2012/06/24

20120623-24_笛吹川東沢鶏冠谷左俣三ノ沢+鶏冠尾根下降(2日目)

日の出が一番早い時期だというのに8時近くまで眠り呆けるというのは一体どういうことか。
6時出発の計画で16時下山予定だったのに、もう起きた時点で計画が崩壊した。
夏至ってなんだい・・・我々の眠気の前では太陽も無力だということなのか・・・
(いやほんとにどうやって起きればいいんですかねこれ・・・)
でもご飯食べるもんねー(この期に及んでまだ焚火している)
■6月24日(日)曇時々晴れ
10:30 出発(すぐに二ノ沢)
↓ - 0:30
11:00 三ノ沢出合
↓ - 2:30
13:30 尾根到着
↓ - 0:23(おにぎり)
13:53 出発
↓ - 0:57
14:50 鶏冠山山頂(百名山ではない看板の方)
↓ - 0:37
15:27 鶏冠山山頂(百名山頂上標ありの方)
↓ - 1:00(第三岩峰はどこかわからずスルー)
16:27 20m懸垂下降地点
↓ - 0:33(懸垂&ロープ片付けなど)
17:00 懸垂下降地点出発
↓ - 1:15
18:15 チンネのコル
↓ - 1:48
20:03 鶏冠谷出合
何度も登場してますがちゃんぽん(乾麺)で朝ご飯。野菜的な具が無かったが魚ソーだけ入れた
ようやく出発
本谷遡行の遡行図が探せずに、元々三ノ沢の遡行図を持ってきていたので、
この日の詰め上がりを本谷から三ノ沢へと変更するのは然程無謀なことでもなかった。
もう少し水量の多い場所を長く歩いていたいと思ったりもしたが、そんなこと言うなら早く起きろという話で。
あまり悠長に迷ってる場合でもないのでどんどん進む
と、あっという間に三ノ沢出合に到着。出発から僅か30分・・・
ナメってます
恐怖を感じるほどのレベルでもなく、かと言って退屈する程単調でもない適度な登攀が続き楽しい
多分青いラインのような感じで登ったと思う。
スラブ終盤で右岸の草付へ移動
ふんぐっ
もう後半戦なのでもっと水量少ないのかと思っていたけどこれでもかってくらいちゃんと濡れた・・・
最後の涸沢の出合。右へ。
ここが問題の場所・・・
赤いラインで稜線に上がれば、青いラインで上がるよりも鶏冠山のピークに近いのは判っていた。
稜線までの間は極く普通の樹林帯で、デメリットを挙げるとすれば、地味で暑いだろうなという程度。
木がきちんと生えているし、歩きづらくて滑り落ちるということもまずなさそう。

