2012/08/27

20120823-27_北鎌~西穂ハイク(5日目:天狗のコル~西穂~上高地)

今日も晴れてくれるなんて最高!
■8月27日(日)晴れ
5:55 天狗のコル
↓ - 1:35
7:30 間ノ岳
↓ - 1:40
9:10 西穂高岳
↓ - 0:17
9:27 西穂高岳出発
↓ - 0:35
10:02 ピラミッドピーク
↓ - 0:35
10:37 西穂独標
↓ - 0:38
11:15 西穂山荘
↓ - 1:30(ご飯休憩+お喋り)
12:45 西穂山荘出発
↓ - 1:00
13:45
↓ - 1:05
14:50 田代橋
↓ - 0:48(途中梓川で足を洗うなどw)
15:38 上高地
今日もまだまだ険しい道が続く(予定)なのでメット装着。
脚の疲れは昨日の夕方と比べて大分マシになっていたため、西穂行きを決定。
というより、槍から西穂のルートを繋げられるかどうかということを考えた時に、流石にこの段階でここから降りてしまうという選択肢は選びづらかった。
雲海が広がる

クサリはあるのに使えない、けどこの看板、上から来れば見られるけれども下からだと見られない。
前情報でネットで見ていたので知っていたが、しかし支点をよく見ると、下に向かって垂れているクサリは使えそうだ。
トラバース気味についているクサリは、一番手前のところの支点が確かにぐらついていた。
クサリを掴んでも平気そうではあったが、岩にまわしてあったスリングの方を手がかりにすることに。
この右側のハーケンがグラグラ(クラックが崩壊しかけている)。
しかしその左の支点は安定しているので、トラバースのクサリも使えなくはなさそう。
下に垂れているクサリを支えている支点は問題なし。
ところどころ、クサリが無いと降りられないだろって場所もある。
幕営適地
ここにも適地。ていうか多すぎるw
荷物の重さの違いこそあれど、歩くのが物凄く速い人というのは居るもので、
我々が天狗のコルからやっとこ歩いて西穂を目指しているというのに、朝も早い内から「奥穂から来た」
と宣いながら我々を追い抜いていく人が数人いた。羨ましい限り。。。
こちらは初日から最終日まで、変わることのない高度障害でゼーゼーハーハー言いながら歩いているので遅いのは無理もないが、それにしてもこうもペースが違うと少し悲しくなってくる・・・まぁヒトはヒトだけど。
ようやく間ノ岳
西穂まで残り僅か!
そしてついに到着した西穂には人が沢山いた。途中までロープウェイで来られる場所なだけに賑わっている。山頂で色んな方とお話をしたりなどしてのんびりした後、ラストスパートをかける。
西穂山頂からの眺め
西穂から先もしばらく岩場が続いていたが、少しすると段々穏やかになってきて、いつの間にかこんなに緑色の景色に。
西穂山頂で出会い、折立から歩いてきたというソロガールと一緒に。
下り大好きな私は、酸素が豊富になったこともあって一気に駆け下りる。
マスタとガールを引き離し一気に小屋に到着。
小屋の前のベンチで相席させて頂いたご夫婦のようなお二人(どうやらただの山仲間)と話をしているとあの人もこの人もあの場所で会話をした人で全員が顔見知り的な感じにw
ワイワイと1時間半ほど盛り上がって最後は記念撮影。
北海道から来られたという4人組(写真左側)と京都から来たというソロガール(写真右上)、楽しい時間をありがとうございました!
いつかまたどこかで!
あとはひたすら下るだけ。ここが上高地界隈だとはおよそ信じがたいほどの地味な山道、
しかも特に何という見所もなくて本当に飽きる。飽き飽きする。しかも暑くてうんざりした。
何の幼虫だろう?かわいいw
唯一のイベント、宝水という水場での至福のひとくち。
西穂山荘には「この先水場なし」と看板が立っているけれども、実は水場の水は出ている。
但し、かなりチョロチョロなので、ここでボトルを満タンにするのは難しいかもしれない。
(でも美味しいよ)
こんな感じの地味な道が延々と続く。しかも地味過ぎて殆ど誰も歩いていない。。。
短いようで長い、長いようで短かった5日間がようやく幕を閉じた。下界に降りてきたのだ。
文明の匂いがする
田代橋というところを経由して上高地に戻るのだが、帝国ホテルの近くというだけあって
完全に「避暑地に遊びに来ています」という格好の、登山と縁もゆかりも無さそうな人達が梓川沿いを散策している。上高地は目と鼻の先なのに何だろうこの温度差は。
幕営のポイントは毎日大分予定とズレて、1日たりとも予定の場所には泊まれなかったけれども、予定していた日数できちんと下山ができて、予定していたルートを全て歩き通せたのは本当に良かった。
最近ここまでキツい山行をしていなかったので、体力が落ちたのかなぁと少しガッカリもしたが、たまにこういうキツいのをやって、限界感じながら歩き続ける感覚は何とも言えず気持ちの良いものだ。

