2025/10/13

20251010-12_Ultra Trail Chiang Mai 180k(観光その他編)

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バンを下りて皆と別れてからタクシーで宿へ。ホテルは2300円とかそれくらいで朝食付き。

すぐ横がセブンイレブンなの助かる
ダブルベッドと思いきや、下をよく見たらシングルを2つくっつけているだけだったw
しかしここ2人部屋なので、2人で泊まったら1人1000円ちょっとで済むという
バンで移動中しばらくは喋っていたが後半2時間くらいは爆睡していたので、ホテルに着く頃には眠気はおさまって夜の部に突入。バイクタクシーでタンデム、24時までやっているというナイトマーケットへいざ。夕飯がてら打ち上げです!
ナイトマーケットの敷地内には雑貨なんかも売っているエリアもあるようだったのでそちらも見たいなと思っていたのだけれど、到着した頃にはもうご飯エリア以外は既に閉店していた。タイに行ってきましたーーー!みたいな浮かれた服とか買いたかったのに残念。ナイトマーケット内にはバーのような店舗も沢山あり、そちらはビリヤードで賑わっていた。
シンハーの大瓶となんか青菜系のニンニク炒め、手前はインゲンみたいなのとエビのカレー風味の辛い炒め物、奥は韓国風の焼き鳥みたいなやつ。ナイトマーケット自体がちょっと観光地なので観光地価格だった。全部で1600円くらい。レース中に我慢していた辛い物を一気に解禁。うまい!
帰りもバイクタクシーで宿まで。部屋で二次会やるぞと意気込み、ホテル近くのセブンイレブンで美味しそうなクラフトビールを物色していたら、物色している内に0時を回り、アルコールの販売は0時までですと言われて二次会の夢潰える・・・(無念)。
1時半過ぎくらいにようやく就寝。

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最終日朝。7:00~10:00が朝食ですと言われていたのに起きたら9時過ぎていた。朝からツアーとかの予定を予約していなくて良かった・・・。慌てて朝食に向かう。

朝食券が2枚綴りになっていて、私2人部屋に1人で泊まっているから朝食1人分無駄になってしまうなーなどと思いながら朝食会場へ向かうと、ビュッフェなどではなく入口でオーダーしてから席に着くというスタイルで面食らう。このメニューの中から2種類選んでくださいと言われたが、2種類選ぶってなんかちょっと変わってるよな。
しかし隣のテーブルを見ると1人1種類しか運ばれてきていない。私だけが1人で2皿なのだ。ああそうか、2人分のチケットで2人前のご飯を提供してくれているのか(察し)。私だからまぁ食べきれるけど、普通は食べ切れないと思うのよ・・・
鶏挽肉と半熟卵の入った雑炊、そしてポークジャーキーの甘辛いあんかけみたいのがかかったご飯。お腹いっぱいです

チェックアウトしてからあれこれロビーで調べていたら大雨が降ってきた。今日の観光やら移動やらずっと雨かよ!と思ったがすぐに止んでくれてひと安心。
その日の行動予定をざっと決めてからホテル下のコーヒー売りワゴンで1杯いただきつつマーケットを目指す。レース中は甘いコーヒーばかりだったし、美味しいブラックコーヒーが飲みたい!ということで買ったコーヒーが美味しすぎた。そのまま10kg越えの荷物を背負って歩く。我ながら元気だわ。

20分ちょっと歩いてトンパヨム市場へ。観光客が来ない地元の人が使うような市場、というGoogle Mapのコメントを見て訪れてみたが確かにそんな感じ。なにやら辛そうな瓶詰の調味料とかひよこ豆のスナックとかを購入。可愛いデザインのズボンがあったのでちょっと欲しかったけれど、値段不明かつ店員不在で諦め。
空港にもあったけれどこのウィンナーみたいなの美味しそうだったな。肉類って持ち込めるんだっけかと考えて、調べるの面倒臭くなって買うのは諦めた。
ジャスミンライスの古米の販売とか新鮮すぎてつい撮影w
そして一か所くらいは寺院も見とく?ってことでワットスワアンドークまで。こちらも市場から徒歩移動(瓶詰とか買ってますます荷物が重くなっている)。1383年に建立された寺院だそう。
外国人は建物内部は有料だったけれどタイの人は無料のよう
次第にフライトの時間も迫ってきて、お土産調達がてらタクシーでスーパーへ移動。荷物があるのでバイクとはいかず車で。

スーパーでひととおり買い物を済ませてから再び徒歩で空港へ。空港に着いた時には汗だくでズボンまで色がかわっていた。いや歩きすぎ。
帰りはチェンマイから香港経由でトランジット10時間ほど。しかし荷物預けを自分でやらなければならないパターンで一旦香港に入国してしまったため、夜中の出国手続きができずにゲート内に入れずまたラウンジ利用ができない状態で夜明かし。180km走った後でこのトランジットは疲れるw(自業自得)

横になれるだけの座席は確保できたが眠れなかった・・・
朝起きてからはラウンジ梯子。ここのラウンジの朝食はビュッフェではなくオーダースタイルで一番好き。朝からカクテルをいただくw
それにしても、最初の渡航日変更やベトナムのレースのキャンセルから始まって、よくレースのスタートラインに立ってきっちりゴールして旅を無事に終えられたものだなぁとしみじみした。色々とハードルは高かったけれど前回のバリで最近の海外事情がある程度見えていたのも強かったし、私自身1人で行動することに割と慣れていたというのも良かったのだと思う。我ながらよく現地に馴染むものだ。

たまにはこんなグダグダの旅行ブログでもご容赦くださいw タイ編これにて完結。

2025/10/12

20251010-12_Ultra Trail Chiang Mai 180k(レース後編)

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CP9/ Doi "13 Bodies" Entrance (107.3km) 9:33
CP8~CP9の間でようやく100km超え。爽やかな朝はそう長くは続かない。再び強い日差しに晒される時間がはじまる。

日陰はない
CP8を出発してから、猛烈な斜度の林道(舗装路)が現れた。これまで見たことのないような急斜面、道幅は確かに車が通れるくらいあるけれど、およそ車が登れるとは思えない斜度である。勿論路面に日本のような〇印のパターンとか溝とかそういうものもないので、雨なんか降った日にはどう考えても車は登れない。舗装路の登りがこんなにつらいなんて!ロードだけど!!ロードなんだけれども!!!スピードはまったくあがらない。

