2025/06/28

20250627-28_Deep Japan / Uonuma 80k(後編)

前編はこちら

遠い記憶を辿りつつ後半戦。

CP2で沙樹さんから「私達、2位と3位みたいですよ!?」と言われていたのだが、私は「自分達より前に女性ランナーが居た筈だし、その人達を抜かしたとは思えない絶対何かの間違いですよ~~」と答えていた。ぬか喜びしても仕方ない、かといって自分でスマホを出してトラッキングを見るような余裕もないし、見たところで何も変わらない。答え合わせは最後だけでいい。

CP2~CP3 ハーブ香園(20:17)
CP2、二度目の山菜会館にはもうおにぎりは残っておらず、炭水化物はヤマザキの薄皮シリーズと安定の甘酒で補給して先を急いだ。とりあえず飲み干していたハイドレーションに1.8リットルくらいまで多めの水を入れ、500mlのフラスクにポカリスエットを入れたのだったと思うが、よくよく考えるとそこまで水が必要だったのかは疑問だ。沙樹さんとはほぼ同時に出発。遅れをとるわけにはいかない。

ここから先、走ろうと思えば走れるというか所謂頑張りどころというか、歩いたり走ったりを繰り返しながら15kmくらい。
舗装路なので深い山の中というよりは確かに日本の深いところという感じ
まさにDeep Japan... ここで生活している人達がいるんだなぁと田んぼを眺めて思う
手前の山が格好良かったのでパチリ。何山だったのだろうw
私にとって初めてのフルマラソンは奥武蔵グリーンラインチャレンジだったのだが(マラソンの距離だったのでマラソンと思ってエントリーしてしまっただけの、ただの峠走・・・)、その時に某氏に説かれた「少し先に目標を作って『あのガードレールまで!』『あのカーブまで!』と走ったり歩いたりを繰り返す」という作戦を積極的に実践することにした。こんなに延々と舗装路のアップダウンをやらされるレースは久々だったが、こういう時にこそこの気力捻り出し作戦みたいなのが活きてくる気がする。
更に言えば、自分で設定した「少し先の目標」に辿り着いたとしてもそこですぐに歩きに変えず、あと5m、10mでも先まで脚と呼吸が頑張ってくれそうならどうにかして頑張らせる。その5m、10mが積み重なれば数分、数十分の差になる筈だ。そう信じながら、でも頑張りすぎて脚が終わったり潰れたりしないように体を使っていく。かといって、潰れると困るから、というのを言い訳にして自分がサボろうとすることも許さない。自分はプロのアスリートでもフィジカルエリートでもないからその身体と精神のやりとりをギリギリに攻めていくことは出来ないのだけれど、自分にわかる範囲でそれに近いことを何時間も繰り返すことで、少しずつ判断の精度があがっていく感覚はあった。(伝わるだろうか?)苦しいのだけれどもレースが楽しいのはこういうところでもあったりする。
自作のタイム表は13.5/14/15/16時間の4パターンで作成(+関門)。
15時間台なら、他の年のリザルトを見る限りでは5位以内に入れるかもという計算。
(勿論その年に誰が出るかにもよるので一概には言えないけど)
CP3には20:17到着、13.5時間ゴールの想定より40分以上早い。この先失速するか?
山菜会館ではほとんど汁物を口にしていなかったが、CP3の山菜汁はしっかりボウル1杯頂いた。多分、夜になって気温が多少下がり、温かいものを食べたいという欲求が少し出てきたからだと思う。昼間は暑すぎたのだ。山菜汁と一緒に頂いた塩むすびの強めの塩気がそりゃあもう美味しくて、エイドを出発するときにももう1つ持って行った。それからスイカを食べたり水分をがぶがぶ飲んだり、ハイドレーションに補給をしたり、ここのエイドでの滞在時間が一番長かったかもしれない。食べていると沙樹さんとまた一緒になり、それ以外の女性ランナーは誰が100マイルで誰が80kmなのかさっぱりわからず、でも複数名居たような気がする。ここで100マイル選手として出走していたTJAR戦士のI氏とも一緒になった。