それにしても今回は、北鎌も歩いたし、ジャンの直登でクライミングもしたし、あれこれてんこ盛りだったような気がする。天気にも恵まれ、最高の5日間だった。矢張り山は晴れているのが良い。。。

2012/08/26

20120823-27_北鎌~西穂ハイク(4日目:北穂~天狗のコル)

■8月26日(日)晴れ(夜間に若干雷雨)
6:30 北穂高小屋出発(腹痛で出発遅れ)
↓ - 2:00
8:30 涸沢岳
↓ - 0:15
8:45 穂高岳山荘
↓ - 1:55(カレー休憩)
10:40 穂高岳山荘
↓ - 0:40
11:20 奥穂高岳
↓ - 0:20(写真撮影+ハーネス装着等)
11:40 奥穂高岳出発
↓ - 2:20(直登ルートのためロープ使用)
14:00 ジャンダルム
↓ - 0:15
14:15 ジャンダルム出発
↓ - 2:23
16:38 天狗のコル

朝、ご飯をたべて間もなくの腹痛に40分ほどもがき苦しみ、ちゃんと起きたのに出発が遅れるという。。。
たまに腹痛がおさまると動いてテントを出る支度をする、、するとまたすぐに腹痛に襲われて小さくなる、、そしてまた痛みがおさまると動いて、、また痛くなって、の繰り返し。テントから出られない!

出発するまでに30分ほど。どうにか出発したものの、人の往来のあるこの時間に、もし途中で漏らしたりする羽目になったらどうしよう(涙)。。。とか何とか。
とりあえずどうにか事なきを得たけれども、次からはもうストッパ持参すべきかな、、、
ああもう暑くなってしまったよ
今日のルートは、手前から奥に向かって歩いてから右へ進む感じで。
大キレットと並んで難所と言われ、今年のGWには遭難死亡事故があったのも記憶に新しい北穂~涸沢岳ルート。人によっては大キレットよりも怖いという人も居るという話だったが、確かにこちらの方が怖かった。
大キレットが2度目だったのに対し、ここを通過するのは初めてだったからそう感じたのかも知れないがなかなかの高度感。前半は怖くもなく、じゃんじゃん人を抜いて歩いていたが、中盤以降はドキドキする場面も多く一気にペースダウン。
服着替えましたw
鎖場もなかなか怖い
奥穂側から登る涸沢岳はびっくりするぐらいユルフワだったけれども逆側はこんなに険しいのか。
ピークを過ぎてゆるゆると穂高岳山荘へ降りる。と、ここで8:45、、、お腹は既に減りまくっている。何か食べたい。
ランチには早過ぎてメニューが無い。ご飯200円・・・とカップ麺を頼んでラーメンライスにする?とか考えていると、どうやらもうじきちゃんとしたメニューが出てくるらしいと小耳に挟む。聞くと、9時半になればカレー・うどん・そば・ラーメンが頼めるようになるらしい。
更に涸フェスということで限定メニューのボンゴレロッソもあるとのことw 
南岳小屋で青年が食していたカレーライスが脳裏に焼き付いて離れないので、40分待ってカレーを食べることにした。
北穂で会って北鎌の話をし、かなり食いついてきた男性が居たのだが、その人と再び北穂涸沢岳間の尾根でも出くわし、更に穂高岳山荘でまた一緒になった。
北穂涸沢岳間で出くわした時に話した感じで、相当山大好きで毎日山のことばっかり考えているのだろうという想像はついたし、それについてマスタと話をしていた程にインパクトのある方だったのだが、山荘で話をするにつれ、彼がかなりの変態源流釣師であることが判明・・・いやいやあなた北鎌くらい朝飯前ですよ多分。
彼は今、もう谷筋からは足を洗い尾根歩きをしているらしいが、彼にとって尾根は谷筋よりも怖いらしい。