暫く黙々と登っていると後ろの気配がしなくなってきた。薄々感じていたが、どうやらトゥイーティーは私より登りが弱く、私より下りが強い。もしかして千切っちゃったかも知れないな(ほっとしたような、それでいて申し訳ないような)と思いながらCP9直前まで到達すると、結局またトゥイーティーが追い付いてきた。そろそろ1人にさせてよという気持ちも少しあったのは否めないが、別に彼はイライラするようなことをしてくる訳でもなければとても紳士な振る舞いであるので、これもまた運命共同体なのかもしれないと思って一緒に過ごすことにした。本当にペースが合わなくなった時は離れればいい。

ブリーフィングの際、「CP3とCP9が最もリタイヤするのに楽な場所なので、その先に進めるかどうか怪しいなと思ったらいずれかのCPでリタイヤするのが無難だ」というようなことを言われていた。CP3でリタイヤというのは序盤すぎてまずあり得ないだろうが、CP9では本当にこの先進んで大丈夫か検討すべきポイントではあった。救急車が控えている。
180kだけが走る区間は終わり、ようやく南側に戻ってきた。
私が手に持っているのは、ここまで散々世話になっている甘いコーヒーのペットボトル。
現地の救急車。カラーリングが派手w
木の棒に何か巻き付けて焼いていた。蛇かなと思って尋ねたが蛇ではないらしい。ただの肉?ベーコン作成中??結局何だったかはわからなかった。エイド担当者もそれなりに楽しんでいる様子w
たまにこういう一斗缶に入ったスナックみたいなものが置いてあるエイドがあった。ここはクラッカーに固いジャムが挟まったみたいなのが置いてあったのだが、これが結構美味しくてかなり食べた。まとめて袋に入れて持っていきたいくらいだったけど、多分それは食べすぎw
夜のセクションが終わって日が高くなり、太陽のせいで眠気が消えたような感覚があったが、それはちょっしたまやかしというか、疲労を回復させるような要素はひとつもないしきっとただの気のせいなので調子に乗ってぐいぐいいかないようにしようと思いながら二日目の太陽を仰ぎ見る。そしてCP9でリタイアはしないし、このままゴールまで行くしかないなと腹を括る。どんなセンテンスだったかは覚えていないが、CP9を出て少ししてすぐトゥイーティーに「私達はDNFポイントをスルーしたからには、そういうことだよね」みたいなニュアンスのことを伝えた。彼は僅かに口角を上げてニヤリと笑った。

CP10/ Doi "13 Bodies" (116.8km) 12:38
CP9~CP10はまた日中帯の直射日光にやられ続け、日なたを歩いては日陰を走りというのを繰り返していた。途中でトノサマバッタがいてたので興奮して捕まえてトゥイーティーに見せたら「それはタイ語でバッタンカーって言うんだよ」と教えてくれたので「日本語ではバッタって言うから似てるね」と答えた。帰国して調べたらバッタは全然バッタンカーじゃなくて、結局トゥイーティーはあの昆虫を何だと思っていたのかよくわからなかった。何のことをタイ語でバッタンカーって言うんだろうか。
写真だとやっぱりうまく伝わらないが物凄い斜度の坂、しかも路面が白くて照り返しがすごい
トゥイーティーとは近付いたり遠ざかったりを繰り返しながら進んだ。この区間ではドロップバッグポイントにいた撮影クルーの車が近付いてきてちょいちょい写真を撮られたのだったと思う。仙人のようなもじゃもじゃの髭を生やしたカメラマンのおじさんが声を掛けながら写真を撮ってくる。沿道に応援がいるわけでもないので、こういう応援も嬉しい。ひとしきり写真を撮ると彼らは車で登っていってしまったが、いやーほんとにこの坂よく車で登るよね大丈夫?って言いたくなるような坂である。こんな急坂運転しろって言われたら私怖いわ・・・
着いたー!
ここのエイドではウィンナーにベーコンを巻いたものとか、何故か滅茶苦茶脂っこいものを焼いていた。いやいや116kmまできて何故このラインナップなのか。。。とりあえずウィンナーベーコンをひとつふたつ口にしてみたけれども、強靭な胃腸を自負している私でさえも体が拒否しているのがわかる。ほかに何を食べたのか忘れてしまったが、カップ麺とかカップ粥とかそういうものは食べなかったと思う。ここのエイドが一番調子が悪くて食欲もなかった。

前回TGTで胃腸に異変があったのが130km、このエイドが117kmあたりだ。前回よりも手前で異変がきているのは暑さによるダメージのせいと考えたら合点がいく。今の自分にはこの辺りに何らかの境界線があるのだろう。
結構手前から予防的に胃薬を飲み始めていたのだが、ここで改めて胃薬を投入することにする。頼む、これ以上の不調は起きないでくれ。食べないと動けないタイプの私は、胃腸が終わるとあっという間にパフォーマンスが落ちて動けなくなる。

CP11/ Ban Sam Muen BPP School (123.5km) 14:34
CP10を出てから、この不調の原因が何なのか脳内でぐるぐる考えた。そういえばCP3でタンポンが降りてきてから1度どこかで交換したと思うのだが、それでも最後に交換してから大分経つ。トゥイーティーが近くにいるということもあって青空トイレがしづらかった。何なら大がしたい。その辺を解決できたら気持ち悪い感じとか食欲がない感じが少しはマシになるかもしれない。
CP10を出て割と早い段階で見切りをつけ、どこかのタイミングで茂みに入りタンポンを外して大を済ませた。運動量が多すぎてもう多分経血は出切っているのでタンポンも必要ないだろう。大もまぁまぁ出て色々とすっきりした。これでどうだろう?思って進んでいくと、さっきまでの気持ち悪さは何だったのかと思うくらい具合が良くなった。胃腸薬が効いたのか、それともタンポンやら排便が効いたのか、はたまたそれらの複合的な結果なのかはわからないが、窮地はおそらく脱した気がした。当然私のこんな個人的な葛藤を初対面のトゥイーティーに話せるはずもないので1人静かに腑に落とす。

ようやくCP11に到着。さぁ、多分食べられるぞ。
エイドの日陰が嬉しい。
気持ち悪さが落ち着いて空腹がやってきたので辛くないヌードルをいただく。
スープがめちゃくちゃ美味しくて沁みた!よくよく咀嚼してから飲み込むよう心掛ける。

