100mileではなく80kmの方を選択したのは、確実に完走するためだった。
諸事情あって、このレースはどうしても完走しなければならない理由があったのだ。
80kmに出走したことで当然きっちりゴールすることができたし、目標としていた15時間台を大きく下回り14時間かからずにゴールが出来たことで自己肯定感もほんのすこし上がり、自分にとっては良いことしかなかった。レースが終わってからリザルトを見てみると、女子の100mileを完走した人の顔ぶれが凄まじかったので、これは仮に欲を出して100mileに挑戦していたとしても完走できなかっただろうなぁと思った。80kmで良かった。
バリ島でのレースBTR Ultraが終わってから約1ヶ月半。
バリは100kmのレースで、そもそも初めての海外レース、累積標高も7000m超えと少し完走に対して不安のあるレースだったが、それに続く今回のUonumaは80kmで累積標高4000m程と個人的には割と心配の要らないスペックだった。距離と累積でいえばほぼハセツネに近いし、トラブルがなければ完走できるだろうという確信があった。しかしそのせいでコースの分析もろくにせずに当日を迎えてしまい、パッキングは家を出る日の早朝にやるという体たらく。レースは金曜正午スタートだったが、ちょっぴり乗り鉄の私は都内から各駅停車で6時間半かけて前日に会場入りすることにした。ある意味贅沢な木曜昼間の大移動、最初の修業(苦行)は乗り鉄タイムをほぼアルコール無しで過ごすことだった(まじ苦行)。さすがにレース前日に6時間半飲み続けるのはどうかと思ったのでアルコールは控えた。旅の序盤、都心を抜ける前に電車が遅延しはじめてしまって前日受付に間に合わないかと思われたが、どうにか電車も接続してくれて助かった・・・。
受付会場である入広瀬へのアクセス最終章、只見線に乗る前に1時間の待ち。 この時間を利用して、片道15分ほどのコンビニへ買い出しに向かう |
1両編成の只見線! |
只見線に乗ってようやくビール解禁!そして鉄分補給のレバーw (今回もまた女子の日とレースが被りました・・・) |
ここから徒歩数分で受付会場である入広瀬小学校に到着。 受付は17:00迄だったが、駅に到着したのが16:45くらい。小学校は既に廃校となっているところを借りてスタート/ゴール地点としているようだ |
物販は協賛のGoldwinメインであまり店舗数はなく、ブラブラ会場を楽しむには小規模だったのであっという間に見終わってしまった。特にあてもなく歩いていると、丁度メインステージのようなところの脇で上位入賞者のための木製の盾が並べられていた。よく写真で見かける、UTMFで入賞すると貰えるような感じの盾だった。(そもそもこれは盾と呼ぶのか、木製のトロフィーと呼ぶのか、よくわからないけれども。)
嗚呼、私、これ欲しいな!シンプルにそう思ったら入賞のイメージが一気に強くなった。負けそうになったらこの盾の姿形を脳内で反芻すれば力になると思った。こんなの家にいっぱいある人にとっては邪魔なものかもしれないけれど、持っていない人にとってはちょっと魅力的なんだよな。
実際に近くで見るとものすごく魅力的に見えるものだな・・・ |
セブンのつくねセットみたいなやつとレモンサワーで晩酌。 控室は飲食禁止と書かれていたので、小学校敷地内のプール跡地にて。エモい! |
夕焼け鑑賞会 |
信号が近い |
音楽室で就寝。右奥に2人くらいスタッフの方が眠りにきただけであとは私1人だった。 廃小学校の音楽室で眠るという体験もなかなかできるものじゃないので、これはこれで楽しい。人も少なく普通に朝まで爆睡。 |
6/27(Fri)12:00 Start
寝泊りしていた音楽室からスタートゲートまで徒歩1分以内というあり得ない状況で、20:00~8:00くらいまで1度くらいしか目覚めることなく爆睡。9時頃に一通りの炭水化物をブチ込み、テーピングや水など最後の準備を整えてまずは100mileの選手達のスタートを11:00に見届ける。
米粒の形をした魚沼のゆるキャラ「うおぬまっち」と記念撮影w 手の形も米みたいな形をしてる、脚が短くてうまく歩けない愛すべきキャラw |
福田六花先生(医者)によるライブw(カテゴリー毎に毎回ライブしていたぽい) Deep Japanのために作られたオリジナルテーマソングの披露、やたらサビが耳に残る・・・ そしてレース主催の松永紘明氏が語り(ラップ?w)部分を担当w 個人的に全く想定していなかった熱血レースでちょっと面白いw |
このレースの特徴は大きな登りが2度あること(100mileはさらにもう1回ある)、そしてロードが長いこと、必携装備が多いことが挙げられる。そして浅草岳、守門岳という雪深いエリアを通過するため、場合によっては軽アイゼン等を含む「残雪セット」や、フリースやダウンを含む「低温セット」という2パターンの必携装備追加が言い渡されることがある。今回いずれのセットも除外になったので一番軽い装備で出走できた筈なのだが、それでも中間着や脚を完全に覆えるタイツ、防水防寒手袋など、他のレースではあまり見ないような装備の携行を強いられるため、装備品の選定が勝負を分けることになる場合があると言ってもいいだろう。ウォーターストレージも2L以上必携のため、今回は久しぶりにフラスクではなく2Lのハイドレーションをメインに、+αで500mlフラスクとした。
