2018/09/14

20180913-18_朝日連峰-飯豊連峰(2日目:天狗小屋-大朝日小屋)

2018/09/14 (Fri)
6:20 天狗小屋
↓ - 4:00
10:20 狐穴小屋
 - 0:35
10:55 北寒江山
 - 0:25
11:20 寒江山
 - 1:15
12:35 竜門山
 - 1:40
13:20 西朝日岳
 - 1:00
14:40(頃?) 大朝日小屋

*****

アラームの音で目を覚ますと外はまだ暴風雨だった。夜中から続いている風と雨は朝もなお続いていて、少し残念なような、でもまだ眠っていてもいいんだという嬉しいようなふわふわした気持ちのまま二度寝に入る。うとうとしていると外が少し明るく、静かになってきたことに気付いてようやくシュラフを出たのが5:30過ぎだったか。ご飯を食べてから雨が止むのを待った方が良いと頭ではわかっているのに、ついつい睡眠欲に負けてしまうんだよなぁ。雨が止んでから起き出してご飯を食べるものだから、相変わらず出発時刻は後ろ倒しになる。学習しない・・・
雲は重いがそこまで厚くはない
ようやく視界の開けた稜線に出ると、美しい山並みと幻想的な雲が!
(視界がひらけたのも束の間、この直後再び草木に視界を阻まれる)
なんとなく、ずっと尾根歩きで景色が良いようなトレイルを想像していたのだが、実際歩いて見ると天狗小屋から狐穴小屋までのルートは細かいアップダウンの多いトラバース道ばかりで、そこまで景色が良いわけでもなかった。本来縦走ルートとしてメジャーなのはおそらく私の選んだルートではなくて、車で大鳥登山口まで入り、以東岳を経由して歩くルートなのだろう。隣りからその尾根を眺めてみて、きっと向こうの尾根の方が景色も綺麗で歩きやすいのだろうなぁと思った。こちらは木々がその深緑色で地面を隠そうとしているかのようにもこもこしているのに対し、向こうは薄緑色の草木と白砂の地面が美しい模様を爽やかに描いていた。東北のたおやかな稜線を歩く、筈だったのに、キツイキツイと息を上げながら草いきれの中を歩いている私が、滝のような汗をかきながらものすごい勢いで水を飲み続ける。なんだろうこれは・・・
道幅がたまにとても細かったりして、しかも谷側傾いている・・・

そしてようやく!いわゆる稜線歩きに突入。そう、こういうのを待ってたんですよ・・・出てくるの遅くないか。
狐穴小屋が見えてきた。小屋の目の前にホースがあり、ドバドバと水が出ている。
小屋に着く前にも清水が流れていてそこでも水は飲めるが、小屋前の水場がかなりしっかりしているので
そこで汲んだ方が時間短縮に。
狐穴小屋では40-50代くらいのソロの女性と出くわして暫し談笑。どこぞの登山口に車を停めていらっしゃるとかで、その車で移動しながら一週間ほどの夏休みであちこち登っているとのことだった。私にとって、夏休みの遠征の間に一度ひとつめの山域から下山してまた別の山域に入る、という今回のスケジュールは新たな試みに近いものだったのだけれど、車の人にとっては結構普通のことなのだろうなと思った。車があれば不要な荷物や着替えなんかも車に置いていけるし荷物も都度軽くできる。でも私は公共交通機関利用なのでとにかくもう全部、着替えも、朝日連峰では一度も使わないテントも、食料も6日分全部担いでいるのだ(食料に関しては一旦下山したときに買えば良いとも思ったが、買う店がないとか、店が閉まっているとか、色々なリスクを考えて全部事前に用意しておいた)。車の人にとっては何てことのない計画だったとしても、全部公共交通機関でやるとなると結構大変なのだ。見ず知らずの人にそれを説明して理解してもらったところで何という訳でもないが、計画がとても大変だったという話を、それはもうしつこいくらいに聞いてもらった。(因みに朝日連峰から飯豊連峰に移動するときの電車とバスの乗り継ぎ計画が実に大変で、事前に何度もシミュレーションした。)

小屋を出発して途中までは私も彼女と同じルートだったが、ペースが異なるため抜かせてもらい、寒江山を登り切る頃までに彼女の姿は見えなくなった。
振り返って(かな?)
しばらく美しい景色を眺めることができたのでまぁ良かったが、途中から矢張り予報通り天気が怪しくなってきてしまった。そもそもあまり良い予報でないのはわかっていたから、日中に雨に降られず景色を見ながら歩けただけでもかなりラッキーだったなとは思った。竜門小屋に到着すると水場で顔を洗い手拭いで首を拭き、ガスの中ながらも気持ちをリセット。まだお昼くらいだったが、天候悪化も手伝って早々に小屋に吸い込まれていく人も数名いた。