CP12/ Doi Sam Muen School (131.7km) *Drop Bag 17:15
CP11でようやくまた食べられるようになったという安心感と、実際にカロリーが体内に入ってきたという事実とでゴールが見えてきた気がした。でも油断したらいけない。ここから徐々に体力は削られていく筈なので慎重なカロリー摂取を心掛けないといけない。

レース中に自分が残したメモによると、どうやらCP12に着く少し手前で1度目のロキソニンを飲んだらしい。筋肉痛が出てきたのだったと思うが詳細は忘れてしまった。ロキソニンもそのまま飲んだら胃に悪いので、病院で処方された錠剤の胃薬とセットで飲み下す。ロキソニンはじわじわ効いて、気付いた頃には脚の筋肉痛をあまり感じなくなって下りのペースが上がっていた。
ドロップバッグを開ける。
CP12は100kカテゴリーの人のドロップバッグポイントでもあるので、我々がとどまっている間に2名ほど100kの選手もやってきた。
ドロップバッグポイントだからといって目隠しされたような着替えスペースは特にない。バスタオルで首から下などを覆って着替えている人が多く、おそらくこちらではそれがよくあるスタイルなのだろうなと思った。昔プールで子供が使っていたような感じのバスタオルをドロップバッグに入れていて、それを被って巨大てるてる坊主みたいになりながら着替えたりしている。私は当然そんなものは持ってきていなかったし、かと言ってどうしても着替えたいという感じでもなかったので、とりあえずTシャツと靴下だけ替えてインナーは替えないことにした。靴下交換と同時に足指のプロテクトJ1を塗り直し、首など気になる所だけは汗拭きシートで軽く拭く。気温は相変わらず高くてホットミールを食べる気がおきなかったので、ここでは飲み物とフルーツくらいの補給にとどめ、持参した無印バウムクーヘンを1本食べた。トゥイーティーは全身着替えて別人のようなカラーリングになってリフレッシュしていた。ここでもトゥイーティーはビールを飲んでいて(強い)、そこそこ準備に時間がかかっていたので私が先に出発してしまっても良かったのだが、もう先に出てもどこかで追い付かれるのが分かっていたからのんびり一緒に出発することにした。彼のTシャツはトゥイーティーからOne Pieceに変わった。以降トゥイーティーはルフィと呼ぶこととする。

CP13/ Doi Chang Community Shop (140.9km) 19:19
日が暮れて2晩目がやってくると途端にまた眠気に襲われ始めた。暗くなると眠くなる、分かりやすいな。道もなんだか山の中腹のトラバース林道のような単調なもので、せいぜい水溜まりやぬかるみを避ける程度の緊張感しかない。夕焼けが綺麗で写真を何枚か撮った。CP14までは割と標高も高いところにいてそこから一気に降るので、ここはまだ激しい下りもなく脚の負担は軽い。
淡々と進む
単調な区間だったけれど、単調だからこそ色々な思考が頭を巡っていた。目に映る景色は明らかに日本の景色ではないんだよなぁ、タイかぁ、私今タイまで来て走っているんだなぁ。しかもこんな、レースでもなければ絶対に一生通らなかったであろう道を。なんかよくわかんないけどすげーな、何やってんだろって気もするし疲れてるけど、好きでやってることなんだよな。自分の頭のすぐ上にドローンを飛ばして、そこに自分が乗って自分を眺めているような感覚になりながらふわふわと楽しむ。初対面のルフィと紡ぐ、この瞬間のムアンコントレイルの映像を網膜に焼き付けようとするけれど、それができない無力さと刹那にほんの少しばかり感傷的になる。うまく表現しきれない感情を文字起こししようとするとこんな風に言葉がまどろっこしくなるのだが、これもまた自分なので仕方ない。

まだ夜の入口だというのに矢張り2晩目は眠い。19時台の暗さが、まるで26時半くらいのように感じられる。少し遠くの暗闇に目をやると、まるで宇宙の果てに放られたようだった。
CP13は広場のようなところにあった。100kの人も混じってきて、エイドとしては結構賑わっていたと思う。炊き立てのご飯があって、葉っぱに包まった何かがあったので早速いただくことに。これは何かと尋ねると、ココナッツミルクとかが入ったペースト状のものを蒸した料理だとかなんとか言っている。わくわく。
辛ッッッッ!!!
ここまでお腹に刺激を与えまいとしてスパイシーなものを徹底的に排除していたというのにここへきて不覚にも滅茶苦茶辛い物を口にしてしまった!失敗した!でも美味しい。辛い物で胃がやられるから避けてきたんだよぉと言っていると、エイドの人達が心配して「残していいよ!」と言ってくれたが、でも美味しいからもうちょっと食べる・・・と答えてしばらく食べ続けた。うん、美味しいのよ。そして全然辛そうに見えないこの蒸し物がとてもとても辛い。結局全部食べ切るには米を追加する必要があり、しかしそこまで米を食べる余力はなかったので少し残してしまった。あとはここでゆで卵を食べた気がする。
因みに、調べたところによるとこれはおそらくホーモックプラー(※)という料理。

TGTでカップヌードルカレー味を食べた時は、食べている途中ですぐ気持ち悪さと腹痛が出てきて撃沈したが、今回このホーモックプラーを食べていてもそのような症状は出なかった。スパイスの影響が出ないか心配ではあったけれど、あまり心配しすぎるとメンタルでお腹を壊しかねないので「きっと大丈夫だろう」と自分に暗示をかけるようにしてエイドを出発した。

※ホーモックプラー
ココナッツミルクと卵、レッドカレーペーストを溶いたベースに「魚のすり身」を入れて練り混ぜ、ナンプラーなどで味付けした生地を作り、その生地とコブミカンの葉 (バイマックル:ใบมะกรูด) とスイートバジル (ホーラパー:โหระพา) を一緒にバナナの葉に乗せ簀巻きにして、炭火で炙って蒸し焼きにする。なお、バナナの葉で完全に包んだり、バナナの葉の容器などに流し入れて、鍋で蒸して作るのが蒸しスタイルのホーモックプラー。(焼くスタイルのものはホーモックプラー・ヤーンと呼ぶ)。ココナッツミルクと卵を混ぜているのでカスタードプリンと同じように、蒸し焼きスタイルの方が硬めの食感になる。

