【4日目】
大石ダム-東俣コース-朳差小屋-頼母木小屋
【5日目】
頼母木小屋-門内岳-梅花皮小屋-御西小屋-飯豊山-本山小屋
【6日目】
本山小屋-切合小屋-疣岩山分岐-松平峠-祓川山荘-弥平四郎-(バス・電車移動で)
2018/09/16 (Sun)
6:10 大石ダム管理棟
↓ - 0:30
6:40 東俣彫刻公園ゲート
6:40 東俣彫刻公園ゲート
↓ - 1:10
7:50 林道終点
11:07 千本峰7:50 林道終点
↓ - 2:00
9:50 カモス峰
9:50 カモス峰
↓ - 1:17
↓ - 1:08
12:15 前朳差岳
12:15 前朳差岳
↓ - 0:45
13:00 朳差岳
13:00 朳差岳
↓ - 1:08
14:08 大石山
↓ - 0:40
14:48 頼母木小屋
心優しい2人組のお陰で大石ダムの管理棟まで歩かずに済んだというのに、寝心地が良過ぎて若干の朝寝坊。実は管理棟の先まで車で入れるのだが、「暗くて細い道の運転は怖いからここまででいい?」と言われたので管理棟脇泊となった。朝はここから林道歩きが1時間半ほど。この日も午前中は雨予報だったが、林道以外は樹林帯歩きでそれほど景色の見えるところもないだろうし雨でもいいやと思っていたが、起きてみるとまさかの曇り空、むしろ雲多めの晴れ。天気がずれ込んでいるのだとしたら嫌だな、明日は稜線だから晴れて欲しいのにまさか明日が雨なのか?
実は今回、ギリギリまで西俣の大熊尾根という破線ルートを歩こうとして計画していた。しかし直前に人から「そっちは藪漕ぎで今立入禁止になっているはず」と言われて調べてみてあっさりと東俣コース(権内尾根)に切り替えたのだった。膝の調子はそこまで悪くもないから後半戦も大丈夫だろうと思って飯豊連峰へ入ってきたものの、全く痛みがないと言うわけでもなかったので、この状態でハードな東北の藪を登るのは厳しいだろうという判断だ。しかも天気予報は悪いし、タフな藪漕ぎに耐えるような分厚いシェルを持ってきている訳でもなかった。スタート地点は西俣も東俣もいずれにせよ大石ダムで、しかも東俣の方が早く稜線に着くことがわかっていたし、東俣へのルートの変更はまったく苦でなかった。どうしても西俣コースに行きたければ、いつか本腰入れて西俣メインで行けばいい。何かのついでに入るというような心づもりだと殺られる、それくらい西俣は過酷そうだった。
とはいえ、東俣に切り替えたからといって東俣がラクだったかというとまったくそんなことは無かった。東俣でもこんなにキツイのだから、西俣をやめておいて本当に良かったとさえ思った。なんせ登りの角度が急で凄い。この夏休みが始まる前の三週間、膝のことや天候のことなどが重なって山に行っていなかったということもあり、今の自分にはかなり堪えた。水の消費も激しい。沢を離れて急登が始まってから最初の1時間、距離はたったの1kmで標高差500mほど上がり、その後もぐいぐいと標高をあげていく。
そして雨は降らない。今日なんか雨だって構わないのになぁなんて思って登り始めたけれど、このキツい登りをゼーゼー歩きながら、雨じゃ無くて良かったと心から思った。。。こんなの雨だったら本当に修行でしかない。
ダムの標高が200mくらいで、今日の最高峰朳差岳は1634mだから、まぁそういうことだ。
ようやく稜線歩きらしい感じになってほっと一息。天気は悪化してきて、折角のこのタイミングで真っ白に。そりゃないだろうよ・・・ご褒美をくださいご褒美を・・・
それでも完全に真っ白ではないから、太陽ガンバ!!私も頑張ってるから太陽もガンバ!!なんて独り言を言いながら進む。チラ見せ感がすごい。チラ見せしかない。
たまぁに見える稜線の姿に歓声をあげながら進んでいく。えぶりさし、って山の名前はずっと前から気になっていて、やっと来られたというのにこんなにチラ見せしかしてくれないの!?でもこんなに少ししか見せてくれないなんて余計に気になるじゃないの!と思いながら太陽を応援する。きっと私が頑張って登れば太陽も頑張って雲をどこかへ消してくれる・・・はず。
うまいタイミングで写真は撮れなかったけれど、朳差の山頂では一瞬だけ晴れ間を見せて貰うことができた。たくさん山に行っているけれど、こういうピンポイントなタイミングですぅっと晴れ間が現れる時はいつだって鳥肌が立って涙が出る。そういう瞬間に網膜に焼き付いた景色は最高に美しい。私なんかではそれを写真で捉えることはできない。