なのに何故青いラインで、わざわざ岩の登攀を選んで、稜線を目指したのか・・・
こんなキャンプしてからまだ1ヶ月半しか経っていないんだもの、ちょっと試したくなってしまうのが悲しい性、
わざわざこんなところで試さなくたっていいのに(私がこっち行くって言った・・・)
稜線的なところ見えてるし大丈夫!
途中まではね
うん?稜線まだ先だ・・・
わー!岩のせいで岩のその先が見えていなかっただけだった!
ただのスラブかと思ったら岩が滅茶苦茶脆い。乗っても掴んでも悉く崩れる・・・駄目だ・・・
仕方がないので私はスラブの右側へトラバースし、土の斜面まで辿り着いたところでキックステップ、
シャクナゲに手を伸ばして勝手に尾根を目指すことに。
一方マスタはスラブの左の方に居てこちら側にトラバースできるような状況でもなかったので、
私と反対側のシャクナゲ地帯に入って稜線を目指し、鶏冠尾根上で合流することにした。
一時的にパーティー解散w (方法としてはあまりよくないとは思うがw)
キックステップ中
私のとったルートのシャクナゲ漕ぎはそれほどきつくもなかったので、割とすぐ尾根の踏み跡に出た。
マスタ側のシャクナゲ漕ぎが酷かったようで、合流まで私が尾根で10分ほど待機することに。
おにぎりを食べつつマスタ待ち・・・
この奥にマスタがいる(ここを漕いでる)
昨晩炊いたご飯で握ったおにぎりを食べて後半戦に備える(ていうかもう13時半過ぎてる)
具はキューピーの肉味噌チューブ(小さいマヨネーズみたいなのに入っていて美味しい)。
雨降りませんように・・・
詰め上がったポイントからここまで、30分くらいのつもりでいたのに結局1時間近くかかるという・・・
僅かばかりの展望
今回の脆脆スラブから脱出できたのは君達あってこそ、しかしそのあと行く手を遮っていたのも君達だ・・・
もう少し心穏やかにシャクナゲを眺めたいものだ小悪魔シャクナゲよ・・・
無線ルートだけど一応道標は其処此処にある
第3岩峰がどこのことだったのかわからなかったけど、迂回はしてなかったぽい。。。
100名山が無線ルート上にあるとか(頂上2箇所ある)。展望良さそうだけれどもよく見えない。
一応釜ノ沢の乙女の滝とか東のナメ滝の上部とかが見えている。
ひたすら岩場続き
しかしまだフェルトソールの沢足袋のまま。
ようやくトレランシューズに履き替えたところでトラロープの下降、そしてこのあとようやく20m懸垂下降地点。
トラロープはあったけれども、うっかり落ちたら20m下までいってしまうので、念のためおたすけロープで懸垂w
別に懸垂下降は何度もやっているから、支点さえしっかりしていれば怖い要素ないでしょ、
と余裕こいていたけれども、いざその場に立ってみるとそれなりに足は竦むもので。
2人立つのに十分なスペースはあるのでそこまで怖い訳ではないのだが、20mも懸垂するのは
何気に初めてなので慎重に。。。
リングボルト2本とハーケン2本、それらに渡されたスリング類全てにまたがって
25KN×8KNの環なしのカラビナがつけてある。環無しなのか・・・
支点は信用のおけるものだったのでそのまま使わせて頂いた
私の番。
途中に一旦テラスがあり、そこにもリングボルトとスリングが見えたので、
2度に分けて懸垂している人も居る模様
40mダブルロープで下ったけれどもまだロープは余った。
尚、ここは丁度P1986の真北あたりにある等高線の詰まった辺り。
ここが終われば一安心。。。と思ったらそうでもない・・・岩場が終わらない。
鎖場が容赦ない
鎖が無かったら結構まずいような場所ばかりが続く
鎖が長いので兎に角重たい!!
携帯のGPSを見ると、思っていたルートから大分外れている。とはいえこれだけはっきりしたルートなので信じて進む
きっとどこかでダイナミックに東側へトラバースするんだろう(P1986から只今ほぼ真南に進んでいるところ)
チンネノコルなる場所でぐきっと東へ折れてトラバース。あまり地形図見てもコルっぽくないけど
地形は微妙にコルっぽくなっていた。ここから2時間て、今、18時ですが、、、日没は19時過ぎだけど、、、
左側の岩に沿って水が染み出している。眼前は昔崩落したような跡地。
石がごろごろしているが、浮石という感じでもなく割と安定している。けれどこのあと結構な急斜面が続くので
雨の日に敢えて突っ込みたくは無い。
ルートは明瞭。ルートサインも豊富。
暗くなってからようやくヘッデンで沢沿いに戻り、再び沢足袋に履き替えて沢に入ったりなどしつつ
どうにか無事に西沢渓谷まで到着。チンネノコルで書いてあった通りで案の定出合まで
2時間近くかかってしまった。
道の駅みとみへ移動して身支度をしようとしたらクワガタを発見。ミヤマクワガタ、、初めて見た。
かわいい。
このクワガタ君が繋いでくれたご縁なのか、クワガタ採りの方に駅まで車に乗せて頂けることに。
ありがとうございました!
因みに、記録があれば必ず参考にしている東工大ワンダーフォーゲル部のサイトだが、
今回は鶏冠尾根の下降の記録があったので参考にさせて頂いた。
これは2004年の記録で、現在より踏み跡も大分不明瞭だったようだ。

よくよく読むとわかるのだが、やはり第3岩峰の5m懸垂箇所は彼らもどこだかわからず終わっている様子。
しかし第2岩峰に関しては、おそらく我々は稜線伝いに岩場を登ったり降りたりしていたので
彼らのように脇をトラバースはしてこなかったものと思われる。
というかトラバースできる気配がしなかった・・・あんなところトラバースする方が余程怖そうだ。

あと、今回検証したかったのが『自分達のCTが一体東工大の記録に対して何%のスピードなのか』という件。
過去のデータを踏まえ、仮説として、今回1.4倍で計算してきたのだが、これが今回はうまくいった。

東工大CT(休憩時間を足したもの)を『1』として、それを1.4倍したものを自分達のCTとした上で、
自分達のCTには大休憩を含まず、小休憩のみ含んだものとして計算する。つまり
『おにぎりを食べたりするつもりがあり、10分以上はかかるであろう休憩』
『まだ不慣れな入渓準備など、普通の人よりも時間をかけていると思われる休憩』
『明らかに等高線がゆるやかな地点があり、そろそろ疲れてきているかもしれないので休憩するかも』