CP14/ Huay Nam Dang D. Campsite (149.3km) 21:55
CP13~CP14のあたりはコース上にキャンプ場などが点在したりしていたので、一般キャンパーがうろついており物珍しそうにこちらに目を向けていた。道に謎の大きな穴が開いていて三角コーンが立っていたりしたのもこの辺りだったと思う。
残り30km!
お粥っぽい何かをいただく
この辺りからだったような気がするが、太腿同士が擦れる"股擦れ”でも肛門の左右が擦れる”尻擦れ”でもない”股間擦れ”が始まった。尻擦れも股間擦れも私が勝手に呼んでいるだけなので正式になんと呼ぶのが正しいのかはよくわからないが、要するにパンツのクロッチ部分とそこに触れる大事な部分とが擦れて皮膚がヒリヒリ痛む状態になっているのだ。皮膚と言ったってそもそも皮膚が薄い部分が更に薄くなっているので痛いなんてもんじゃない。ここにもプロテクトJ1を塗るべきなのか??
今回パンツを履かずに直接CW-Wのショートスパッツを履いていた。普段からそのパターンなことは多いのだが、こんな痛みに苛まれたことは一度もなかったのに何故今回に限ってこんなことになっているのか。パンツを履いてからスパッツにした方が良かったのか、正解はわからない。兎に角痛くてできる限り摩擦が起きないようにガニ股になってみたり、少しスパッツを下げてみたり、逆にスパッツを手で股に押し当ててみたりした。しかしスパッツを下げると皮膚同士が擦れて痛く、スパッツを押し当てるとその時だけは痛くないのだが手を離した途端に痛くなり、もう解決策は何も思い浮かばなかった。生理による出血は終わったが、今度は傷で血が出始めるんじゃないかと思った。

残り30km程、ここからどんなルートが待ち受けているのかは分からないが、自分が元気でルートが平坦であれば4時間もあれば終わる距離だ。しかし私は体中痛くてろくに走れず、もし全部歩いたとしたら早歩きだって6時間はかかる。ここまでで既に36時間ほど経過していて、仮にスムーズにゴールまでいけたとしても42時間だ。40時間くらいでゴールできちゃったりして!?などと思っていたが今回も結局大失速である。無念。

CP15/ Apuchi Camping (156.3km) 23:21
CP14から一気に1000m近く降ってCP15へ。GPXを見る限りずっとロードのようだったので嫌な予感はしていたが、案の定アスファルトの急坂を駆け降りるセクションになった。初めて出た時のハセツネの、ゴール直前の下りを彷彿とさせるような容赦ないアスファルトの衝撃。一歩ごとに脹脛と前腿に痛みが走る。日本では見かけないような細長くて太いダンゴムシのボスみたいな虫が路面に蠢いていて、そいつらを踏まないように気を付けていたら目まで疲れてしまった。序盤でパックになっていた連中は全然追い付いて来なくて完全にルフィとの二人旅になっていたが、流石にここまでペースを落としていたら誰かに追いつかれてしまいそうである。最後まで足を残した人がやってきたら、一気に刺されるだろう。

ルフィはたまにバーッと駆け降りては歩いてみたいなことを繰り返していたが、本当は走れるのに私を待っていてくれたのか、それとも一時的に痛みに目を瞑ってダッシュしてはやめるというのが彼なりの戦略だったのかは分からなかった。私はといえば脚も股間も痛くて歩くのがやっと、極くたまにジョグを挟むくらいしかできなかった。足首とかその辺は大丈夫だったが、トレッキングポールをずっと使っていたので腕もかなり怠い。全身が疲れている(そりゃそうか)。ただただ、ご飯を食べ続けられていることが有難かった。とりあえずこれで最後と思いながら追加のロキソニンを投入。前回の服薬から時間も経っているし大丈夫だろう、でもこれ以上は飲まないようにしたい。
疲労困憊、眠気で目が自動的に閉じていきそうな状態でようやくCP15。胃腸は快調とまではいかないが食べられない訳ではない。胃に食べ物が全然無いという状態にすると胃液で胃壁がやられると思ったので少しずつでも何か入れ続けておきたい。エイドのラインナップを聞くとご飯と卵焼きがあるよというのでそれを頂くことにした。そしてなにやら茶色いものを乗せられたのでこれは何かと尋ねると、豚肉だという・・・(やめろ)。
ご飯はもち米のような感じで腹持ちは良さそうだったが、消化に悪そうな雰囲気があるので長い時間をかけて咀嚼してから飲み込むようにした。食べるのに時間がかかりすぎて結局半分くらいしか食べずにあとはテイクアウト。卵焼きはほぼ食べて、ポークジャーキーのようなものは2-3個しか食べられなかった。味は美味しかったけど、今じゃないだろ感がすごい。これは完全にビールか紹興酒のアテなのよ。
胃の心配とカフェイン欲の葛藤。甘くて冷えたペットボトルコーヒーは飲みたくなかったが温かいコーヒーをお願いしてみた。ドリップコーヒーをインスタントコーヒーのようにお湯に入れて渡してきたので、コーヒーかすが口に入ってきて全然飲めないw
多分ここのエイドで公式に撮られた写真だと思う、疲弊する私と眠いながらも笑顔のルフィ。ルフィは何か饒舌になってスタッフと話しているけれど、タイ語なので何を言っているのかはさっぱり分からないw

CP16/ Ban Buak Kwai (166.5km) unknown
このエイドの記憶が全く無く、しかも通過タイムも記録されていなくて写真も撮っていなかった。。。ただこの辺りはずっと工事現場みたいなところの地味なアップダウンを走らされ、100kの人達に追い抜かれ、ずっと景色は暗く意識も朦朧として、視界の隅のルフィの姿を追っていたと思う。水っぽいところを渡ったり、急斜面を登ってはすぐ降りたり、あの区間は一体何の場所だったのだろう。幻覚を見たというわけではないにせよ何やら既視感のあるところのように思えて、でもそれがどこで通った場所だったのかまでは思い出せなかった。右下に川が流れて道は切れ落ちており、左の山肌は工事中で人工物が沢山あった。でもその景色ももしかすると夢だったかもしれない。CP15で食べ切れずにテイクアウトしてきたもち米をひとくちふたくち齧っては何分も咀嚼してお粥状にしてから飲み込むみたいなことをしながら進んだ。