CP3~CP4 大岳山頂(23:25)
しっかりエネルギーチャージしたのであとは登りをこなすだけだ。とはいえ、ロードで酷使し続けた脚にはそれなりに疲労が溜まっていた。登山口に着くと守門岳という文字が暗闇に浮かび、いよいよこんな夜中から守門岳に向かうのかよと少しばかりの悪態をつく。浅草岳同様、こちらも再び1000mの登りだが流石に浅草岳の時よりも脚は重く、人と人の間隔も離れているので1人の時間も長い。昼間より涼しいとはいえ湿度もすこぶる高い。汗だか湿気だかなんだかわからないがびしゃびしゃのウェアのまま、私は暗い山の中を黙々と登るだけだ。大岳山頂のCPには特にエイドは無く制限時間もなかったので、何時頃に着くようにみたいな目標や目安があった訳ではないが、最近の自分のレースペースだと500m1時間くらいなので、二口登山口からおよそ1000mを2時間で進めたので想定内という感じ。寧ろレース後半、しかも荷物がそれなりに重い割にはいいペースだったと思う。
途中の抜きつ抜かれつみたいなのとか、笹薮がサワサワして脚が痒いとか、いろいろあったような気もするが日が経ちすぎて細かいところは忘れてしまった。勿体無い。
そこそこ風のある、寒い山頂で待機してくださっていたスタッフさん有難う!
防寒テムレスをしているところに、その寒さが垣間見られる・・・
守門岳の山頂は踏まず、ルートは大岳の方に向かう。私は実はまだ守門岳に行ったことがないので、暗闇ガスガスで1座消費してしまいたくなかったから丁度良かった。折角なら天気の良い時にきちんと行きたい山である。
半袖短パンのまま大岳になだれ込むと、寒くないですかとスタッフさんに声を掛けられる。少しだけ肌寒かったけれど、ここから降りで標高も低くなればまた暑くなるはずだと思って特に何も羽織ることなく山頂を通過した。

CP4~GOAL 入広瀬小学校(25:52)
(夜間かつガスで何の写真もありません・・・)
浅草岳の降りも大概ズルズルだったけれど、大岳の降りは更にズルズルだった。水曜日あたりに結構雨が降っていたらしく、その名残でかなりのドロドロトレイル。前編で書き忘れていたが、かなり早い段階で靴は土に飲み込まれてぐちゃぐちゃになっていたので、渡渉があると逆にそこで沢水に入って靴を綺麗にしつつクールダウンしていた。日中の熱中症対策でもあった。
大岳の降りはどろぐちゃに加えて夜間、そして濃霧という三重苦だ。ライトのフォグフィルターを持参しなかったことが悔やまれた。視界は実に2mといったところか、早く霧のない標高まで降りたいと思うものの、どろぐちゃトレイルのせいで中々ペースは上がらない。右側(北側)には雪渓が残っているところもあって、ガスの白だか雪の白だか一瞬分からなくなりそうだった。こんなところで転びたくないし捻挫したくないので、視界が悪い分すこしペースを落としながら進むことにした。

山を下りてからはもうほとんど舗装路で峠走的な感じなので、またこれかよと思いつつも淡々と進んだ。もう温存することはない、出し切ればいい!と思うものの、出し切れる何かがあるほど実力があるわけでもないのでペースが落ちすぎないように、登りも降りも頑張るしかない。たまに登りもある訳だけれど、そこここで出くわす100マイルの人はまだこの先80km残っているんだものなぁ~~それに比べたら私なんてもうあと数キロで終わりだものなぁ~(よっしゃがんばろ)、といった感じだった。これからまた夜の闇に歩みを進めていく100マイルの戦士達とすれ違うたびに、私は「いってらっしゃい!」と声を掛けた。尊敬の意を込めて。

道路に導かれるままにずんずん標高を下げていくと遠くにぼんやりと明かりが見えてきた。入広瀬小学校だ!ただいま!松永さんが出迎えてくれた。到着してすぐ2位と聞かされた。Finishers Portraitsのブースが設置されているレースに出たのは今回初めてだったが、自分が撮影されてそれを買うなんてことはしない、、、と思っていたので撮影も別にしなくていいと思っていたのだけれど、今回は副賞で無料だよと言われて数枚撮影してもらった。有難いけれど非常にこっ恥ずかしかった。まぁ良い思い出だ。

