あなたがもし1人暮らしで、2週間家を空けることが決まったらどんな準備をするだろうか。
冷蔵庫の中身の整理、排水溝の掃除、最後のゴミ捨てがいつになるかの確認、通販やサブスクなどの到着日の調整。そんなところだろうか。
そしてその2週間で海外に2か所行き、その両方の国でトレランのレースに出ることになったとしたらどうだろうか。1つ目のレースが終わってから次のレースまでの間に洗濯と疲労回復、次の場所への移動が必要だ。爪もムダ毛も伸びているだろう。必要な装備はいつもと少しずつ変わってくる。
更に、1つ目のレースが渡航の前々日にキャンセルになってしまったとしたらどうだろうか。航空券の手配のやり直し、コスト計算、パッキングのやり直し、有給申請の変更が必要かどうかの検討、そもそも1ヶ所目の目的地に渡航するか否かの判断。
私は今回この状況下に置かれた。一体何を試されていたのか。渡航タイミングに合わせて私なりにピーキングしていたのにレースのタイミングは1週間後ろに倒れてメンタルも結構やられた。それでもどうにかこうにか立て直してスタートラインに立つことができ、きっちりゴールできたのは我ながらよくやったと思う。レース終盤はまったく走れずズルズルとゴールした感じにはなってしまったけれど、当日を迎えるまでに試練をいくつも乗り越えていたことを考慮すれば上出来と思いたい。
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自作の行程表。2日~7日の予定がばっさりなくして8日からスタート |
ベトナムはとある事情でチーム戦だったので、ベトナム行く?行かない?どうする?みたいなやりとりがあったことはせめてもの心の支えになった。仲間が居て本当に良かった。
ベトナム戦がなくなった週末は山に行くかどうか迷ったが、近場の山の天気が良くなかったこともあり、雨で風邪をひくのも困るなと思って近所を走るにとどめた。2回分の海外レースの準備という初めての経験で難航していたパッキングだったが、レースが1回に減ったことで順調に進むようになったのは皮肉なものだ。
2025/10/8 ‐9(Wed-Thu)
Priority Passお使いの方はお馴染み、成田空港T2で食べられるステーキセットを朝7時半開店と同時にいただく。 |
更に朝からビールで乾杯 |
ハノイ着陸前の下界の様子。台風の被害が酷く、1週間経っても街は水浸しだった。 飛行機で隣に座っていたベトナム人女性と話したところによると、レベル12というとても大きな規模の台風だったらしい。 |
ハノイのトランジットでフォーにありつく。美味しかった! |
「悔いがないよう、自分が一番出たいものを選択したらいい」
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カテゴリーは16、40、75、100、180の5つ |
朝チェンマイに着いてから皆と合流するまでに時間があったので美味しいカオソーイ屋さんを探して散歩。10kgの荷物を背負い片道50分弱でこちらのお店へ |
チキンのカオソーイ、60バーツ(300円くらい)!美味しくてスープまで完飲。 レース前は辛い物は控えようと思っていたがこれは流石に誘惑に勝てなかった。 チキンは骨付きのものがドーンと乗っている。わざわざ行った甲斐があった! |
初対面で密着3時間www日本だったら乗車人数オーバーで捕まるやつ |
全部タイ語で押し切られそうになるブリーフィング。英語はやんないのかと誰かが言ってくれてこの後英語のブリーフィングもしてくれた。タイ語は無理だって・・・w |
ドロップバッグは60km地点と131km地点の2ヶ所ということだったので、同じバッグが次の地点へ移動していくのかと思い込んでいたのだが、それぞれにバッグを用意しろと現地で言われててんやわんや。(勿論、片方の地点にしか預けないという選択肢もある。)予備シューズは131km地点に置きたかったが序盤に徒渉があるというし60kmで履き替えた方がいいだろうかとか、あれこれ考えながらバッグを二分割にして預け入れ完了。果たしてあれで大丈夫だったのだろうか・・・