大朝日岳は百名山でもあるので、比較的短いルートを利用して上がってきて、ピストンだけして帰っていく人も多いらしい。そのため大朝日小屋は混雑することもあるようなのだが、竜門小屋はまず混雑しないそうだ。
竜門小屋。もうどこの小屋もとても綺麗。
雪深い東北の過酷な環境で、こんなにどれもこれも小屋が綺麗なのは本当にすごい。

その後もガスが切れたり、再びガスがかかったりを繰り返した
小屋より手前の金玉水(きんぎょくすい・・)という水場で水を調達して小屋へ。のちに聞いた話によると、小朝日岳方面にある銀玉水の方が美味しいらしい。私のルートだとそこは通過しないため、自ずと金玉水を選ぶことになるのだが。

小屋番さんが私の荷物を持って、よーくこれ担いでそのルート歩いてきたねーお疲れ様、といって招き入れてくれる。宿泊手続きの後、小屋利用についての注意点等を説明されたのちに二階の長方形の一区画を使うよう言われた。ご飯の提供がないため宿泊者のほぼ全員が自炊なのだが、ストーブ使用の際に下に敷くアルミの板はたくさん用意してあった。炊事以外にも、冷たい水の入ったボトルを置く時(ボトルが汗をかいて床が濡れる時)などもその板の上に置くよう言われた。床を濡らさない、傷めないための細やかな工夫あってこその美しく清潔な小屋なのだろう。普通の避難小屋や営業小屋の炊事場もアルミ板が設置されているところはあるけれど、2-3人で1枚使えるくらいの数を用意してあるのはすごいと思った。そして登山者それぞれに対して時間をかけて細かく説明をする労力を考えると本当に頭が下がる。

ガスってしまって、もう山頂に行っても何も見えないのは分かっていたが、それでも明日の天気よりは今日の方がマシだろうと思ってとりあえず登ってみる(一度目)。
15:10頃。ガス。それでもたまに尾根筋が見え隠れしたり・・・9割何も見えない
小屋に戻って外のテーブルでちびちび飲み始めると空が明るくなってきたので急いで山頂へ(二度目)。取るものも取らずに登ったのでiPhoneも持たず、足元は小屋のサンダル(便所サンダル)。テーブルには飲みかけのウィスキー水割りも放置したまま・・・
でもやっぱり雲が多くてよく見えない。16:20頃
諦め切れない私と、同じく諦め切れずにしつこく山頂にとどまるソロ男性2人でしばらく待機。見えたり、隠れたり、、、
同じく16:20頃
そして10分ちょっと粘って時刻は16:30頃、翌日は午前中ずっと雨だという予報にも関わらず、青空が現れた。そして、写真にうまく写せているものは残念ながらほとんど無かったけれど佐渡島も見えた。こんなに山の中にいると忘れてしまうけれど、海が見える場所にいるんだよなぁ。
さらに追加で10分ほど留まって、16:40頃
日の入りまではまだ時間があるので、一旦小屋に戻って腹ごしらえ。夏の遠征は期間も長く荷物が重くなる上にナマモノは傷むおそれもあるため、食料計画は基本的にフリーズドライの炭水化物(montbellのリゾッタ、カレーメシ、カモシカスポーツの山飯など)がメイン、それに汁物や卵(前半で消費)などを加えたシンプルなものだ。だからご飯を作ると言ってもお湯を沸かして注ぐぐらいですぐにできてしまう。それにひきかえ周りはほとんど一泊二日だから重い食料を担いで登ってきた人が多く、ご飯が豪華だった。そもそも朝日連峰を6日間も歩く人はいないし、食料6日分担がなければならず一食の重量を軽くしなければならないような人というのも私ぐらいしか居ない。
一緒に山頂で粘っていた2人。黄色い人はこの後下味をつけてきた鶏肉とがんもどきと大根で煮物を
作り出した。山で煮物って初めて見たw
黄色い人の左手のあたりに置いてあるフライパンに乗っているのが、切ったばかりの大根
(かつらむきを終えたところ)。お裾分けありがとうございました!美味しかったです。
しかも、山行二日目にして結構飲んでしまっていた私のボトルを見かねて、
ウィスキーを追加してくださいました。。。
結局小屋はキャパ27名のところ21名ほどが宿泊したようだった。多分15人近くの人と交流したような気がする。営業小屋に泊まることはほとんど無いから、こういった形で夜までわいわいやるのは新鮮だった。そして最後に再び山頂へ(三度目)。
なんだかんだ矢張り雲が多かったので星はそこまで綺麗に見えなかったけれど海には漁火が見えていて、それがまるで水平線に沈もうとしている大きな星の光のようにも見えた。

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