写真を撮り終えて椅子に座っていたら、ふと精神的に完全に1人きりになったような瞬間が訪れて、自分の周りに緞帳が降りる感じがした。入れるならば3位以内に入りたいなぁって思ってはいたけれど、私3位どころか2位なのかぁ、そう思ったらぐっとこみ上げるものがあって目頭が熱くなった。直後に何かのきっかけで緞帳が上がってしまって泣きはしなかった。

そうこうしている内に沙樹さんもゴール。やっぱりすぐ近くに刺激し合える人が居ると居ないとでは大違いだったと思う。一緒に走れて本当に良かった。ありがとう!
序盤できいた2位と3位らしいっていう情報はガセじゃなかった!
一緒に記念撮影。
その後着替えもせず、1位のみほさんも一緒に3人でエイド食を貪りお腹を満たしてから一旦控室へ。
温泉のオープン時間は10時くらいだったのでゴールしてから長いことお風呂には入れなかった。とりあえず汗拭きシートでひととおり体を拭いて着替えてから控室で仮眠しようとしたのだが、レース後半で投入したカフェインの影響と、2位でゴールできた興奮でまったく眠れない。折角なのでゴールゲートで観戦することにした。これといったボリュームゾーンとかがある訳でもないのでまばらにやってくる選手達をひとりひとり待ちながら、スタート前の準備時間からずっと起きっ放しだという松永さんとひたすらお喋り。先週私が行った餓鬼岳の話なんかもした。
お風呂から戻ると追加でお米が炊かれていて再びご飯を頂くw
魚沼だもの、お米が美味いのよ
表彰式&集合写真
レースに開催場所が魚沼ということで、声を掛けてあったこちら方面の友人と一緒にレース後は慰労キャンプへ。私はといえば寝袋とマットくらいしか持参していかなかったところからこの一式揃えて頂けたのは有難い限り。因みに友人は魚沼ではなく糸魚川の人であった・・・(割とレースの直前に気付いた)。魚しか合ってなかった。
寺泊で海鮮やらなにやら買い出しをしつつキャンプ場へ!
シャトレーゼでケーキも調達。2人で一瞬でぺろりw
ビールに始まり、唎酒師の友人チョイスの日本酒や焼酎とひとしきり飲み、私は途中で眠らないようにお酒を飲み始める前にコーヒーを飲んであったので無事最後まで完走することができた(完走とは・・・)。
翌日は低山ハイクへ。Deep JapanのフィニッシャーTシャツを着て歩いていたら、たまたますれ違った人から「レースのライブ配信も見てました!!」と声を掛けられてびっくり。
角田山へ!海が綺麗
暑かった!
盾が我が家に!
最初に見た時瞬間的にこれ欲しいなと思った檜の盾がひとつ、我が家に嫁いできた。いい香りだ。1位は1st placeじゃなくてChampionって表記になっていたのを見て、あれの方が格好いいなって思ってしまったり、名前が書いてあったらもっといいなぁとか思ってしまったり、欲は深くなる一方なのだけれども、まぁ自分程度の走力で表彰台に上がれただけでもラッキーなので、あまり調子に乗らないように謙虚でありたいと思う。とはいえやっぱり嬉しいものは嬉しい!順位も然ることながら、今回は完走することが目的だったので目的を達成できたのもホッとした。

自分があまり得意ではない林道系の、走れる区間が長いレースでここまで走れたということは素直に嬉しかった。もうそこそこいい歳で、放っておけば日に日に体は衰える一方の筈だけれど、自分は山に登り続けたいから走るのだ。

因みに、何故完走しなければならなかったかについてはまた近いうちに書きます。
そしてもうひとつ、今回入賞は5位までだったのに何故3位以内にちょっと拘っていたかというと、どうやら3位以内だとタイのレースに招待されるらしいんですね。まだ詳細の連絡は貰ってないんですが本当に私はタイに行けるんでしょうか。

乞うご期待!

