クライミングはトップを切らないと意味が無い。折角行ってもトップで行かないのであれば本当に勿体無い。例え怖かろうと自信がなかろうと、はたまたもしかしたら時間がかかりすぎて迷惑をかけるかもしれないと判っていようと、周りの理解が得られる限りは1度はトップを行かせて貰うべきだ。
台風の速度との戦い(ちょっと大袈裟だけど)となった今回のアルパインクライミング。マスタ・
ワンさん・私の3人全員にとって初めての本チャンだったのだが、このシーズンにして北尾根を独占できるとはなんという幸運!いや、単に台風でわざわざこんなところ突っ込む人なんて居ないでしょっていうだけの話なのだけれども。
■9月29日(土)
6:34 上高地出発
↓ - 2:15
8:49 新村橋
↓ - 1:07
9:56 中畠新道分岐
↓ - 4:34(途中昼寝30分程含む)
14:30 奥又白池
↓ - 3:01(奥又白池での休憩含む)
17:01 5,6のコル
マスタと私は金曜夜発で都内からバスで松本へ。タンさん・
テラさんと共に木金で某爆釣沢での釣行を終えて松本駅に落とされたワンさんとは0時過ぎに松本駅前で合流。そのままステビをして朝は駅前の松屋で牛丼をかきこみ、電車とバスを乗り継いでいつもの上高地へ。
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台風でもこれだけの人がいた |
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この辺は用もないのでどんどん進む(って言っても明神館でいきなりアルコール摂取したけども) |
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橋のようなところを渡る(本来渡らなくて良い) |
本当は新村橋のところまで一般ルートを歩けばよかったのだけれど、勢い余っていきなりルートを外れてしまった。戻るのも面倒臭いので涸れた沢沿いを歩いて新村橋到着。
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新村橋。ここを渡ってこちら側へやってくるのが正規ルートw |
ここからダラダラとした登りがスタート。右手にナイロンザイル事件の碑があったりなどするが他には何があるという訳でもなく割と淡々としたトレイルで少々退屈。大分のんびりペースで歩いていた気がするが、それでもCTよりも早く着いてしまっていた模様。因みに中畠新道分岐までのCTは1:20。
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★登り開始 |
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中畠新道分岐到着。右へ行くとパノラマコース。我々が目指す奥又白池にのびる中畠新道は左へ。 |
中畠新道は奥又白池に向かう破線ルートで、そこから先の北尾根へ上がるルートは無線になっている。
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★谷筋を登るわけではなく、少しだけ右へトラバースするように進んで、
谷の右側にある尾根のあたりを進むルートだった。池までの踏跡は明瞭 |
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途中眠くなって眠る。マスタは眠くないとのことで先へ進んでしまい、池まで別行動に。
ここで30分程仮眠。降りてきたオバチャン2人組の気配で起きる |
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★激写された1枚。 |
自分の寝息というか寝ぼけ声で何度か目が覚めるという深い眠りの後に再び歩き始める。こういう時の眠りって本当に深いので、起きた時のスッキリ感が半端ない。
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★もうじき池かな? |
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★到着 |
池のほとりで幕営か5、6のコルで幕営か決めていなかったのだが、池に到着するとマスタがテントを張っていた。ひょっとしてやっぱりここの登りで心折れて幕営地は池に決定?と思いきや、単に休憩用にテントを立てただけと判明。確かにじっとしているには寒い気温。とりあえず行動食を食べたり写真を撮ったりしてのんびり。
ここで出くわしたソロの男性がかなりこの界隈に詳しく、コルへのルート取りもざっくり教えて頂いた。もう少し早い時期であれば、ザレの上に雪渓が乗っていて、そこを歩けば楽らしいのだが、この時期ではもう雪渓もなくなってザレが出てきているので尾根を行った方がいいとのことだった。確かにザレを歩くにしては斜度がきつそうに見える。
昔は4峰から懸垂下降で池まで降りることも出来たらしいが、今は崩落のため懸垂は不可とのこと。
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北尾根を背にして |
