八丁平だと思い込んでいたところ |
こちらが正しい八丁平 |
もう少し進むと本当の八丁平の道標が現れた。とはいえ、実際の八丁平よりも手前の方が余程平らだったのだけれども。テープもトレースもある道をとことこ歩いていくが、割と危なっかしく切れ落ちたトレイルもあるため慎重にいく。お天気は下り坂。
猛々しい岩場がガスの中にうかぶ |
雪が深くなってきた |
シャクナゲをかき分けながらテープを辿るとひょっこり山頂に飛び出す。別に頂になってないけどここが山頂なのか・・・ |
説明を追加 |
これは・・・
この調子が暫く続いたりでもしたらとてもじゃないが明日下山できないのではないかという一抹の不安がよぎった。雪から脚を引き抜いて、その特徴の少ない尾根を眺めてからGPSを見ると、歩くべき尾根よりも少し西の別の尾根に乗りかかっていることに気が付いた。これは面倒臭そうである。なんだか自分の力量を超えた読図力が必要そうな気がする。iPhoneのGPSが死んだら多分終わりだ・・・(そしてその時、充電用ケーブルがApple純正品ではないことを示すエラーが表示されており、時折充電ができなくなるという現象が起き始めていた・・・)
シュラフのスペックを落としたことで夜よく眠れず、私自身が意外と今回疲れている上、スマホの充電エラー現象。それに今回はこれまでになく物を必要以上に落としまくっている。夏の登山靴にウールではない化繊靴下(しかも焚火で穴が空いた)+ゴアソックスだったが既に化繊靴下は濡れていて、その状態で踏み抜きを繰り返した足先は、とても冷たくなってしまっていた。テントのフライシートは持ってくるのを忘れてしまったから夜間に強い雨が降り出したらその雨をしのぐ術が無い。色々とフラグが立ちすぎていたので、ここは潔く諦めて下山することにした。目指すは廻り目平。
振り返るとぽこぽこした岩のライン。なんだろうあれ? |
シャクナゲのトンネルをくぐったりしながら漫然とトレースを辿っていたら、あれこんなトラバースするところあったっけ?となり、案の定トレースが間違って崖に突っ込んでいたりして引き返したりなどしつつ下る。
もっと近くまで行けるルートもあったが、小雨が降り始めていたため近付く気力はなかった |
平気で梯子かかっていたりする・・・ |
金峰山荘のお風呂に入ってから川端下(かわはけ)バス停まで1時間ほど歩くも、なんとバス停の位置がわからずうろついているうちにバスに追い抜かれてしまった。仕方なく秋川中央バス停まで更に歩き、結局全部で2時間半ほど歩かされてしまった。とはいえその道すがら、あちばけダムの向こうにハタクボ頭の尾根を観察することができたので、次回の参考としたい。遠くから見た感じでは、ダムよりも西の方へ下る尾根を使った方がよさそうだ。 否、次回このルートをやるとしたらやっぱり登りでやろう。くだりは間違ったときが怖いし。
この店、左側に見えているオレンジの店・・・ファミリーマートやまなかっていうw ファミマではないのだけれどもw |
ひとりで破線や無線のルートを歩くことに慣れてはいないという緊張。30mロープとハーネスは持参したものの、懸垂下降した後に万が一上り返す羽目になったら正直ひとりでのぼり返しなんて無理なんじゃないかという不安。如何せん登った先が金峰山だから楽なわけがないという確信。そんな中で攻めた無線八幡尾根だったけれど、なんだかんだいってこれまで破線無線をたくさん歩いてきて「人がちょっとは入っているところ」「人がまったく歩いていないところ」の違いとか、例え藪が酷くて視界が見えなくとも道がどうついているかというような勘はうっすらついていたし、今となってはiPhoneのGPSという心強いパートナーがいるお陰もあったので、どうにか踏破することができた。
他の人の記録では、藪で心が折れそうになるとあったが、私はもっと酷い藪を経験していたので、心が折れそうにはならなかった。でもこれは人それぞれだし藪経験の多さにも拠るだろうから、安易に立ち入らない方が良いような気もする。しかし、かき分け、かき分け、参考程度につけられているテープが暫く現れなくて不安になりながらそれでも藪を漕いでいるといつの間にか少しずつ藪が薄れて突然握った細い木の幹にテープが巻かれていたりなんかして、おおっ!と声をあげながら進む感じ。 これだから藪は楽しい。
あんまり藪が深すぎる上にぼやけた地形だったりすると地図読みどころではなくてGPSに頼り切った山行になってしまう気がするので一概に藪に行くべし藪を漕ぐべしとは言えないのだけれど、地形がダイナミックな場所のハードな藪漕ぎというのが理想ではある。
一人で長くラッセルができる、という能力に似て非なる、一人で長く藪を漕げるという能力。すてきだ。また、先へ進みたいと思わせてくれるような力強い藪と対峙したい。ひたすらに。
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他の人の記録では、藪で心が折れそうになるとあったが、私はもっと酷い藪を経験していたので、心が折れそうにはならなかった。でもこれは人それぞれだし藪経験の多さにも拠るだろうから、安易に立ち入らない方が良いような気もする。しかし、かき分け、かき分け、参考程度につけられているテープが暫く現れなくて不安になりながらそれでも藪を漕いでいるといつの間にか少しずつ藪が薄れて突然握った細い木の幹にテープが巻かれていたりなんかして、おおっ!と声をあげながら進む感じ。 これだから藪は楽しい。
あんまり藪が深すぎる上にぼやけた地形だったりすると地図読みどころではなくてGPSに頼り切った山行になってしまう気がするので一概に藪に行くべし藪を漕ぐべしとは言えないのだけれど、地形がダイナミックな場所のハードな藪漕ぎというのが理想ではある。
一人で長くラッセルができる、という能力に似て非なる、一人で長く藪を漕げるという能力。すてきだ。また、先へ進みたいと思わせてくれるような力強い藪と対峙したい。ひたすらに。
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