2025/06/27

20250627-28_Deep Japan / Uonuma 80k(前編)

100mileではなく80kmの方を選択したのは、確実に完走するためだった。
諸事情あって、このレースはどうしても完走しなければならない理由があったのだ。
80kmに出走したことで当然きっちりゴールすることができたし、目標としていた15時間台を大きく下回り14時間かからずにゴールが出来たことで自己肯定感もほんのすこし上がり、自分にとっては良いことしかなかった。レースが終わってからリザルトを見てみると、女子の100mileを完走した人の顔ぶれが凄まじかったので、これは仮に欲を出して100mileに挑戦していたとしても完走できなかっただろうなぁと思った。80kmで良かった。

バリ島でのレースBTR Ultraが終わってから約1ヶ月半。
バリは100kmのレースで、そもそも初めての海外レース、累積標高も7000m超えと少し完走に対して不安のあるレースだったが、それに続く今回のUonumaは80kmで累積標高4000m程と個人的には割と心配の要らないスペックだった。距離と累積でいえばほぼハセツネに近いし、トラブルがなければ完走できるだろうという確信があった。しかしそのせいでコースの分析もろくにせずに当日を迎えてしまい、パッキングは家を出る日の早朝にやるという体たらく。レースは金曜正午スタートだったが、ちょっぴり乗り鉄の私は都内から各駅停車で6時間半かけて前日に会場入りすることにした。ある意味贅沢な木曜昼間の大移動、最初の修業(苦行)は乗り鉄タイムをほぼアルコール無しで過ごすことだった(まじ苦行)。さすがにレース前日に6時間半飲み続けるのはどうかと思ったのでアルコールは控えた。旅の序盤、都心を抜ける前に電車が遅延しはじめてしまって前日受付に間に合わないかと思われたが、どうにか電車も接続してくれて助かった・・・。

受付会場である入広瀬へのアクセス最終章、只見線に乗る前に1時間の待ち。
この時間を利用して、片道15分ほどのコンビニへ買い出しに向かう
1両編成の只見線!
只見線に乗ってようやくビール解禁!そして鉄分補給のレバーw
(今回もまた女子の日とレースが被りました・・・)
ここから徒歩数分で受付会場である入広瀬小学校に到着。
受付は17:00迄だったが、駅に到着したのが16:45くらい。小学校は既に廃校となっているところを借りてスタート/ゴール地点としているようだ
同じ只見線にはアジア系の顔立ちの男性が乗っていた。彼も会場に向かってスーツケースを転がしながら歩いており、会場に着いてから話をしたところ、なんと先日私が出場したBTR Ultraのレースのコースディレクターの方で、今回Deep Japan(100mile)出走のためにわざわざバリから来日したとのことだった。こんな偶然があるのかと驚いた。

レースの受付はレース当日の金曜日でも良かったのだが、折角前日に移動したので余裕をもって前日のうちに受付を済ませ、ゼッケンやら何やらの装着といった厄介ごとを落ち着いた状態で夜のうちに終わらせておきたかった。自分のメンタルを惑わす程の過度な情報は要らないから、ひとりの時間があったのはとても良かった。会場では久しぶりにトモさんに会えたのでどのくらいのタイムが目標なのか等を聞かれて軽く話をした。15時間台くらいかなぁと言ったら、それくらいだろうなぁという顔をされたので、トモさんがそう思うならばきっと私の予想は強ち間違ってはいないのだろうなと思い、改めて15時間台(あわよくば15時間以内)というのを目標に掲げた。私は最近ハセツネで13時間半くらいかかっているから、それより距離が10km弱多くて累積標高は500mくらい少なく、私が苦手とするロードが長いともなれば15時間前後だろうなぁというのが目標タイムの根拠でもある。

物販は協賛のGoldwinメインであまり店舗数はなく、ブラブラ会場を楽しむには小規模だったのであっという間に見終わってしまった。特にあてもなく歩いていると、丁度メインステージのようなところの脇で上位入賞者のための木製の盾が並べられていた。よく写真で見かける、UTMFで入賞すると貰えるような感じの盾だった。(そもそもこれは盾と呼ぶのか、木製のトロフィーと呼ぶのか、よくわからないけれども。)