CP17/ Non Na Doo Dao Campsite (175.3km) 4:32
これまで出てこなかったエイド食ラインナップ。手前のジャムサンドみたいなビスケットが美味しかった。奥側にあるクリームパンみたいなものも1つ食べた。もうあと5kmなのにまだ食べ続ける私w(ルフィはこれといって特に食べず)
やっと夢の中のような工事現場エリアから脱して街中へ出たが、その後もちょこちょこ笹薮の生い茂る裏山みたいなところを歩かされたりなどしつつ最終エイドへ。もうあとちょっとというところでルフィがベンチに横になり出したので驚いたが、そろそろ出発しようかなと思って声を掛けるとすぐ起き上がったので一緒にゴールへ向かった。180kの選手にはまだ追いつかれていない。このまま逃げ切れるか。

Goal/ Muang Khong SAO Office (180.5km) 5:36
レース前々日くらいにゴール手前のルートが変更になっていて、その分のGPXファイルは更新されていなかったので現地のマーキングを頼りに進んだ。疲れ切った状態で最後の最後にGPXと実際のルートが異なるみたいなのは正直やめて欲しいw
ゴール地点の周りを無駄にぐるぐる遠回りをしつつようやくゴールゲートへ。ゴールまで2kmくらいのところでもうあとちょっと我慢すりゃいいのにルフィがトイレに行ってびっくりしたが出てくるのを待って最後まで一緒に進んだ。
レディーファーストと言われてゲートは私が先に潜ったが、ほぼ同時のゴール。
結局43時間36分かかり、ルフィは男子5位、私は女子1位!
よく写真を見ると、私はゴールの興奮で目がギンギンに冴えていて、ルフィはめっちゃ眠そうw
宿が一緒だった仲間のうちの1人であるDanonは26時間でぶっちぎり優勝を果たしていたので11日のうちに宿に戻っていた。私はレース中にUTCM側の発信を見てそのことを知っていたが、もし私が真夜中にゴールしてしまったら彼は寝ているだろうし歩いて宿に戻らないといけないのか、それとも朝彼が起きるまで待ってから車で迎えに来てもらうかなどと考えていたが心配には及ばず、明け方のゴールとなった。捕らぬ狸の何とやら。
どこのタイミングだったか忘れたが、私はルフィに「ペースが合わなければ私のことは無視して構わないし貴方のペースで進んでレースを楽しんでくれ」と伝えていた。言い方によっては、一緒に走るのが嫌なのかなと勘違いされかねないし、別に私も一緒にいるのがすごく嫌とかではないから私が意図していないニュアンスで伝わってしまってルフィを傷付けてしまうようなことは避けたかった。結局ルフィが私の発言をどう捉えていたのかは分からない、タイ語のわからない日本人がひとりでこんな長い距離を走るのは心細いはずなのに強がっているだけだろうから一緒に走ってあげようと慈悲をかけてくれたのかもしれないし、はたまた本当に完全にペースが一緒だっただけなのかもしれない。私が真意を根掘り葉掘り聞き出すのも無粋だし、彼は彼で細かい感情を英語で表現できるほど英語が堪能でもなかった。我々の間には確かに言語の壁があったけれども私は彼を同志だと思えたし、彼も私のことをそのように思ってくれていたら嬉しいなと思う。途中多少離れたりしたこともあったとはいえ、30時間以上一緒って中々無いことだよなぁ。ありがとうルフィ。私がOne Pieceを見たことがないばっかりに、Tシャツきっかけに何も会話が弾まなかったのは申し訳なかった。

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MCの女性も一緒の宿だったのだが、彼女はかなり英語が堪能だったので何かと助かった。一旦宿に戻ってシャワーを浴びてから8:00の表彰式に戻りたいと言ったら車を出してくれる人を見付けてくれたり、Danon達の車のトランクに私の荷物が入っててそこに着替えが入ってるけどDanon今寝てるよねどうしよ?みたいなことを相談したら、あの人鍵かけてるの見たことないから多分荷物取り出せるよと言ってくれたり、何かと面倒を見てくれて本当に有難かった。
結局シャワーの時間はなくて、宿からとんぼ返りでDanonと会場へ戻り表彰式。
DanonはAltraのサポートも受けてるガチのアスリートw
同じルートを走ったのに、こちらはさっきまで走っててようやく明け方ゴールしたばかり、かたや前の晩ベッドで眠れているのだから信じられない。同じ1位でも格が違う・・・
日本から個人的に出走していた方々や、私と同じくDeep Japanの副賞で参戦していた駒井さんとも合流してお話もできて良かった。皆好成績でトロフィーを搔っ攫っていった。
再びDanonの運転で宿に戻ってシャワーを浴び、12時頃にチェックアウトしてから会場へ。しかしDanonが宿にいなかったので歩いて会場に行こうとしていたら関係者が車に乗せてくれた(そんなことの繰り返しw)。しかも会場にビールあるかなって聞いたら途中の商店に寄ってくれた(優しい)。会場で振舞われていたタイ料理をアテにひとりで飲み会突入、その後駒井さん夫妻と合流、次第に180kの選手達も続々ゴールしてきて皆でわいわい。
ゴール後のご飯やソフトドリンクまで用意されてるの有難すぎる
本当は宿で仮眠くらいとりたかったのだが、12時だからチェックアウトしてくれと言われて一睡もできずに再び会場に戻ることになった。TGTの時はゴールしてもビールが飲めないくらい疲れていたが今回は大丈夫だったので350-350-500mlと都合3缶ほど飲んだ。

制限時間は54時間だったが、宿が一緒だったもう一人のインスタグラマーの女子とその取り巻き2人は52時間ほどでゴール。レース前日一緒に飲んでいた人達の職業がどうやらトレーナーとかだったようで、彼女のサポート役として一緒に走っていたみたい。
皆のゴールを見届けてから、14時頃には公式のバンが会場を出発、3時間程でチェンマイ空港の近くまで移動した。バンは元々16時出発のスケジュールだったのだが、乗客10名程が早い段階で揃ってしまったので早目に出発したのだった。もう少しゆっくりできる筈だったのが最後ドタバタになって、ビール片手にバンに乗り込むような形になった。