山頂を過ぎると、元々行こうとしていた西俣コースの分岐に着いた。嗚呼、これはあかんやつや。足元の踏み跡の有無までは確認しなかったけれど、まぁ完全に藪漕ぎ。天気がよくない時は絶対に避けるべき。突っ込まなくて良かった。
東俣コースに切り替えたことで時間に余裕ができ、朳差小屋到着は13時と早め。次の頼母木小屋まで、なんとか雨降るまでに歩ききれるかなぁ。
大気は不安定で、雲はダイナミックに流れてその影が山肌を流れていた。青空だと思った次の瞬間にはあたり一面真っ白になる。しかし、朝日連峰にいた時からそうだったのだが、今回の山行では絶望的致命的な天気の悪化がないような気がしてならなかった。理由はわからないけれど予報はいつだって外れて毎日良い方に倒れ続けていて、毎日夕方から夜にかけての空の様子を見るにつけ、「ほんとうに明日そんなに天気悪くなるのかな?」と思っているとやっぱりそんなに天気は悪くならないのだった。勿論、あーこのあと絶対降るな、という瞬間もたくさんあって、そういう時は降るのだけれど、それが日中ずっと続くとかそういうものではないのだ。
頼母木小屋が近付いてきた。あー疲れた、やっと休める!まだ時間的には歩けるけれど、自分がもう歩きたくないし、別にそこまで頑張らなくてもいい。小屋の手前を歩いていると、左前方に見えてきた尾根(下の写真の右側の尾根)があまりにも綺麗だったので見とれること暫し。
もし私が見ている尾根が地図上のこの尾根であるなら、あー山道はないんだな、きっと藪かな、とか考えながら眺める。しかし見事なまでに一定してしかも緩やかな傾斜、写真だとうまく伝わらないけれど、写真に写っているののさらに倍ぐらいの距離で同じ傾斜が続いているのだ。歩いてみたいけれどきっと人が歩けない、野生動物達だけのための尾根かもしれないというロマン。まぁ普通に人が歩いているかもしれないけれどもw
到着した頼母木小屋には人の姿と洗濯物(こんなガスで乾くのかというツッコミはさておき)。小屋には小屋番さんを含め男性5人がいた。何やら全員ひとつのパーティーかと見紛うほど和やかな雰囲気の中に突撃すると、なにやら水場の方から舞茸がどうだ、舞茸どうする、舞茸舞茸という言葉がやたら聞こえてくる。舞茸あるんですか?
天然舞茸はすごく香りが良くて、市販の舞茸なんかとは比べ物にならないという話は何年も前からキノコ仲間に聞かされてきたが、実際にはまだ見たことがなかった。まさかこんな東北の山の中でお目にかかることになろうとは!!思わず、嗅がせてくださいと申し出て舞茸に鼻をうずめる。ふがぁ、いい香りだ。ていうかこれからこの舞茸をどうするんだ?まさか、食べさせてくれるんじゃないだろうな(期待)?
舞茸の処理をしているうちに雨が本降りになってきた。間一髪、というほどではないにしろ、雨がやってくる前に小屋に入れてラッキーだった。
それにしても、予約もなくやってきたのに天然舞茸を食べさせて貰えるだなんて、偶然とはいえ、ますます東北の「小屋」文化とシステムがわからなくなってくる。避難小屋なのか営業小屋なのか、まぁその中間なのだろうけれど缶ビールは売られているし、小屋番さんがガスコンロを持ってきて、沸かしたお湯をポットに入れている。しかも、じゃあ枝豆茹でますねーって枝豆出てくるし、水茄子の漬物もまわってきた。小屋の夕飯じゃないし、なんだろうこのタダでツマミが出てくるシステムは。天国か。
物静かで人との交流を好まないのかなぁという雰囲気を出しながら、16時過ぎぐらいに雨に濡れた最後の1名が小屋にチェックイン。まぁ結局のところ最初の印象とは程遠い、全然物静かでもなんでもないイカれた秋田の藪漕ぎストだった(褒め言葉)。
14:08 大石山
↓ - 0:40
14:48 頼母木小屋
心優しい2人組のお陰で大石ダムの管理棟まで歩かずに済んだというのに、寝心地が良過ぎて若干の朝寝坊。実は管理棟の先まで車で入れるのだが、「暗くて細い道の運転は怖いからここまででいい?」と言われたので管理棟脇泊となった。朝はここから林道歩きが1時間半ほど。この日も午前中は雨予報だったが、林道以外は樹林帯歩きでそれほど景色の見えるところもないだろうし雨でもいいやと思っていたが、起きてみるとまさかの曇り空、むしろ雲多めの晴れ。天気がずれ込んでいるのだとしたら嫌だな、明日は稜線だから晴れて欲しいのにまさか明日が雨なのか?