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明日歩く北尾根を眺める。あんなところ歩けるんだろうか・・・ |
テントを畳んで出発。暫く踏み跡はあるのだが錯綜している。あまり上にあがりすぎないようにしながら北へトラバースしていく。上へいってしまう踏跡もあるのだが、そちらを辿ると最終的に少し下る必要が出てくる。
藪の中の踏跡的なところとザレとを交互に繰り返すようにしながら進むが、ザレ場の踏跡は一切わからないので突っ込んでみるしかない感じ。特に最後のザレのトラバースは幅が広くて厄介だった。
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このガレ場を渡ったところで、向こう岸の一体どこに取り付くというのだろうか・・・ |
とりあえずマスタが確認のため単身向こう岸へ乗り込む。途中から追いかけても良かったのだが、ワンさんの省エネ思想により、マスタが向こう岸の取り付きを見つけてくれてから渡ることとし、我々はしばし合図を待つ。
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写真右側の方からトラバースしてきて、向こう岸のキワのところに黄色のペンキマークを発見。
ペンキマークはもう少し手前から、3ヶ所くらいあったと思うが、上から降りるようにトラバースすると見つけづらいかも |
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振り返って。紅葉が綺麗 |
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★「この尾根気に入った、歩きたい」とワンさんがしきりに言っていた尾根。一番手前のやつ。その奥に屏風の裏側が。 |
ガレ場を過ぎてからはペンキマークが適度についているので迷うことはなさそう。マークに導かれるがままに5、6のコルを目指して進む。
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あと少し!と思ったらこのあとまた下って登る羽目に。。。 |
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そしてコル到着。 |
コルは幕営適地となっていて、テントとテントの間は多少離れるけれども3、4張は張れるかなといった感じ。今回マスタと私のテントはコルに上がってすぐの平場に張り、ワンさんはもう少し5峰寄りのところに張った。強風の時は厳しいかもしれないが、岩やハイマツなど風除け的なものは多少備わっているので、ひたすら風を受けるという感じにはならないと思う。
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★涸沢方面。コルからは涸沢のテン場は見えない。
コルから涸沢へは1時間程で下れるとのこと。踏跡も明瞭らしい。 |
明日、もしも台風の速度が上がっていて、午前中に暴風圏内に入ることが予想された場合には、このまま涸沢方面へ下ると決め、とりあえず幕営。
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★今日は使わなかったけれども、持っていると重いので結局ハーネスは途中で履いてしまった |
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ガスが出てきた |
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ワンさん今回のシェルターはMountain Laurel DesignsのキューベンDuoMid。
初めて見たけど中広くて快適そう。但しフロアレスなので当然中は虫がたくさん・・・ |
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木金の釣行で釣ってきた2匹の岩魚が焼きがらしとなって前穂にお目見え。
1匹貰ってそのまま貪る。美味い。 |
これまでは、日本酒に焼きがらしを入れて温めて骨酒、というのばかり色々なところで味わわせて貰っていたが、そのまま食べるのは今回が初めて。焚火の煙に延々さらされた焼きがらしは燻製のように旨みが凝縮されてとっても美味だった。塩を振っている訳ではないので塩気は無いのだが、それがまったく気にならないくらいに味がある。
今回の山行が決まったのは木曜ぐらいとギリギリだった上にワンさんは釣行からの直行だったこともあり、食料計画は擦り合わせをせず個食ベースとしていた。一緒に作るご飯というものが無かった上、幕を張るとすぐ雨が降り出したので、とりあえず個別にご飯を食べてから軽く宴会という流れに。
マスタは19時台に就寝、我々は更に飲んで21時過ぎ就寝。2日目は、アタックするしないに関わらず6時には出発できるようにしておこうということで台風の進行が遅くなることを期待しつつ解散。
★のついた写真はワンさんが撮影したものです。
2日目へ続く