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シャワーを浴びる時に靴下を脱いで右の足首を見たらえらく腫れていた。序盤に捻った捻挫はこんなに大ごとになっていたのか!?しかし足首を曲げたり回したりしてみると確かに痛みがある。こんな足でよく完走したなぁ、などと我ながら感心していたが、暫くすると両足首が腫れてきて、更に足の甲もむっちり膨らんできた。ははぁ、これは浮腫みってやつか。ロングレースや長期山行の後で浮腫むことがあるというのは人から聞いて知識としては知っていたし写真でも見たことがあったけれど自分がこんなに浮腫んだのは初めてだったのですぐには理解できなかったのだ。水分摂取が少ないと浮腫みやすいと聞くのでレース中は意識的に水を飲んでいたつもりだったが、それでも暑さによる消耗が激しかったから体内の水分量としては枯渇していたのかもしれない。膝下の浮腫みは帰りのフライト中も酷くて、このまま皮膚が弾けるんじゃないかと思えるほどパンパンだった。浮腫みがおさまるまでに何日かかかった。

股間はといえば、シャワーの僅かな水圧が沁みるくらい擦れており、普段小ぶりであった筈の箇所は腫れて肥大化してなにか別の生物のようになっていた。盛大にリンパ液も滲み出してきて、ものの数分でびしゃびしゃである。散々運動して生理は完全に終わっていたが、このリンパ液を吸い取ってもらうのに再びナプキン先生に頑張っていただく必要があった。いやはや、こんな状況を誰が想像しただろうか。というか、誰か同じような状況になった人が居たらこっそりでもいいから男女問わず教えて欲しい。股間の大怪我だよ!

こんな長距離走るのは体に良くないとつくづく思う・・・。健康のために続けている登山であったりランニングであったりするのに、何故このような不健康なことに・・・
大会の終わりに、残っていた人達で集合写真!
今回優勝してしまったので、今度はその副賞として来年のマレーシアのレースのエントリーフィーが無料になってしまった。出ますかねぇ・・・

観光その他編へつづく

2025/10/10

20251010-12_Ultra Trail Chiang Mai 180k(レース前編)

スタート前編はこちら

累積標高があまりない割に制限時間は長い。
マップの北半分は180kの選手しか通過しないエリアになる。つまり3~8のエイドはこの19人のためだけに設営されているのだ。夜中の眠くて寒い時間帯、いつ次がやってくるかもわからない中でずっとエイドを運営してくれている人達がいるということは本当にありがたいことだ。
皆と朝食何時にするとか出発何時にするとかそういう話を一切しなかったけれど、外が明るくなってきたなと思って外に出たらご飯棟に皆が集まっていたので合流。
朝食はトーストとジャムと珈琲しかなく、うわーレースの朝ごはんにこれじゃ足りないなと思ってトーストを4枚用意していたら「今キッチンでご飯作ってくれてるところだよ!」と仲間に言われるw 用意されていたのはお粥(写真左)、土鍋で出てきたものを取り分けていただく。
右上に写っているのは温泉卵(2個)、これは昨夜バーで別途注文したもので、私は2個にしてもらったが、他の人は4個とか5個とか言っていてびっくりした。皆そんなに卵食べるの・・・?w
レースのスタートは10時。出発は9時半でいい?と言われたが少し慌ただしい気もしたので9:15にしてもらった。宿から会場までは2キロほど、昨日預けたドロップバッグにすこし変更を加えたかったが、会場に着くと既にドロップバッグはドロップバッグポイントへ移動されており中身の変更は出来なかった。やむなし。
テーピングしすぎな人w
スタート前も食べ物が用意されていてギリギリまでエネルギーチャージができる。
とはいえ私はもうお腹いっぱいなので食べない。仲間はまだ何か食べているwww

Start/ Muang Khong SAO Office 10:00
CP1/ Huay Ngu Lerning Centre (10.9km) 11:47 
180kのエントリーリストには23人の参加者が掲載されていたが結局スタートしたのは19人だったよう。揃って記念撮影をしてからスタートしたが、写真を撮っている間に10時を過ぎてしまい結局10:02くらいにスタートした。ゆるいなw
今回の作戦としては、兎に角序盤突っ込まないこと。脚が元気で走れたとしてもキロ6分半以上のペースで走らない。そして100マイル以上のレースは2度目なので、前回の教訓を踏まえてお腹に刺激のある食べ物を控えるようにすること(前回は130kmあたりでカップヌードルカレー味を食べてお腹を下し、気分が悪くなった為)。特にここはThailand、少しでも気を抜けば食べ物なんて全部刺激物である。油断ならない。

スタート直後は会場すぐ横の幼稚園の園児たちがお見送りしてくれてなごむ。幅のあるロードがスタート後暫く続くうえ出走人数が少ないこともあって、前回のTGTのように序盤シングルトラックでプッシュされて走らざるを得ないということもなく、ジョグペースで進む。肌を刺す日差しが痛すぎてすぐにアームカバーを装着。
牛やらバッファローやらがうろつく
(夜中も森の中からカウベルが鳴っていたり、トレイルで牛が寝ていたり。)
自作のタイム表と標高図、結局レース直前になってCut Off Timeがかなり変更されて最大45分くらい変わってしまったので、自分のタイム表もほぼ意味を為さなくなってしまった・・・w(海外レースあるある)
軍隊的な人かと思いきや、Forest Guardみたいな人達らしい
全編通じてほぼ林道と、林道に毛が生えたような道、たまに道路といった構成で、登山っぽいコースが得意な自分にしてみれば結構苦手な感じだった。事前にGPXファイルは見ていて林道が多そうだなとは思っていたが、海外の林道というのがどんな道を指すのかというのも分からなかったし、ひょっとしたら幅の広い登山道みたいなのも林道として地形図に掲載されているのかも??などと想像しながら現地に向かったが、蓋を開けてみたら綺麗に林道だらけだった。そして何と言っても暑さにやられた。日中の日が高い時間帯の日なたを走るのは自殺行為に近く、暑さに割と強い私でも潰れそうだと思ったので、基本的に日なたはできるだけ歩いて日陰だけジョグ、みたいなことを繰り返す作戦にした。とはいえ日傘は持たなくて正解だったと思う。あまりにも日なたが多すぎて、そんなにずっと日傘をさし続けるのも大変だっただろう。ささずに持ち歩くならそれはただのおもりにしかならない。
序盤は4-5人のパックになっていて、エイドの度に数人集まってはまた離れて、というのを繰り返していた。
CP1 どんなものが食べられるのかな!?とワクワクで到着したがちょっと食べ物が少なくて焦る。今後この感じだったらエネルギー足りなくならないかな・・・
因みに写り込んでいる選手は現地では有名なYouTuberらしい
ブリーフィングで「徒渉は前半に2回ある」と言われていたが、結果的に10回以上の徒渉w
ここはまだ浅い方。深い徒渉は膝くらいまであった。ちょっとクールダウン。