ダム脇を歩く。猿がいっぱいいた |
とはいえ、東俣に切り替えたからといって東俣がラクだったかというとまったくそんなことは無かった。東俣でもこんなにキツイのだから、西俣をやめておいて本当に良かったとさえ思った。なんせ登りの角度が急で凄い。この夏休みが始まる前の三週間、膝のことや天候のことなどが重なって山に行っていなかったということもあり、今の自分にはかなり堪えた。水の消費も激しい。沢を離れて急登が始まってから最初の1時間、距離はたったの1kmで標高差500mほど上がり、その後もぐいぐいと標高をあげていく。
歩きにくいし角度がきつい! |
朳差方面はこちら、、、って、トラバース道が平気で斜めっている |
だいたいずっと鬱蒼としているがたまに景色も |
それでも完全に真っ白ではないから、太陽ガンバ!!私も頑張ってるから太陽もガンバ!!なんて独り言を言いながら進む。チラ見せ感がすごい。チラ見せしかない。
格好いい! |
うまいタイミングで写真は撮れなかったけれど、朳差の山頂では一瞬だけ晴れ間を見せて貰うことができた。たくさん山に行っているけれど、こういうピンポイントなタイミングですぅっと晴れ間が現れる時はいつだって鳥肌が立って涙が出る。そういう瞬間に網膜に焼き付いた景色は最高に美しい。私なんかではそれを写真で捉えることはできない。
山頂を過ぎると、元々行こうとしていた西俣コースの分岐に着いた。嗚呼、これはあかんやつや。足元の踏み跡の有無までは確認しなかったけれど、まぁ完全に藪漕ぎ。天気がよくない時は絶対に避けるべき。突っ込まなくて良かった。
もうかれこれ5年くらい前?から通行禁止の看板が立っているとかなんとか。 |
元々の予定ではここがこの日のゴール、朳差小屋。 |
小屋の中にも大熊コース通行止めの文字が。ここはこの日は管理人不在だった。 |
頼母木小屋が近付いてきた。あー疲れた、やっと休める!まだ時間的には歩けるけれど、自分がもう歩きたくないし、別にそこまで頑張らなくてもいい。小屋の手前を歩いていると、左前方に見えてきた尾根(下の写真の右側の尾根)があまりにも綺麗だったので見とれること暫し。
このピンクの尾根かな?(間違ってたらすみません・・・) |
到着した頼母木小屋には人の姿と洗濯物(こんなガスで乾くのかというツッコミはさておき)。小屋には小屋番さんを含め男性5人がいた。何やら全員ひとつのパーティーかと見紛うほど和やかな雰囲気の中に突撃すると、なにやら水場の方から舞茸がどうだ、舞茸どうする、舞茸舞茸という言葉がやたら聞こえてくる。舞茸あるんですか?
どーん! |
隣に置いてあるのは500ml缶! |
小屋のすぐ脇に水場、むしろシンク。ここでさっと舞茸の根元の泥汚れを落とす |
それにしても、予約もなくやってきたのに天然舞茸を食べさせて貰えるだなんて、偶然とはいえ、ますます東北の「小屋」文化とシステムがわからなくなってくる。避難小屋なのか営業小屋なのか、まぁその中間なのだろうけれど缶ビールは売られているし、小屋番さんがガスコンロを持ってきて、沸かしたお湯をポットに入れている。しかも、じゃあ枝豆茹でますねーって枝豆出てくるし、水茄子の漬物もまわってきた。小屋の夕飯じゃないし、なんだろうこのタダでツマミが出てくるシステムは。天国か。
舞茸を、まずは網焼きで塩をつけたりつけなかったりして食べる。美味しい! 手前が小屋番さん、その奥は小屋番さんの友人でもある酒豪の舞茸ハンター(ソロ)。 舞茸を背中に背負って歩いていたら虫が寄って来て凄かったそう。 この方、なんと350mlビールを6缶担いでその後も小屋で買って飲み続け、全部で3Lくらい飲んだとのこと。 |
焼いても焼いても減らない舞茸。あとは汁にしたいけど、うーん味付けどうしよう、味噌とかあればいいんだけどなぁなんて話になったところで、自家製の味噌持ってきてますという人あり。更に粉末のうどんスープなんかも出てきて味付は決まり。ひとしきり舞茸を食べたあとは汁にしていただく。
雨が止んで外に出ると、辺り一面あれだけ真っ白だったのが嘘のように雲がきれて視界が開けていた。幻想的な雲が山に絡み付くのを皆で嬉しそうに眺める。気温は一気に下がっていた。
いわゆる夕飯のメイン的なものはそれぞれが勝手に作って食べているが、汁物は皆で分け合っていただく。ご馳走様でした!
左から、秋田出身の藪山マニア(ソロ、足元はスパイク長靴)、 福島出身だけれど都内からやってきたという大荷物ペア(左は初心者で、右の人が連れてきたらしい)、 マラソンもやるという足元トレランシューズの飯豊マニア(ソロ)。盛り上がる。 |
みんな山が大好き |
家に帰ってきて写真を見た時、似たような写真が続いている時は大抵興奮していた証拠 |
いつまで経っても話は尽きないので小屋番さんが気を使って会を締めたにも関わらず、さらに30分ほど続いた飲み会。おすすめのルートや山域の話、キノコの話、あれこれ話して本当にあっという間の時間だった。楽しかったなぁ。
5日目へ
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