嗚呼、私、これ欲しいな!シンプルにそう思ったら入賞のイメージが一気に強くなった。負けそうになったらこの盾の姿形を脳内で反芻すれば力になると思った。こんなの家にいっぱいある人にとっては邪魔なものかもしれないけれど、持っていない人にとってはちょっと魅力的なんだよな。
実際に近くで見るとものすごく魅力的に見えるものだな・・・
会場近くには地元のAコープというスーパーがあり、その存在は事前に調べてあったのだけれど、どんなラインナップかわからなかったので小出駅の乗り継ぎの時にひととおりの夕飯と晩酌用おつまみと翌朝のご飯は調達してあった。予想は的中、Aコープはそこまでお惣菜やらご飯やらといったものが売られていなかったので小出で買い出ししておいて正解だった。Aコープではアルコールだけ調達し、会場内で最適と思われる場所を見つけてソロで晩酌。今回宿は取らずに近くの道の駅でステビしようかと思っていたのだが、控室が夜間も解放されていて泊まっても良いとのことだったので遠慮なく女子控室(音楽室)で眠らせていただくことにした。ほぼほぼ貸切w最高。
セブンのつくねセットみたいなやつとレモンサワーで晩酌。
控室は飲食禁止と書かれていたので、小学校敷地内のプール跡地にて。エモい!
夕焼け鑑賞会
信号が近い
音楽室で就寝。右奥に2人くらいスタッフの方が眠りにきただけであとは私1人だった。
廃小学校の音楽室で眠るという体験もなかなかできるものじゃないので、これはこれで楽しい。人も少なく普通に朝まで爆睡。

6/27(Fri)12:00 Start
寝泊りしていた音楽室からスタートゲートまで徒歩1分以内というあり得ない状況で、20:00~8:00くらいまで1度くらいしか目覚めることなく爆睡。9時頃に一通りの炭水化物をブチ込み、テーピングや水など最後の準備を整えてまずは100mileの選手達のスタートを11:00に見届ける。
米粒の形をした魚沼のゆるキャラ「うおぬまっち」と記念撮影w
手の形も米みたいな形をしてる、脚が短くてうまく歩けない愛すべきキャラw
福田六花先生(医者)によるライブw(カテゴリー毎に毎回ライブしていたぽい)
Deep Japanのために作られたオリジナルテーマソングの披露、やたらサビが耳に残る・・・
そしてレース主催の松永紘明氏が語り(ラップ?w)部分を担当w
個人的に全く想定していなかった熱血レースでちょっと面白いw
自分は何のために生きるのか?自分探しの旅へ出よう、みたいなクソ熱いラップを聴きながら、80kmでも160kmでも30kmでも別にそこまでの意味はねぇよと思いつつテーマソングを聞き流す。いやこれが自分にとって初めての距離だったとしても、そんなに走りながら自問自答みたいなことはしないと思うのよ。別にいいけどw

このレースの特徴は大きな登りが2度あること(100mileはさらにもう1回ある)、そしてロードが長いこと、必携装備が多いことが挙げられる。そして浅草岳、守門岳という雪深いエリアを通過するため、場合によっては軽アイゼン等を含む「残雪セット」や、フリースやダウンを含む「低温セット」という2パターンの必携装備追加が言い渡されることがある。今回いずれのセットも除外になったので一番軽い装備で出走できた筈なのだが、それでも中間着や脚を完全に覆えるタイツ、防水防寒手袋など、他のレースではあまり見ないような装備の携行を強いられるため、装備品の選定が勝負を分けることになる場合があると言ってもいいだろう。ウォーターストレージも2L以上必携のため、今回は久しぶりにフラスクではなく2Lのハイドレーションをメインに、+αで500mlフラスクとした。
ロードが長いのは、標高図を見てなんとなく感じてはいたものの、6-7割ロードだとかいう話を聞いたのはレース当日の朝だった(実際何割がロードだったのかは分からないが)。走るしかない・走らない理由が無い、というか走れないのは練習不足だよねみたいなのを突き付けられる林道がずっと続くということは、まぁ、そういうことだ(察し)。これほどロードが多いとなると、きっちりロードを走れるかどうかでタイムは大きく変わってくる。
西側から始まりまずは東の浅草岳の登りをこなす。その後往路と同じポイントを経由したりしつつ西に戻り、大岳(守門岳)を登って小学校に戻る。