尾根から谷筋に移っていく人は、自分も含めて数多く居るものだと思うが、まさか逆が居るとは驚いた。聞けば聞くほどこの方変態であった。変態を引き寄せてしまった自分も変態の道を辿っているのだろうか・・・
キター!(850円+大盛り200円)
彼はこの日もう下山するとのことだったが、持参していたご飯の残りを全部くださった。
我々今回軽量化のために食糧を削りすぎ、しかし行動量が多いために空腹が尋常ではなく、こうして小屋飯で食いつないでいたのだ。なんというありがたきお恵み!
しかもとっても美味しそうなものばかりwww
変態の証。選び抜いた感のあるこのチョイスに期待がかかる・・・
大休憩ののちに奥穂高岳を目指す。
誰も彼も空身かアタックザック程度しか持っていないので自分らの装備がかなり浮いている
このルートも結構怖いポイントがあったような記憶だったのだが、およそ怖くもなく寧ろユルフワ。こんなだったっけ?あっという間に登頂。一応山頂で写真など撮りつつ、目指すはジャンダルムということで先へ。
行くのは向こうだぜっ!
って歩きはじめたらいきなりガス
来し方を見るととてもじゃないが歩けるように見えないルートが続く。
思ったより怖い
山頂に人影。遠くから見ると本当に厚みがなくて薄っぺらい山だなw
割と怖かった。。。
勿論、ペンキマークが豊富なのでルートは安心だし、そうそう間違えるようなルートでもない。しかし全体的に思っていたよりも浮石が多くて嫌らしい。
ポイントポイントでの恐怖感はあるものの、行程としては決して長くはないのであっという間に山頂は目の前。
ロープ出してるのを見るとついつい自分らも登りたくなってしまう悲しい性・・・
(写真左下にある矢印の方向へ進めば巻き道もあるので、ロープを使わずとも登頂できる)
というわけで直登しましょう。
先行のパーティーによると、15mくらいで足りるよとのこと。持参していたのは30mロープなので長さは十分。残置ハーケンでランニングを取りながらマスタがトップを行く。続いて私が登る。多分フリーで登ってしまう人も多いと思うが、ここは落ちたら洒落にならんので一応確保をば。
1ヶ所だけ危ういところがあったけれど、あとは難しい登攀でもなく。
憧れのジャンダルム!
浮かれております
遠くから眺めていたジャンダルムの山頂には、いつも人が1人2人居たものだった。
大抵山頂なんてそんなに長居するものでもないと思うのだが、ジャンの山頂に居る人は、何故か、いつまで経ってもそこに居て、一体いつまで居るんだろう?と不思議に思っていた。でも、自分がこの山頂に来てみてようやくその意味がわかった。物凄く居心地の良い山頂なのだ。
誰も居ない若しくは人の少ない山頂で、しかも広くて平らで景色が最高に良い。これは長居するの分かるわ。
暫く雲が移ろうのを眺めてぼーっと。
名残惜しかったけれど先は長いのでジャンを後にする。また来たいな。
山頂直下だけ黄色のペンキマークと白のペンキマークが混在。
あとは白ばかりだった。
ジャンを振り返る
ジャンから西穂間にはビバークポイントが多数あり、多くの人があちこちで幕営しているのだろうと容易に想像がつく。しかもいずれの場所もかなり綺麗に整地されており快適そうだから凄い。下手なテン場より良いかもしれない・・・
かなり綺麗
ここもまた別の幕営適地。
アップダウンが激しく、脚が全体的にだるく重くなってきた
平らかと思って降り立った場所が全然平らではなかった時のガッカリ感。。。
更に切れ落ちたあの先が、避難小屋跡のある天狗のコルだ
と、そこまで降りるより手前にも幕営できそうな場所が。別にもう天狗のコルにこだわらなくてもいいような気がしてくるw
そして快適なテン場であることを願って到着した天狗のコル!
あまり山行中に脚が疲れて動けなくなりそうになったり、疲労ゆえの故障が怖かったりといったことは経験がなかったのだが、今回珍しく脚がヘトヘトに疲れてしまってこれ以上歩けないと思ってしまった。明日までに脚が回復していなかったら、西穂は諦めて岳沢ルートで下山してしまうしかないかもな、とさえ思った。
この岩を攀じ登って西穂に向かう・・・って明日ここ登るのか・・。
その西穂方面の岩壁がこの写真の右側。ここが避難小屋跡だが、この岩壁からの落石が怖い・・・
(夜中カランカランと何度か落石の音もした)
石壁の内側は瓦礫のようになっていて幕営するのはしんどそうだったが、
これより下に2、3段あるのでそこに幕営できる。
幕営はできる。できるのだがなんだか臭い・・・と思ったらウンコだらけじゃないか!
ていうか。。。せめて脇でお願いします。。幕営できる平場の真ん中とか、、、どういう嫌がらせなのかと。
仕方なく石でどかして幕営しましたが。気分のいいものでもない。かなり萎え気味ながらもご飯の支度をする。。。
変態源流釣師さんから頂いたラーメンは麺がもちもちで激ウマ。生麺みたい
更に、、、まるごとトマト1個入っているというクノールのカップスープを3袋(つまりトマト3個w)。
まるでトマトピューレを飲んでいるかのような濃厚さ!山で食べるトマトの美味しさといったら(悶絶)。
トマトを粉にして持ち歩けるなんて奇跡かと。これは長期山行の食糧の定番入りしそうな予感。さすが変態さん目の付け所が素晴らしい。
長かった1日も終わり、明日の朝までに疲れが取れていますように・・・
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