
(いや本当に有難うございました・・・ヘッドライト無かったら本当に終わってました。)

足を捻挫したわけでもなく、ちょっと首が鞭打ちみたいになった程度だったのでそのまま再び走り出して事無きを得る。そしてその後順調に駒を進めていったけれど、なんだか体感としていつもより周囲が暗く感じて色々とよく見えず、やっとここだとかここからどういうコースだとか考えることも無くひたすら黙々と走っていた。とりあえず登りが始まる前の峠で固形物、たしかそれって西原峠だったよな、とか思いながら走っていたら結構あっという間に西原峠が出てきて、あれ?もう固形物食べていいんだっけ??本当に西原峠でいいんだっけ・・・?とか思いながらとりあえず食欲にまかせてセブンイレブンの黒糖わらびを放り込む。疲れが吹き飛ぶ美味しさ。

今年から制定された自然保護のための歩行区間

三頭山の登りが始まる。少し気温が低くなり始めていたので19時頃からアームカバーを肘くらいまで上げていたのだが、登りの途中くらいで雨が強まってきたこともありレインを着たのだったと思う。ここの登りは思うように登れず、足取りは重かった。ハイペースで登ったり止まったりするくらいならゆっくりでも止まらない方が良いと思ってゆっくりめに登ってみるのだが、それでも呼吸がしんどくなって、立ち止まって息を整えては登る、みたいなことを繰り返していた。あー、だめだな。登れないな。体重落とし切れなかったせいなのか、加齢のせいか、それとも矢張り今年の登山の強度の低さが原因か、疲労が抜けきらなかったのか、後悔ではないけれど何とも言えない内省をぐるぐると繰り返して山頂に到着したのは20時頃。三頭山までの時間のおよそ倍でゴールというのが定説だから、ここまでで7時間かかっているならもしかして14時間オーバーするんじゃなかろうか思ったら結構気持ちがどんよりと曇った。まぁ案の定三頭山山頂は寒くて(例年寒い)、着たタイミングはおおよそ正解だっただろう。今年から制定された歩行区間は早歩きでこなし、あとは走れるだけ走って、水分は僅かに残した状態で月夜見に到着。水の見積りがほぼパーフェクトだったのがせめてもの救いだったか。


後編へ続く

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