などで大幅に時間を要する可能性があるものについては別途プラスする。

つまり全体としては1.4倍では全然歩けていない訳なのだけれども・・・
これで今回計算がうまくいっているので、次にまた東工大の歩いた道を辿ることがあれば
もう一度この仮説を検証してみようと思っている。
まぁ東工大といっても歩くメンバーは毎年変わっている筈だし、ペースが一定とは思えないけれど
大幅にずれることもないんじゃないだろうかと期待をしている。

これで数値が安定したら、CTの予測を立てるのが割と楽になりそうな気もする・・・

自己満ですみません。
まぁものの見事に刺されまくり。お陰で翌々日に38.6度まで熱出して寝込んだ・・・
尚、遡行図はひろたさんのHPに掲載されているものをプリントアウトして持参。
こちらもよく利用させて頂いてます。安心の遡行図。ご贔屓に。

1日目はこちら
ヤマレコはこちらからドゾ

20120623-24_笛吹川東沢鶏冠谷左俣三ノ沢+鶏冠尾根下降(1日目)

昨秋、すけろくさんに連れて行って貰う予定でいたものの、雨で計画が流れてしまい
そのままになっていた遡行計画があった。(因みに、その代わりとなった山行はこちら
台風4号グチョルの通過直後となるこの土日はこのルートに捧げよう。気を引き締めていこう。

昨年このルートの計画が出た時点では、正直自分達の力だけで鶏冠谷は厳しいのではないかと思っていた。
だから自分達よりも実力レベルの高い人に連れて行ってもらう位が丁度良いなと。
しかしそれ以降、何度か沢へ入り沢の勝手もそれなりに判ってきて、
1度だけとはいえ外岩へも登って、登れる場所と登れない場所の判断が多少つくようになり
登れる場所を無駄に怖がる必要はないなというほんの少しの度胸もついた。
十分とはいえないが大分機が熟したかもしれない。行くなら今だ。

・・・とまぁ今回鶏冠谷を選んだことについては後付けの理由で、
私自身は昨年すけろくさんとそんな話になっていたということさえも忘れていたのだけれどもw
とりあえず鶏冠尾根については、木賊山のあたりを歩くと取り付きの道標があるので、
その道標を見かけた時からの仄かな憧れの尾根でもあった。それではいざ。



■6月23日(土)曇時々晴れ
11:24 西沢渓谷バス停到着、出発
↓ - 0:36
12:00 鶏冠山方面分岐
↓ - ?
??  鶏冠谷出合
↓ - 1:24(入渓準備、ご飯、出くわしたご夫婦とお喋り)
13:24 鶏冠谷出合出発
↓ - 2:46
16:12 逆くの字滝
↓ - 0:45
16:57 二俣
↓ - 1:50
18:47 幕営地点(二ノ沢手前)

9時台のバスで西沢渓谷に向かおうとするも、土日の晴天ということでバス満員でなんと乗れず…
立ち乗りでもいいので無理ですかと掛け合うも断られ、臨時便もないとのことで
いきなり1時間以上のタイムロスを食らうという衝撃の幕開け・・
明日下降予定の鶏冠尾根は雲の中です・・・
二俣吊橋を越えて少しすると「西沢渓谷」と書かれた大きな看板が(写真左に少しだけ写り込んでいる)
西沢渓谷を回るルートは看板の左側を直進、鶏冠山方面へは右の樹林帯に入っていく
踏み跡を辿り沢沿いをしばらく進む(下り口ぽいところが2ヶ所あるけれどどちらで降りても問題なし)
多少足場が悪いのでトラロープもあり
防水チェックも含めた入渓準備とお昼ご飯のおにぎりを食べていざ鶏冠谷へ!
沢でサコッシュみたいなのを体の前面にぶら下げていると前傾姿勢の時に非常に邪魔だということもあり
今回はサコッシュごと100均の非常用携帯水タンク?みたいなのに入れてザックにしまうことにした。
水タンクの防水性能は最高。水を運ぶものなので当然といえば当然。
しかし矢張り出しやすいところに入れておきたい『虫除け』『痒み止め』『日焼け止め』については
ザック本体に入れていると出し入れが不便なために使用頻度が下がる。
結果として虫にアホみたいに刺された・・・
2日目、酷い虫刺されを教訓として、このミニボトル系3本はザックのサイドポケットに
突っ込むことにしたのだが、私のザックのサイドポケットには最初から1ヶ所穴が開けてあるため、
径の小さなボトル類は穴から落ちそうだ。