CP2/ Ban Huay Ya Sai (22.3km) 13:59
ここは何かあるぞ(食べ物)
紙に包まれたおにぎり。具は揚げた魚のほぐし身のようなもの
CP1には携行性の高い食べ物がバナナくらいしか無く、この先大丈夫かなと焦ったのだが、CP2にきたらおにぎりがあったのでほっと一安心。この先何か所かおにぎりが出現し、味が好みのおにぎりに関しては余計に持って行ったりしていた。やっぱり米があると腹持ちがよくていい。

14:45頃にマップ北側へ入る分岐に到着。ここから先暫くは180kのためだけのコースだ。たった19人のためにここを夜通し運営してくれるなんて頭が下がる。

CP3/ Wat Kong Lom (33.4km) 16:08
CP2~CP3は完全に道路で、横をバンバン車が通る脇を黙々と走り続ける感じ。レースの総距離を考えたら別に歩いていても良かったのかもしれないが、流石に平らな道路は走らなきゃだめかななどと余計な使命感でジョグを続けてしまった。この区間も当然ほぼ日陰などは無く、たまに建物の影を渡り歩いたりなどしてしのぐ。ここを通過する時間帯が午後の一番日の高い時間帯だったのは運が悪かった気がする。
セブンイレブン発見!しかしこのレースのルール的に、途中で買い食いしていいんだったっけか??と考えて結局スルー。アイスとか食べたかった。
ようやくCP3!ここで食べたコーヒーゼリーみたいなものがとても美味しかった
CP3はGPXに示された位置よりも若干先にあった(中々出てこなくて焦った)。パックはロード区間で少しほぐれてきて、ここでは私の後から2人だけ合流してほかの人は見えなくなってしまった。
エイドのお姉さんにお手洗いを案内してもらい、ここで多分初めての用を足したのだったと思う。私は今回もまた生理2日目、出血は落ち着いていたものの、用を足した圧でタンポンが若干下に降りてきた(男性には言っている意味がよくわからないと思いますが)。うーん、タンポン交換しておけばよかったか。違和感に気付いたのはお手洗いを出てしばらく走ってからだったので引き返す訳にもいかずそのまま進むことに。気持ち悪いな・・・

CP4/ Doi Dum Viewpoint (48.2km) 19:32
CP3~CP4は1000mアップの登り。1000mも登るのだから流石にこの区間は登山ぽい感じになるのかなと期待を寄せたが、林道をひたすら1000m登るという苦行であった。しかも序盤はまだまだ日が高くて暑い。気温は体感的には37度くらいあったんじゃないだろうか。本当に暑かった。
日照り・・・
伝わるだろうか、この激坂の角度・・・(写真だとなかなか難しい)
まぁしかしただただ歩いていてもつまらないのであちこち眺めながら歩いていると、天然のコウモリランらしきものを発見して大興奮。天然物なんて見たの初めてだよ!
インテリアとしてしか見たことがなかったのでびっくり
次第に日も沈んで涼しくなってきた。森の中の林道のひんやりした中を黙々と登っていくと、本当に最後の最後まで道路のまま山頂に着いた(絶望w)。
字は読めないけど、標高書いてある感じだしまぁ山頂だよねw お疲れ様でした。
こういう手書き風の文字だとGoogleレンズでも判読ができない・・・
ここでまた何人か追いついてきて一緒になる(序盤から近くにいるYouTuberふたたび)
チキンライスみたいなやつとフライドチキンとウィンナーのお弁当(完食)。
冷えてたけどまぁお腹すいていたので美味しくいただいた
山頂はそこそこ風が抜けて肌寒く、エイドのスタッフは焚火をして暖をとっていた。チキンライスセットを食べてもまだお腹に余裕はあったけれど、ここであまり食べすぎたりしても胃腸にとってダメージになるかもしれないと思ってやめておいた。