西側から始まりまずは東の浅草岳の登りをこなす。その後往路と同じポイントを経由したりしつつ西に戻り、大岳(守門岳)を登って小学校に戻る。 |
Start~CP1 山菜会館(13:15)
最初のエイドはスタートから9kmほど。スタート時の水は2Lのハイドレーションを満タンにはせず1L程とし、1度目の山菜会館で水を補給してから浅草岳に取り付く作戦とした。ちょこちょこトレイルに入るけれど基本的にはロードの9km、天気予報では小雨が降る中でのスタート→次第に雨が上がってその後は曇り、ということだったがスタート時も雨は降らずずっと曇天だった。日差しがあったらもっともっと暑くなっていただろうから曇り空でとても助かった。とはいえ湿度が凄まじく、夜間にガスが出るのではないかと不安がよぎる。持ってくるつもりでいたハンドライトとフォグフィルターのセットを忘れたことにここで気が付いた。時すでに遅し。
緩やかな傾斜のロードの登り、こういうところを走り切っていく人は強い。私は休んだり走ったり、走ったり休んだりを繰り返しながら、でも止まったり極端にペースの遅い歩きにならないように気を付けてずっと進み続けるようにした。登りのロードで女性ランナー2名ほどに抜かれたのを覚えていて、最低でももう3位(もしかしたら更に前にも何人か居るかもしれない)、女子選手が少ないとはいえなかなか女子総合で入賞するというのはハードルが高いことだなぁとぼんやり思っていた。最初は「あわよくば3位以内」と思っていたものが、あっという間に「5位までに入れれば盾貰えるし・・・」になり、そのうち「15時間台という個人的な目標さえ達成できれば、、、。順位っていうのは結果についてくるものであって、、、云々」と下方修正を繰り返した。たかだか10kmでそこまで下がってゆく目標、なんと自分に甘いことか!
お世話になった甘酒! |
肝心の浅草岳の記憶が薄れているのが本当に悔しいのだけれど、まぁ天気は悪くてガスで景色もなく、ヒメサユリが見られたことだけが救いだった。水2Lはやっぱり重い。でも登りは正直得意な方なのでそこまで辛かった記憶はなく、しかもまだ一度目の登りなのでぐいぐいいけたような気がする。寧ろ疲労の溜まった状態で臨んだ2つ目の大岳の登りの方がキツかった。
真っ白w |
一昨年くらいに同じような時期に浅草岳に行った時、諸事情で見られなかったヒメサユリ、 今回はお目にかかれて光栄でした! |
ようやく降り。雪渓ちらほら。 |
浅草岳を終えて再び山菜会館へ。 |
・エネルギー:レギュレーションで800kcalとあったので800~1000kcalほど持参。250kcalほど残して他は消費。ジェル・黒みつ・アミノバイタル顆粒・羊羹など。セブンイレブンの宇治抹茶わらびも持参したが、食べたい時にザックのポケットの奥の方に入ってしまって取りだせず、ゴール後に食べた。途中、エイドに置いてあったジェルは2本ほど貰って食べた。
・水分:2Lのウォーターストレージがレギュレーションだったので久々にハイドレーションを持参。ハイドレ2L+インナーファクトのフラスク500ml→スタート時1L程、その後浅草岳前と後では2Lフルチャージ。その他必要に応じて500mlにはスポドリを入れるなどして味変。ハイドレはずっと水。
<服装、装備>
・ヘッドギア:HerenessのFOCUS CAP(チームのロゴ入りオリジナルデザイン)
・上半身:Finetrackのノースリーブドライレイヤー+Patagonia半袖T(どこかのレース会場で買ったもの)、ORのアームスリーブ(一度も伸ばさず手首につけたまま終わった)、チャリ用指切りグローブ
・下半身:知り合いがカモシカの刺繍を入れて販売してくれているバギーズショーツみたいな感じの短パン(3000円くらいの)、CW-Xのボディバランスアップスパッツ・ショート(BCY101)、ドライマックスのソックス
・ライト:レッドレンザーH8R(メイン)+モンベルマルチパワーヘッドランプ(予備)
・ザック:Black DiamondのDistance15(必携装備が多く、TR10には収まらなかった為)
・シューズ:HOKAのTorrent4
・その他(必携装備等):エマージェンシーキット、雨具(ORのヘリウム2ジャケット+モンベルのストームクルーザー下、一度も着ず)、ココヘリ端末、MilestonesのCloud Hoody(ミッドレイヤー必携のため持参したがこれも着ず)、ヘッドライト予備電池(レッドレンザー用とモンベル用といずれも)、モバイルバッテリー(Ankerの10000mAh)+ケーブル、ヘリテイジのULトレイルポール、ワークマンのメリノグローブ、アクシーズクインの防水グローブ、ティッシュ&ビニール袋、生理用品、モンベル熊鈴(小)、Fold-a-cup(マイカップ必携のため)、手拭い、スノーピーク極カップ+100均カトラリー(推奨装備だったが一度も使わず)
後編へつづく