ホテル敷地内のバーで一緒にご飯。この時まだ誰が走る人で誰がスタッフなのかもわかっておらず、ここで聞いてようやく「全員が180kmを明日走る」ということを知るw 因みに写真でひとり立っている彼は180kmで優勝。26時間・・・(速)。 |
皆でシェアしよう!っていうから私はヌードルみたいのを頼んで、他の人も別々のを頼んだのだろうと思っていたら全員ヌードルから始まってこの後ピザ2枚にフライドチキンみたいなやつとかなんやかんや出てきてレース前夜のフードファイト開始。私が言うのもなんだが皆よく食う・・・。最後は犬に食べさせて終了、いや犬・・・塩気だめだろ・・ |
シャワーはうまくお湯が出ず(部屋によるみたいでゴール後使った部屋のシャワーはお湯が出た)。下にある黒いバケツに溜め置きしてあるぬるい水で汗を流す |
スタート時のラインナップ、カフェインのMedalistとKODAパウダーは消費せず。 左下のスプレーは虫よけ用のハッカオイルとシーブリーズのMIX、その隣は硫黄塩。 今回暑さで発汗量が多く、たびたび脹脛が攣りそうになっていたので硫黄塩が活躍した |
・エネルギー:レギュレーションは無し、エイド間の距離は8~15kmほど、ドロップバッグが2回あることを踏まえてスタート時1000kcalほど持参。バリのレースの時はエイドの食糧の携行性が高く、エナジーバーのようなものが多々あったのでそれを期待したが、今回は携行性の低いものばかりですこし心もとなかった。
・水分:インナーファクトのフラスク500ml×2+ナルゲンボトル350ml×1 皆のすすめで350増やしたが、結果的には350に手を出すことはなく、途中で中身は空にして進んだ。
シェル系、最早どちらもロゴが消えてボロボロw 距離が長く仮眠する可能性もある上、仮眠スペースがどのように確保されているかも分からなかった為、エマージェンシーシートを使って眠ることもあり得ると想定してシートではなくマミー型のものを選択。 |
<服装、装備>
・ヘッドギア:HerenessのFOCUS CAP(チームのロゴ入りオリジナルデザイン)
・上半身:Finetrackのノースリーブドライレイヤー+Patagonia半袖T(前半はチームのロゴ入りのもの、WP12でどこかのレース会場で買ったものに着替え)、ORのアームスリーブ(日差しがきつすぎて日中もほぼ装着していた)、チャリ用指切りグローブ(テクニカルな下りなどが無く転倒の危険がないことから、結局装着せずに終わった)
・下半身:知り合いがカモシカの刺繍を入れて販売してくれているバギーズショーツみたいな感じの短パン(3000円くらいの)、CW-Xのボディバランスアップスパッツ・ショート(BCY101)、ドライマックスのソックス
・ライト:レッドレンザーH8R(メイン)+充電式のAmazonで数百円だったヘッドランプ(予備)
・ザック:The North FaceのTR10
・シューズ:前半Salomonのsense ride4→WP5以降はHOKAのTorrent4
・その他(必携装備等):エマージェンシーキット、レインジャケット(ORのヘリウム2ジャケット、一度も着ず)、ウィンドシェル(Patagoniaのフーディニジャケット)、レッグウォーマー(モンベルのジオラインLWレッグウォーマー、寒さ対策で持参したが使わず)、ヘッドライト予備電池(レッドレンザー用)、モバイルバッテリー(Ankerの10000mAh)+ケーブル、ヘリテイジのULトレイルポール、ティッシュ&ビニール袋、生理用品、Fold-a-cup(マイカップ必携のため)、手拭い、スノーピーク極カップ+100均カトラリー(推奨装備だったが一度も使わず)、サングラス(サングラス無しは考えられないくらいかなり長い時間装着)、COROSのVertix2S(これまでのPace2から新調、電池の持ちがよく43時間半使用後もまだ25%もバッテリーが残っていた)、クレジットカード・パスポート・現金一式、100均の反射板、エマージェンシーシート(100均のマミー型のもの)
レース前編へ続く