前編はこちら
遠い記憶を辿りつつ後半戦。
CP2~CP3 ハーブ香園(20:17)
ここから先、走ろうと思えば走れるというか所謂頑張りどころというか、歩いたり走ったりを繰り返しながら15kmくらい。
舗装路なので深い山の中というよりは確かに日本の深いところという感じ まさにDeep Japan... ここで生活している人達がいるんだなぁと田んぼを眺めて思う |
手前の山が格好良かったのでパチリ。何山だったのだろうw |
更に言えば、自分で設定した「少し先の目標」に辿り着いたとしてもそこですぐに歩きに変えず、あと5m、10mでも先まで脚と呼吸が頑張ってくれそうならどうにかして頑張らせる。その5m、10mが積み重なれば数分、数十分の差になる筈だ。そう信じながら、でも頑張りすぎて脚が終わったり潰れたりしないように体を使っていく。かといって、潰れると困るから、というのを言い訳にして自分がサボろうとすることも許さない。自分はプロのアスリートでもフィジカルエリートでもないからその身体と精神のやりとりをギリギリに攻めていくことは出来ないのだけれど、自分にわかる範囲でそれに近いことを何時間も繰り返すことで、少しずつ判断の精度があがっていく感覚はあった。(伝わるだろうか?)苦しいのだけれどもレースが楽しいのはこういうところでもあったりする。
自作のタイム表は13.5/14/15/16時間の4パターンで作成(+関門)。 15時間台なら、他の年のリザルトを見る限りでは5位以内に入れるかもという計算。 (勿論その年に誰が出るかにもよるので一概には言えないけど) CP3には20:17到着、13.5時間ゴールの想定より40分以上早い。この先失速するか? |
そこそこ風のある、寒い山頂で待機してくださっていたスタッフさん有難う! 防寒テムレスをしているところに、その寒さが垣間見られる・・・ |
浅草岳の降りも大概ズルズルだったけれど、大岳の降りは更にズルズルだった。水曜日あたりに結構雨が降っていたらしく、その名残でかなりのドロドロトレイル。前編で書き忘れていたが、かなり早い段階で靴は土に飲み込まれてぐちゃぐちゃになっていたので、渡渉があると逆にそこで沢水に入って靴を綺麗にしつつクールダウンしていた。日中の熱中症対策でもあった。
大岳の降りはどろぐちゃに加えて夜間、そして濃霧という三重苦だ。ライトのフォグフィルターを持参しなかったことが悔やまれた。視界は実に2mといったところか、早く霧のない標高まで降りたいと思うものの、どろぐちゃトレイルのせいで中々ペースは上がらない。右側(北側)には雪渓が残っているところもあって、ガスの白だか雪の白だか一瞬分からなくなりそうだった。こんなところで転びたくないし捻挫したくないので、視界が悪い分すこしペースを落としながら進むことにした。
山を下りてからはもうほとんど舗装路で峠走的な感じなので、またこれかよと思いつつも淡々と進んだ。もう温存することはない、出し切ればいい!と思うものの、出し切れる何かがあるほど実力があるわけでもないのでペースが落ちすぎないように、登りも降りも頑張るしかない。たまに登りもある訳だけれど、そこここで出くわす100マイルの人はまだこの先80km残っているんだものなぁ~~それに比べたら私なんてもうあと数キロで終わりだものなぁ~(よっしゃがんばろ)、といった感じだった。これからまた夜の闇に歩みを進めていく100マイルの戦士達とすれ違うたびに、私は「いってらっしゃい!」と声を掛けた。尊敬の意を込めて。
道路に導かれるままにずんずん標高を下げていくと遠くにぼんやりと明かりが見えてきた。入広瀬小学校だ!ただいま!松永さんが出迎えてくれた。到着してすぐ2位と聞かされた。Finishers Portraitsのブースが設置されているレースに出たのは今回初めてだったが、自分が撮影されてそれを買うなんてことはしない、、、と思っていたので撮影も別にしなくていいと思っていたのだけれど、今回は副賞で無料だよと言われて数枚撮影してもらった。有難いけれど非常にこっ恥ずかしかった。まぁ良い思い出だ。
写真を撮り終えて椅子に座っていたら、ふと精神的に完全に1人きりになったような瞬間が訪れて、自分の周りに緞帳が降りる感じがした。入れるならば3位以内に入りたいなぁって思ってはいたけれど、私3位どころか2位なのかぁ、そう思ったらぐっとこみ上げるものがあって目頭が熱くなった。直後に何かのきっかけで緞帳が上がってしまって泣きはしなかった。
そうこうしている内に沙樹さんもゴール。やっぱりすぐ近くに刺激し合える人が居ると居ないとでは大違いだったと思う。一緒に走れて本当に良かった。ありがとう!
序盤できいた2位と3位らしいっていう情報はガセじゃなかった! 一緒に記念撮影。 |
お風呂から戻ると追加でお米が炊かれていて再びご飯を頂くw 魚沼だもの、お米が美味いのよ |
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表彰式&集合写真 |
寺泊で海鮮やらなにやら買い出しをしつつキャンプ場へ! |
シャトレーゼでケーキも調達。2人で一瞬でぺろりw |
翌日は低山ハイクへ。Deep JapanのフィニッシャーTシャツを着て歩いていたら、たまたますれ違った人から「レースのライブ配信も見てました!!」と声を掛けられてびっくり。
角田山へ!海が綺麗 |
暑かった! |
盾が我が家に! |
因みに、何故完走しなければならなかったかについてはまた近いうちに書きます。
そしてもうひとつ、今回入賞は5位までだったのに何故3位以内にちょっと拘っていたかというと、どうやら3位以内だとタイのレースに招待されるらしいんですね。まだ詳細の連絡は貰ってないんですが本当に私はタイに行けるんでしょうか。
乞うご期待!