Start~CP1 山菜会館(13:15)
最初のエイドはスタートから9kmほど。スタート時の水は2Lのハイドレーションを満タンにはせず1L程とし、1度目の山菜会館で水を補給してから浅草岳に取り付く作戦とした。ちょこちょこトレイルに入るけれど基本的にはロードの9km、天気予報では小雨が降る中でのスタート→次第に雨が上がってその後は曇り、ということだったがスタート時も雨は降らずずっと曇天だった。日差しがあったらもっともっと暑くなっていただろうから曇り空でとても助かった。とはいえ湿度が凄まじく、夜間にガスが出るのではないかと不安がよぎる。持ってくるつもりでいたハンドライトとフォグフィルターのセットを忘れたことにここで気が付いた。時すでに遅し。

緩やかな傾斜のロードの登り、こういうところを走り切っていく人は強い。私は休んだり走ったり、走ったり休んだりを繰り返しながら、でも止まったり極端にペースの遅い歩きにならないように気を付けてずっと進み続けるようにした。登りのロードで女性ランナー2名ほどに抜かれたのを覚えていて、最低でももう3位(もしかしたら更に前にも何人か居るかもしれない)、女子選手が少ないとはいえなかなか女子総合で入賞するというのはハードルが高いことだなぁとぼんやり思っていた。最初は「あわよくば3位以内」と思っていたものが、あっという間に「5位までに入れれば盾貰えるし・・・」になり、そのうち「15時間台という個人的な目標さえ達成できれば、、、。順位っていうのは結果についてくるものであって、、、云々」と下方修正を繰り返した。たかだか10kmでそこまで下がってゆく目標、なんと自分に甘いことか!

体から湯気が出るくらい火照った状態で1時間15分で辿り着いたCP1山菜会館。エイド食も楽しみのひとつではあるものの、私はついつい食べ過ぎてエイドで長居しがちなので、今回はできるだけエイドでの滞在時間を短くして順位を落とさずに、より良いタイムでゴールすることを目標とした。ここのエイドでは豚汁を少しとおにぎり、甘酒、ヤマザキの薄皮シリーズのあんぱんとピーナッツパン(だったかな?)あたりを頂き、ジェルを1本頂き、水を2L満タンに積んで出発。甘酒が兎に角めちゃくちゃ美味しくて、小さめのコップに何杯お代わりしたかわからない。後で聞いた話によると、地元でお米を作っている農家の方が甘酒にして販売しているもので、赤米の甘酒はまだ発売しておらず、今回のレースでしか飲めないものだったらしい。農家の方自らレースに甘酒を提供したいと申し出てくれたのだそう。ピッチャーの中の甘酒は半分凍っていてほぼフラペチーノ、火照った身体のクールダウンに最適だった。甘さも丁度良くて7-8杯はお代わりしたかも。美味しい美味しいといって補給はほぼこれに頼っていた気がする。
お世話になった甘酒!
タイムを見ると、1~3位の女子は多分同じ時刻にここに居たと思われ、記憶を辿っても多分女性を見かけた気がする。そうなってくると矢張り気を遣うのがエイドの滞在時間をどれだけ切り詰めるかだ。熱いヌードルや豚汁に時間を費やしている暇はない。80kmの人はもうここには戻ってこないよー、とエイドのおばちゃんに言われて、えっそうなの??と思う程度にはコースを把握していなかった。実際は浅草岳が終わったらここに戻って来る(流石にマップやタイム表を作って持参していたというのに、焦りすぎて認識が酷い)。
去り際に1枚パチリ