CP5/ Pai SongNgae Lerning Centre (63.9km) *Drop Bag 22:54
CP4~CP5の間で一度右の足首をぐねった。それほど酷い捻り方はしなかったが、これを繰り返すと致命傷になりかねないので慎重にいく。右足を捻ったから右足を気にしていたが何故かCP5直前頃になって左足首に痛みが出始める。痛みが出たことがないような所に痛みが出たりするのが100マイルなんだよなぁ・・・とぼんやり思いながら、その痛みが何に起因するのかそしてどういう着地の癖がこの痛みを悪化させるのかというようなことを考えて細かく修正しながら進む。特に右足を庇って左足に痛みが出てきたという感じでもない。
幅の広い道とはいえ地面がどろぐちゃのところも多く、足元にはかなり気を遣っていたと思う。しかしどう考えても田んぼのぬかるみにしか見えないようなところなのに足を置いても全然沈まないのが不思議だった。何で沈まないんだろうなとぼんやり考えていたら、牛の足跡に自分が足を置いているからそれ以上沈まないのだということに気付いた。自分より重い存在が、しかも大きな足跡をつけていってくれているから、沈まないのだ。これは助かる。
ようやくCP5、Drop Bagポイント。
ドロップバッグを2つに分けた時、私は靴を最初のドロップバッグに入れていたので自ずとこのタイミングで靴を履き替えることになった。何故後半ではなく前半に靴を入れたかというと、序盤に徒渉があって靴が濡れている筈だし早い内に履き替えておいた方が良いだろうと想像したからだ。しかし結果的にはここに到着するまでに靴は完全に乾いていたから、別に履き替えなくても良さそうだった・・・まぁ気分転換ということで。
SalomonからHOKAへ
スパイス系を避け、辛くないお粥みたいなインスタントのものを食べる。
毎回エイドにあったトムヤムヌードルはレース中は我慢し、ゴールしてから食べたw
ここのはドロップバッグのある大きなエイドということもあって撮影クルーが来ていた。皆滞在時間も長いので後から後から人が集まってきて5-6人になっていたと思う。あんためっちゃ速いなみたいなことをここで何人かに言われたので、いやーきっとそのうち失速するよと答えた。実際その不安しかないのである。
人によってはここで全身着替えている人もいた。私は靴を替えただけで他の衣類は着替えなかったが、ここへきて肛門の右脇にデキモノが出来ていることに気付いた。はじめはデキモノかなと思って触っていたらヒリヒリと痛い。これは股擦れというか尻擦れ!?酷い尻擦れでミミズ腫れのように膨らんでいてデキモノかと勘違いしたようだ。でも左右の尻が擦れたのなら何故右だけが擦れていて左は擦れていないのか。謎は深まるばかりだ。謎解きをしていても仕方がないのでとりあえず何か塗ることにする。ということで擦れには一択、プロテクトJ1を塗り塗り。まだレースは3分の1しか終わっていないというのに塗るだけで痛くてヒリヒリ沁みる。パンツの中に手を突っ込んで軟膏を塗りながら思う、私はこの先大丈夫なのか。
クルーによる撮影。まだまだ元気。
笑っているけど実は尻が痛い。
彼はドロップバッグにビールを入れてて、ここで飲んでた(強い)
序盤まったく見かけもしなかったトゥイーティーTシャツの人(写真右)はCP5に着く少し前で急に追いついてきて、この先ゴールまでずっと一緒だった。途中離れたりしつつも長いこと一緒で、相手が私にペースを合わせていたのか、向こうが1人で行きたくなかったのか、私が1人だと心細いだろうと思ったのか、そのあたりはよく分からないけれど、英語が多少わかる人だったので眠い時間帯の話し相手になってくれたのは有難かった。終盤私が文句やら溜息やらばかりだったのは申し訳なかったが・・・

CP6/ Ban Hua Pai (76km) 1:59
まだ一晩目。眠気はなかったような気がするが、日中の暑さで大分やられていたのである程度の疲労感はあった。そしてCP5を最初に出発した私に追いついてきたのはトゥイーティーとYouTuberだけで他の人は次のCPに到達してもまったく追いついてこなかった。夜間の失速か、はたまた仮眠だろうか。そして自分が撮った写真は1枚もなかったw(暗いしね)
一旦山頂まで登り終えているので下り基調のセクションだった筈だが、そんなに下ったような記憶もなく、CP6も少し登った先にあったような気がする。
こんな時間に到着するもんで、エイド担当の人達も半分眠っているような感じだった。というかここのエイドに居たのがほぼ子供みたいな年齢の人達だったので申し訳ないような気持ちに・・・(大人のこんな遊びに付き合わせてごめんよ・・・)
なんかもう子供では?という感じの子たちに世話になる
ここのおにぎりがめちゃくちゃ美味しかったので1つは食べてもう1つは持っていくことに。
なんか鶏肉が入ったやつ。
寝転がりながらも撮影を忘れないYouTuber。かなりお疲れの様子。
発泡スチロールのケースの中にあるのがおにぎり。

CP7/ Sangvalwit School (85.5km) 4:19
夜は続く。
ブログに書きたいことを忘れないようにと思って、CP6くらいまでは少しずつスマホのメモに残していたのだが、このあたりからトゥイーティーと一緒だったこともあってメモがなく記憶も薄い。なんやかんや喋りながら進んでいたのだったと思うが。そうこう言っているうちに明け方になってきた。ちょっと眠い。でもなんだかカフェインを摂りすぎているような気がしてきた。エイドに毎回、250mlくらいのサイズのペットボトルのミルクコーヒーみたいなものがあるのでついつい飲んでしまうのだが、この疲れ始めて気温も低い時間帯に冷えた珈琲をブチ込むのは胃腸にとってあまり良いことではなさそうである。コーヒー止めておこうかな、まだちょっと眠いぐらいだしもうじき朝だしとか思っていたが、なんだか急に思い出したように眠くなってきてあくびがとまらなくなってきた。トゥイーティーは少し横になろうとしてエイドの人に交渉していたが、置いてあったベッド状のものはエイドスタッフの仮眠用だったようで、そこは使わないでくれみたいなことを言われていた(多分)。結局仮眠はとれず一緒にCP7を後にした。コーヒーは飲まなかったのだったと思う。もうじき夜明けだ。
ここのエイドは明るくて広かった
ねっちょりした雷おこしみたいなお菓子。美味しい駄菓子といった感じ。
ひとつ手前のエイドでテイクアウトしたおにぎりはこのエイドで消費した

CP8/ Ban Nam Bo Mai (98.3km) 7:43
朝がやってきて雲海が現れた。日が昇ればそれなりに目が覚めるのは不思議なものだ。Finally we overcame the night section!! とかなんとか言ってみたけれどトゥイーティーも英語があやふやなので伝わっているのかよくわからない。なんかニコニコ笑ってくれはする。そしてレースはようやく半分を越えた。ペースダウンするかもしれないけれどもしかしたら思ったよりも早く、40時間くらいでゴールできて、完璧にコントロールしたゴールができるかもしれないなんて夢みたいなことを考えて、その妄想に感動して泣きそうになったりなどしていた。気が早い。
コウモリランふたたび!ここのは凄すぎて思わずまた写真を撮ってしまった。
トゥイーティーにもなんか言いたかったが、これをなんと説明すればいいのかわからなかったので何も言えずw(これは日本だと結構インテリアとして飾られていて人気があって、日本じゃその辺には生えてなくて~みたいな説明になるのか?しかもその説明をされても相手は面白くないだろうなとか思ったりして・・・そもそもそのややこしい説明を彼は理解するのだろうか等々・・・)
でこぼこで歩き辛い。無駄に捻挫をしないように慎重に歩みを進める
ここのおにぎりはガパオ!ちょっと味薄め。
食べづらいからこれ使いなよ!といってトゥイーティーが2本持ってきていたカトラリーを1つ私にくれた。(私もカトラリー持ってたけどw)
直接見ていたら特に何も思わなかったが、客観的に写真でトゥイーティーを見るとあまりにも小顔長身美脚すぎてビビる