落としても困るので、今回はキッチン用のビニール袋(スーパーにロールで設置してあるようなタイプの袋)に
まとめてからサイドポケットにしまったが、出し入れする内にその袋も切れ、
矢張りいつ落としてもおかしくないような状況になってしまった。
かと言ってこんなところに丈夫なビニール袋でも入れようものなら、水抜けが悪くて仕方ない。
どうしたものか。試行錯誤は続く。
丈夫なリールコードみたいなものでザックに取り付けられるサコッシュとかがあれば良いのか?
一度釜ノ沢の方に向かう東沢の本流を渡渉し、緑の生い茂った鶏冠谷に入渓。いきなりいい雰囲気。
魚留滝。結構上の方までボルトも残置ハーケンも無い。右から巻ける。
平らな岩の上を滑る水と戯れるw そんなことして転んでも知らないよ・・・
台風の影響で全体的に水量多め。
やたら濡れるw
ナメってます
大したところではないんだけれども10mのおたすけロープをダブルで懸垂下降。
後半の予行演習的な感じで。
逆くの字滝。こうして写真で見てみると確かに逆くの字w
このスリングの先にロープをかけて、水流の中を行くのが本当らしい。
知らずにこれに掴まって無理矢理へつったw どうりで滑るw
どうりで残置スリングが変な掛け方だなと思ったよ

 
ここは深かったんだっけかな
奥飯盛沢との出合の辺り
案外はっきりとした踏跡のある巻き道。右岸を割と高めに巻くけれども怖くはない
巻き道から下を眺める
ナメナメ
ようやく二俣に到着。今回は左俣遡行なので左へ。右はこのあとすぐに大滝があるみたい
倒木と崩落エリア。左斜面が激しく崩落していた。
最初は右岸の上の方を巻き、奥に見える岩の手前辺りで降りる 
遡行図的に言うと8mナメ?のところになるのだろうか、かなり登りづらいナメ滝がある。
右岸から巻けそうだったがマスタが右側を直登するので私も直登する羽目に・・・
しかし登れない!この距離をゴボウで登ることに。きつかった・・・
と、ようやく一ノ沢登場。いや、なんか右も左も登るの大変そうなんだけど。
と思ったら巻くみたい。良かった。
しかし少し上にある踏み跡に微妙に取り付けないw
ということでまた私はおたすけロープでゴボウ。。。なんか自分の力では全然沢ダメそうだな・・・
何かに掴まって登る、ってことばかりしているような気がして悔しい
ここの巻き道はそこそこ怖かった。高度感が・・・
下り口はするりと何事も無く。
と、眼前に二ノ沢見えた!
元々二ノ沢の手前付近に幕営適地があると遡行図にも書いてあったのでどこが適地だろうと
見回してみると、大規模な崩落箇所のすぐ脇に微妙な砂地を発見。
少し奥まで行ってみるも、ここ以上に広い場所もなかったので、今晩はここで寝ることに。
どうも下の写真の上部分に写り込んでいる崩落のせいで、元々もっと広かったと思われる
幕営地がかなり潰れてしまったようだ。

タープを張ったこの場所は、少しだけ沢の水面よりも高い位置にあったが、
増水について油断して良いほど高くはなく、本当に気休め程度でしかない。
丁度沢が微妙にカーブしている場所だし、おそらく水が増えてここまできて、砂が堆積したのだろう。

万が一の時はこの崩落箇所の左側のあたりの斜面を登れば命は助かりそうだと目星をつけて
夜の支度をスタート。もう19時なので本当は焚火とかしている場合じゃないような気もしつつ
しかしちょっと寒いし、お米炊くなら焚火したいよねという暗黙の了解で焚火開始。
良くも悪くも、増水で流れ着いたカリッカリに軽い流木がたくさんあるので薪集めは割と楽。
炊き上がり!また少しだけ焦げた・・・
サンマの蒲焼のレトルトパック?みたいなものをご飯にのせたサンマの蒲焼丼。
タレと山椒が付属していたのにマスタは山椒を脱酸素剤と間違えて焚火に突っ込んでしまった・・・
因みに、これにヒントを得て、、、缶詰のサンマをジップロックに入れて持参するのも良いなと思った
液漏れするかな?
殆ど曇っていたので写真がイマイチどんよりしているけれど、とても良い沢だったのだよ
ということだけは伝えておきたい・・・

2日目はこちら

ヤマレコはこちらからドゾ