 CP1~CP2 山菜会館ふたたび(17:55)
(ここまではレース後割とすぐに書いたので記憶が新しいのですが、この先は少し時間があいてしまったので記憶が大分薄れていますスミマセン)
肝心の浅草岳の記憶が薄れているのが本当に悔しいのだけれど、まぁ天気は悪くてガスで景色もなく、ヒメサユリが見られたことだけが救いだった。水2Lはやっぱり重い。でも登りは正直得意な方なのでそこまで辛かった記憶はなく、しかもまだ一度目の登りなのでぐいぐいいけたような気がする。寧ろ疲労の溜まった状態で臨んだ2つ目の大岳の登りの方がキツかった。
真っ白w
一昨年くらいに同じような時期に浅草岳に行った時、諸事情で見られなかったヒメサユリ、
今回はお目にかかれて光栄でした!
ようやく降り。雪渓ちらほら。
やっぱりブログはすぐ書くに越したことはないな。。。途中まで書いていたのでやめるわけにもいかず惰性で続けているものの、こんなに鮮度の落ちた文章に何の価値があるのだろうかと思ったりもしている・・・。
浅草岳を終えて再び山菜会館へ。
途中この辺りだったかもう少し手前だったか記憶が怪しいのだけれど、1時間前にスタートした100mileに出走した友人に出くわす。温存しているであろう長距離の人達より80kmの選手の方がスピードがあるとはいえ、これは自分は突っ込みすぎなのではないかと不安がよぎる。いくら彼らを抜かすにしたってこのタイミングは早すぎないだろうか。
浅草岳の登りで前後した沙樹さんとは、下山後のロードは一緒に走っていたのだったと思う。一緒に喋りながら走れたことで気が紛れたよね!というような話もした。思ったより長い長いロード。
CP2とCP3の沙樹さんとわたしの到着時刻はほぼ同じ。

一旦本編から離れて補給と装備系まとめ

<エネルギーと水分>

・エネルギー:レギュレーションで800kcalとあったので800~1000kcalほど持参。250kcalほど残して他は消費。ジェル・黒みつ・アミノバイタル顆粒・羊羹など。セブンイレブンの宇治抹茶わらびも持参したが、食べたい時にザックのポケットの奥の方に入ってしまって取りだせず、ゴール後に食べた。途中、エイドに置いてあったジェルは2本ほど貰って食べた。

・水分:2Lのウォーターストレージがレギュレーションだったので久々にハイドレーションを持参。ハイドレ2L+インナーファクトのフラスク500ml→スタート時1L程、その後浅草岳前と後では2Lフルチャージ。その他必要に応じて500mlにはスポドリを入れるなどして味変。ハイドレはずっと水。


<服装、装備>

・ヘッドギア:HerenessのFOCUS CAP(チームのロゴ入りオリジナルデザイン)

・上半身:Finetrackのノースリーブドライレイヤー+Patagonia半袖T(どこかのレース会場で買ったもの)、ORのアームスリーブ(一度も伸ばさず手首につけたまま終わった)、チャリ用指切りグローブ

・下半身:知り合いがカモシカの刺繍を入れて販売してくれているバギーズショーツみたいな感じの短パン(3000円くらいの)、CW-Xのボディバランスアップスパッツ・ショート(BCY101)、ドライマックスのソックス
・ライト:レッドレンザーH8R(メイン)+モンベルマルチパワーヘッドランプ(予備)

・ザック:Black DiamondのDistance15(必携装備が多く、TR10には収まらなかった為)

・シューズ:HOKAのTorrent4

・その他(必携装備等):エマージェンシーキット、雨具(ORのヘリウム2ジャケット+モンベルのストームクルーザー下、一度も着ず)、ココヘリ端末、MilestonesのCloud Hoody(ミッドレイヤー必携のため持参したがこれも着ず)、ヘッドライト予備電池(レッドレンザー用とモンベル用といずれも)、モバイルバッテリー(Ankerの10000mAh)+ケーブル、ヘリテイジのULトレイルポール、ワークマンのメリノグローブ、アクシーズクインの防水グローブ、ティッシュ&ビニール袋、生理用品、モンベル熊鈴(小)、Fold-a-cup(マイカップ必携のため)、手拭い、スノーピーク極カップ+100均カトラリー(推奨装備だったが一度も使わず)

後編へつづく